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zoom RSS 日本のワイン瓶は何故720mlなのか?;ビール瓶はどうして633mlと変な数字なのか?

<<   作成日時 : 2011/12/18 19:38   >>

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お酒の瓶の大きさは大、中、小いろいろあるが、基本的にどうしてこの容量になったのだろうと思うのがあります。その代表がワイン瓶とビール瓶の大きさです。これには、日本の度量衡と、外国の容量の単位の違いが絡んでくるのが判りました。お酒飲みにはちょっとの容量違いでも、「惜しいな!」と思うことがあります。特にワインが好きな私には日本と外国の瓶の大きさの違いは変だなと思っていました。ここではその疑問を晴らすべく、ワインとビールの瓶の容量の違いと、併せてガロンという単位について考えてみました。

●日本のワインの大瓶はどうしてみんな720mlなのだろう?

皆さんがワイン売り場に行ったらすぐ気がつくことがあります。それは日本のワインと外国のワインの瓶の大きさ違いです。外国のものはどの国だろうと全て750mlのワイン瓶です。しかし日本のワイン瓶(大)を見るとほとんど720mlばかりです。720mlの容量は、どうも全世界で日本のみの特殊サイズのようです。度量衡の標準化を進めているのに、どうしてワインは外国と違うのだろう。これが日本酒の1升瓶など、外国にはない伝統の単位で作られているのならわかります。しかしワインは外国から入ってきて、日本でも作り出したもの。その容量の理由は変なところにありました。

ワイン瓶;750mlは外国のもの、720mlは日本製(写真の一番右側が720ml)

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720ml瓶の由来は、日本の単位の1合からで、720mlは4合に当たります。日本でのワインが始まった当初、1升瓶、四合瓶は量産されていて、外国の750ml瓶を使うとコスト高になった。それで720ml瓶でワインを入れて売るようになったのです。1938年(昭和13年)にワインの酒税法が出来るまでは、ワインは1升瓶(1.8L)と四合瓶(720ml)が多かった。その後1升瓶は大きすぎて、720ml瓶が残ったのです。長年の習慣で、日本では世界標準の750ml瓶はほとんど今でも採用されず、720ml瓶が大半を占めています。わずかに特殊なワインで750mlのものがあります。しかし1升瓶のワインは今でも山梨のワイナリに行くと見ることができます。

ワインの1升瓶

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ところで、720ml瓶が流行った事情は他にもあります。皆さんは友人などと「一杯やろう」と言いますね。豊臣秀吉が太閤検地で決めた度量衡の京枡 (きょうます)は、どうもその1杯が1盃であり、4合(720ml)ほどであったらしい。これが100盃になると丁度4斗近くになります。この4合の量は「1盃(1杯)やるか」と飲んでちょうどいい加減の量で、当時は「1盃やろうか」というと、4合ほどの量をを飲むことを意味していたらしい。それで四合瓶(720ml)がはやり、ワイン瓶にも適用され、それが今でも、世界で珍しい720mのワインl瓶になって、日本では普及しているのです。

では何故外国では750ml瓶になったのでしょうか。これにもいろいろの説があります。750ml = 1/5ガロン(米ガロン)であり、1バレル(樽)= 60ガロンに関係あります。1バレル(1樽)は750mlのボトル300本分に相当します。ワインを樽に詰めてから、取り出すと丁度300本にキッチリなり、量を計るのが便利だったのです。それもあって750mlのワインビンになりました。ワイン瓶が750mlになるまで、各国ではサイズ違いの瓶が結構あったようです。

このように日本と外国のワインには大きさの違いがあります。そんな違いなんて、いちいち気にする必要がなのではないかと言う人も多いかと思います。容量に対する価格の違いの他に、ワインを専門としているソムリエにとっては重大です。一本から、何杯を均等にお客に振り分けるという場合、その30mlの差は結構重大なことです。外国からワインの品評会などで来たソムリエは日本の720ml瓶はやりにくいと思います。

● ビールの大びんの容量はどうして633mlと変な数字になったのか?

