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zoom RSS 男と女をめぐる英単語の話:ベターハーフはなんで半分なの?/ハズバンドは家を持っている人?

<<   作成日時 : 2013/03/08 19:39   >>

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男と女の関係や特性に関する言葉は古今東西多いですね。今回は英単語関連のそうした話題をいくつかピックアップして書いてみました。

★ベターハーフ(Better half)はなんで半分(Half)なの?

よく夫婦の相手のことを「ベターハーフ」(Better half)と呼びますね。夫婦のパートナーのことは配偶者、伴侶、連れ合いなどいろいろな呼び方がありますが、なぜBetterでHalfなのでしょうか?Betterはgood, better, bestの比較級のうちの真ん中です。Best halfではダメなんですか?反対にWorse halfとの言い方があり、悪い夫を指すようですが、こちらもbad, worse, worstのうちレベルが真ん中なのはどういうことでしょうか。

そもそもこの言葉の始まりは、古代ギリシャ時代までさかのぼります。もともと天国では、ひとつだった人の魂は、この世に生れる時に男性と女性に分けられて別々に生まれてくるので、現世で天国時代のもう片方の自分に出会うと、身も心もぴたりと相性が合うといわれます。その相方のことをベターハーフと呼んでいました。

上記の話は、ギリシアの思想家プラトンの「饗宴」という紀元前4世紀の本からであり、その中にベターハーフの元となる話があり、もう少し詳しく見てみましょう。

古代の最初の人間は、頭が二つに手足が四本づつあって、円筒状の横腹をそなえていて、現在の人間二人が背中合わせにくっついたような形で、丸いからだをしていました。男と男がくっついたもの、女と女、そして男と女の組み合わせの、三種類の人間がありました。この中で、男と女が一体となっていた人間は「アンドロギュノス」といわれていて、自惚れが強く、神々に戦いを挑もうとした人間たちでした。これに対して、ゼウスは怒って、それぞれの組み合わせのものを、2つに切り離すように決断しました。

全能の神ゼウスは、「アンドロギュノス」をまず二つに分けました。またアポロンは胸を作り、四方八方から皮を腹の真ん中へ引き寄せそこで締めくくったのでと呼ばれているものができました。その後男と女を分ける作業をしました。もともと人間は一つのものだったのですが、二つに別れ、各々は半身に過ぎず、常に自分の半身を求める事になったのです。このようにして男達は皆女好きであり、女達も同様に男好きになり子孫を残すようになりました。

しかし、女と女、男と男の組み合わせの人間から別れたものの中には、女達は男には興味なく、女ばかりに心を寄せてものがおり、男達にも同じものがいました。同性愛者はこの名残であり、この種族から出てきます。

これにより原形を切断された人間は、失った自分の片割れに憧れ、自分のより良い半身である相手を、ベターハーフ(Better half)と呼ぶようになりました。

男女一体の元の人間「アンドロギュノス」

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これとは別の話もあります。ずっと後の世になって、ある裁判のことでした。罪を犯した夫の妻が証人として裁判官の前に出ました。彼女は「私たち夫婦は一体であるのに、夫のみが罰せられるとは、一体の半分であるベターハーフの私はどうしたらいいのか」と訴えました。この言葉が世に聞こえて、以前よりあったベターハーフの言葉はより一般的になり、広く使われるようになりました。

少し前に「最強のふたり」という映画があり、事故で首から下が完全に麻痺してしまった大富豪(男性)と、その介護役に抜擢されたスラム街出身の黒人青年とのほのかな交流を描いた作品でした。この映画の印象はまさにベターハーフともいえますね。男女ではありませんが、絶妙な二人は天国で別れて以来、奇跡的に会えたのでしょう。

映画「最強のふたり」はまさにベターハーフ

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★ハズバンドは家を持っている人?