昭和15年(1940年)3月に新しい酒税法が制定されましたが、このときビール税と物品税はビール税(庫出税)に一本化されました。このとき、ビールの容量を統一しようということになり、その当時の大日本麦酒の10工場と麒麟麦酒の4工場で使用していたビール大びんの容量を調べました。そしたら、一番大きなものが3.57合(643.992ml)、一番小さなものが3.51合(633.168ml)でありました。そこで容量が一番小さいものに合わせれば、それより大きめのびんも使うことができるという理由から、昭和19年(1944年)に3.51合(633ml)に定められました。それから現在に至るまで、この633mlの容量がビールの大瓶に使用されています。また、小びんも同様の理由で334mlに決められました。

最近では缶ビールが手軽で流行ってきて、135ml、350ml、500ml缶とあります。これには633mlなどと変な数字でなく、切りのよい数字になっています。カンビールが伸びた理由は、栓が改善され、すぐ抜けること、持ち運び、保存に便利などの理由があります。瓶はガラスのため捨てるのに不便です。しかしリサイクルという点ではいいことがあります。ビールびんはプラスチック箱とともにビール工場に回収され、不良びんを取り除いててから洗びんをして、検査後に再使用(リサイクル)されます。概ねビールびんは約4カ月程度で工場に回収され、年間で約3回転し、使用年数は8年程度といわれています。

大瓶のビールは飲み会などでコップに注ぐとき、大体ビン1本で4人分のコップに分けられます。缶ビールだとこうはいかないですね。そうした意味からも633mlが昔出来たのかもしれない。

ビール 633ml瓶

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●沖縄の牛乳パックは1リットルではなく946mlと中途半端な容量になっている。

本土で通常1リットルの牛乳パックは沖縄では946ml入のパックとなっているのを知っていますか?これはアメリカの統治時代の名残で、1ガロン=3758mlの1/4のクォーターガロンに関係しています。沖縄で本土復帰する2年前に、初めて牛乳工場が作られました。その工場では機械や容器などのサイズは全て米国製で、容量も単位がガロンでした。それで販売では1リットルに一番近いクォーターガロン=946mlにする事になったのです。 牛乳のパック売り化については、実は沖縄の方が本土よりも少し早かったようです。今でも沖縄は946mlパックで販売しています。本土の大手牛乳メーカーも沖縄ではこのサイズで売っています。

沖縄の牛乳パックは946ml

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●ガロン(Gallon)とテンガロンハット(Ten-Gallon-Hat)について

今までにガロンという容量の単位が出てきましたので、これについての話をちょっとします。

☆ガロンについて

ガロンという単位が上述のワインの瓶の容量で出てきましたので、ここで少し補足の意味もこめて書いておきます。ガロンはヤード・ポンド法で用いられる体積容積の単位であり、gallon, 記号:galと表記されます。国や用途によって各種のガロンの定義があります。8ガロンを1ブッシェル(bushel)、36ガロン(英国)もしくは42ガロン(米国)を1バレル(barrel)といいます。米国のガロンと英国のガロンでは少し容量が違います。1ガロンは英国は4.546リットル、米国は3.785リットルです。度量衡の各国、用途別の違いを細かく話していると大変な記事量になるので、それは別の機会とします。

☆テンガロンハット(ten-gallon-hat)は本当に10ガロン入るのか?

西部劇のテンガロンハットは、アメリカに行くとお土産でも売っていますね。10ガロン (ten gallon=38リットル)) の水が入ると言われています。実は帽子の中に10ガロン(=38リットル)の水はとても入りません。日本では、カウボーイが被る帽子のことをどれも、「テンガロンハット(Ten-Gallon Hat)」と言いますが、これは間違いです。カウボーイ(cowboy)がかぶっているカウボーイハット(Cowboy Hat)は、ブリム(つば)やクラウン(登頂部分)の形が異なるいろいろなものがあり、それぞれに違う名前が付けられています。そしてその一つがテンガロンハットなのです。したがってテンガロンハットは、カウボーイがかぶる帽子の総称ではありません。今ではキャトルマン(Cattleman=牛追い)と呼ばれているカウボーイハットが主流です。テンガロンハットはカウボーイハットの中では珍しい種類であり、本当のカウボーイやカントリー・ミュージシャンがこのような帽子をかぶることはほとんどありません。

ではテンガロンハットと何故呼ぶのか?テンガロンハットのガロンは容積の単位を表すgallonとは違います。テンガロンハットには必ずひもが付いており、スペイン語で「ひも、編む」を意味するgalonに関係あります。テンガロンハットはカウボーイハットの原型である帽子を作ったニュージャージー出身の帽子職人のジョン・バターソン・ステットソン(John Batterson Stetson)(1830-1906)が考案したハットで、この名前にスペイン語を使ってTen Galon hatと名付けました。このスペイン語のgalが次第に英語のgallonと置き換えられてしまい広まったのです。今でも帽子職人のステッソンにちなんで、またアメリカではとても有名な帽子メーカーでもあって、カウボーイハットのことをStetson とも言います。

テンガロンハット

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カウボーイハットによく似たものでソンブレロがあります。ソンブレロ(スペイン語:Sombrero)は、メキシコの農民や南米のカウボーイ(ガウチョ)が使用するつばの広い帽子です。この名称の意味はスペイン語で「影」を意味する"sombra"に由来しています。カウボーイハットとソンブレロは似ていますが、ちょっと違いがあります。カウボーイハットはブリム(つば)の左右一方がそり上がっていますが、ソンブレロはブリムのエッジ全体が上にそり上がっていて、見た目がちょっと違います。クラウンといわれる登頂部分が高くつばが広いのが特徴で、材質では麦藁製のものとフェルト製のものがあります。このうちフェルト製で皮の飾り紐などのついたしゃれた形のものが北米のカウボーイに愛され、次第にカウボーイハットと呼ばれるようになりました。



ソンブレロ(フェルト製のもの)

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ソンブレロ:麦藁製のもの

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ワインとビールの瓶の容量の違いから後半はちょっと横道へそれてしましました。日常、何も気がつかないで、飲んでいる人も多いと思います。しかしこの話題は、お酒の席でそれとなく話すと座を持たす一つのネタにもなります。皆さんも覚えていて、ちょっと話してみたら?ではこれを肴に今日も1杯(盃)やりますか!

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
アメリカと日本のワインの瓶の容量が違う事をはじめて知りました。面白いですね、それにビールの容量の中途半端な数字、数字を見た時不思議に思いましたが調べた事もなかったです。この記事を読んで納得です。友達と集まる機会があるとき面白い話題を提供できそうです。
Anne
2011/12/21 22:46
Anneさん
ワインの瓶の大きさ違いは、ある意味、日本のワインの国際化を阻害しています。このままでは輸出すると不具合が起こる可能性があります。それで日本のワインはあまり外国へ輸出していません。ビールは外国での生産や業務提携が多くなってきましたが、ワインは国際化が遅れています。また日本のワインは甘口が多く、このままでは辛口の好みが多い外国ではあまり売れないでしょう。
是非一度どこかのくだけた雰囲気の席で、この話をしてみてください。お酒関係の人でも、あまりにも当たり前で、知らないことが多いようです。私も一度お酒に詳しい人に話しましたら、とても驚いていました。テンガロンハットも誤解が多いようで、これまたいい話題になります。
Jack
2011/12/22 18:23
仕事で瓶の容量について調べていて、こちらに来ました。大変勉強になりました。しかも雑学まで・・・。
文章も上手で(上からでスミマセン)面白く最後まで拝見しました。ありがとうございました。
しずくパパ
2015/04/28 13:27

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