Husband(ハズバンド)夫、亭主のことですが、husbandって言い方、どこから来たのでしょうか?実はhusは元々はhasで、家(house)の意味であり、bandは所有者の意味で、この両方が結びついたものです。昔は自分の家を持っている人はとても少なく、持っている人は自作農に限られていました。だから、家を持っているような人は一種のエリート、上層階級であり、結婚したいような人気の男性でhasband=house+band--->husbandでした。この言い方が続いて、その後、次第に家のあるなしにかかわらず、結婚した男性はハズバンド(husband)と呼ばれるようになりました。

Husbandを辞書で調べると、他に「倹約する」の意味があります。家を持っているような人は家の家計を預かる人でもあるので、当然、倹約する人が多く、husband倹約するの意味になりました。日本では奥さんが家計を任せられているケースが多いようですが、欧米では意外と夫のほうがサイフのひもをしっかりと握っていることが多く、このへんからもhusband倹約するの意味がわかるような気がします。

しかし妻から夫への呼び方はhusbandだけでなく、いろいろとあります。例えばHoney, My dear, Darling, Babyなどです。一方夫から妻(wife)の呼び方としては、Honey, Sweat heart, Dear, Babyなどあります。奥さんの方への呼びかけ方の方が多く、甘い感じの言葉が多いですね。しかしファーストネームニックネームで呼び合う夫婦も多いようです。

日本語では、夫は「主人」「亭主」「旦那様」、妻は「家内」「女房」「奥さん」そして「細君(さいくん)」などで、中にはおいちょっと位しか呼ばない旦那さんもいます。

ある男性が、大統領や首相の座に就いた場合、その夫人はファーストレディFirst Lady)と呼ばれて、それなりの気品と規範が求められます。イギリスでかって、サッチャー女史が首相を務めた時は、政治家ではなかったその夫はファーストハズバンド(First Husband)と呼ばれました。英国には女王の夫であるエジンバラ公がいますので、夫でも公的なその立ち居振る舞いにお手本があり、女性でも安心して公的な役職に就けます。ドイツ女性首相メルケル氏の夫は学者だそうですが、サミットなどではホスト役をうまく演じています。

イギリスのエリザベス女王とファースト・ハズバンドのエジンバラ公

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これは聞いた話ですが、ニュージーランドにはKiwi Husbandと言う言葉があるそうです。鳥のKiwiの雄は、雌の為にせっせと働くので、そこから来たのかもしれません。Kiwi Husbandは優しくて、家の仕事をかいがいしくするニュージーランド人の夫のことです。

「キーウィハズバンド」(Kiwi husband)はニュージーランドのかいがいしい夫

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また男性の同性愛者の夫婦では夫のことを呼ぶ場合、両方ともhusandだそうです。女性役でもそうらしい。もちろん普段、お互いを呼ぶ場合は名前、愛称などで呼んでいると思います。同性愛者が増加している現在、実際のところはどうなんでしょうか?

★アメリカで家庭的(Homely)というと不器用な人になる。

同じ言葉なのに、イギリスとアメリカでは受け止め方が違う単語があります。Homelyという単語は、イギリスでは家庭的な、快適なという意味で取られ、アメリカではなんと不器量な、醜い(ugly:ブスな)野暮ったい(unattractive)との意味で捉えられます。例えば、イギリスでは「あなたの奧さんはhomelyですね」と言えば褒めている言葉になりますが、これををアメリカ人に言うと、「なにー!」と怒ったような顔をされます。イギリスの他、旧大英帝国圏のオーストラリアやニュージーランドでも「家庭的な」という意味で受け止められます。したがってこの言葉の使用には、相手を見て単語を使い分ける必要があります。

例えば、イギリス人がShe is very homely women.と言うと、彼女ってとても家庭的な人だねと言っているのですが、相手がアメリカ人だと、彼女はとても不器量だねと取るのです。言葉の行き違いから、この会話の人の仲が悪くなることもありえます。アメリカ人のhomelyへの感覚は、例えば、家具など選ぶとき、普通の家庭にあるようななんでもない家具をhomelyとし、高級ホテルに置いてあるようなすごい家具はhomelyではないという感じなのです。こうした感覚でのhomelyが女性に向かって使われると野暮ったいの意味になってきてしまいます。家庭的な女性をdomestic womenと言うのも少しずれているようです。もっと他の修飾語を使って言うしかないですね。

Webで"homely"を検索するとこんな顔の人が出てきます。

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なお日本語でアット・ホームという場合は和製英語であり、英語の at home(家で、気楽に)とは意味が違います。むしろイギリスのhomelyに近い意味で使われていますが、ついこれをそのまま英文でhomelyの意味合いのつもりでat homeを使うとおかしなことになります。

★Womanはもともとは妻のことだった。

Husbandが出てきたので、ここで女性の単語でwomanを考えてみました。女性をなぜwomanと言うのでしょう。woとは何か意味があるのでしょうか?manは昔は人間一般を指していました。その後manは人の意味がずっと続き、11世紀ころからようやく男性を指すようになりました。

古い英語では、もともとはwoman「wifmann」でした。wif=female( wife) + mann (=person)による造語です。すなわち「woman」とは、「妻となる側の人間、女性の側の人間」という意味合いであったのです。(wo=wifの部分に「妻、女性の」という意味があった)

その後wifの部分は「wife:妻」という単語として独立してゆきます。そしてwifmann”f”のところは発音ではなくなってゆきます。willの否定形がwon'tになるのと同じです。こうして徐々にwifmann---wifman---womanとなり、女性を表す言葉となりました。

しばしばwomanは語源的にwomb「子宮」=womb man(子宮のある人)に関係があるという説がありますが、これは今では間違いではないかと言われています。またwoe-man(わざわいの人)との説があり、エデンの薗を追われたわざわいの人イヴwoe-man--->womenの始まりとも言われますが、これも信ぴょう性が薄いようです。

余談ですが、woman liberation(ウーマンリブ)とのことばが流行った頃がありましたが、このliberationの始めの"l"(エル)を取り、"r"にするとrib=あばら骨になります。これはイヴはアダムのあばら骨から生まれたことに由来するそうです。あばら骨一本(="l"=数字の1)取ったことのJokeですね?

かってウーマンリブ運動の盛んな時代がありました。

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イヴの話で思い出しました。アダムにも逸話があります。男性にある喉仏(のどぼとけ)は禁断の実であるりんごをアダムがかじっているとき、神様の声がしたので、慌てて飲み込んだが、のどに引っ掛かって、そのまま膨らんでしまった。それが喉仏(Adam's apple)です。"adam's ale"(アダムのビール)という言い方がありますが、これはのことです。アダムとイヴの時代のビールと言っても水しかなかった時代でした。これはジョーク的な発想のの表現です(aleはイギリス伝統のビール)。禁酒をうながす次のようなジョーク的なことわざがあります。"Adam's ale is the best brew"(やはり水が一番の飲み物だね)"adam's needle"といえばイトラン(学名ユッカ:Yucca)です。アダムとイヴが裸を恥じて腰みのを作ったとき利用した針で「アダムの針」と言われます。

「イトラン」は"Adam's needle"と呼ばれる。

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男と女、違いはありますが、要するに、お互いの無いところを補い合って生きてゆくのが一番のようですね。

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内 容 ニックネーム/日時
ベターハーフの元となる話すごく面白かったです。"原形を切断された人間は、失った片割れに憧れ自分より良い半身である相手をベターハーフと呼ぶようになった”、いつの時代においても自分のパートナーが自分より早くなくなった時、自分より良い半身であったと思いたいです。なくなった後も尊敬できる相手であって欲しい?相手ばかりでなく自分自身もそうでありたい。家族間のトラブルはもっと減るはずと思いますが。
Anne
2013/03/08 21:14
Anneさん

ベターハーフの由来を知ると、なるほどと思うのと、Anneさんが言う通り、相手も自分もより良い人であったと後で思うような人間になりたいですね。夫婦が当初はともかく、お互いの努力と信頼によって、確固たる良い関係に次第に築き上げてゆくのは理想です。この関係はベターハーフの物語を超えています。

男女に限らず、人間には短所・長所を併せ持っており、どこまで受け入れ、自分がどう反応するかですね。

Husbandとwomanの話は少し堅いので、もう少し柔らかく、面白くしたかったと思っています。
Jack
2013/03/09 17:12

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