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zoom RSS 映画の上映でどうして「ロードショー」と呼ぶのでしょうか? / 「封切り」って何を切る?

<<   作成日時 : 2013/01/14 15:13   >>

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映画は今ではみんなの娯楽になっています。シネマコンプレックスが流行ってきて、一ヶ所にたくさんの映画館がずらりと並び、好きな映画に自由に入れます。その代わり、かってあった、2流館、3流館で安く、2本立てや3本建ては見れなくなってしまいました。場末の3本建て映画館で一日中、弁当持参で暮らしたことが懐かしく思い出されます。でも今はほとんど封切りで、ロードショウばかりが当たり前になりました。これもビデオ、DVD、TVでの映画視聴の影響でしょう。

この「封切り」、「ロードショー」って言葉、どうして出来たのでしょうか?何となく見聞きしますが、もう一つわかりません。そこで今日はこれら映画の言葉についての話です。

★「ロードショー」って路上のショーだった?

映画の宣伝でよく「ロードショー」の文字を見かけます。特に封切り映画には多くこの言葉が入っています。中には「全国ロードショー」などと言った言い方もあります。少し前には「独占封切り興行」と言っていたこともありました。「封切り」と「ロードショー」の関係は?「ロードショー」って言葉、映画を興行するのには「ロード」というのが何か変な言葉と思いませんか?

映画における「ロードショー」とは英語の"road show "からきた言葉で、一般公開に先行して、特定の劇場(主に大都市)で行われる封切上映のことであり、ロードショーを行う映画館のことを「封切館」といいます。

ロードショーはもともとアメリカの演劇から生まれた言葉であって、まず大都市の公演前に、地方巡業で宣伝目的で行われた路上(Road)での予告上演のことでした。この地方での公演の評判でもって、最終的にブロードウエイなど大都市での公演を目指したのです。

この演劇界のロードショウの方法がそのままアメリカの映画界にも反映されたのですが、内容は少し違いました。演劇とは逆に、まず都市部で新作映画を先行して上映してみて、そこでの評判や観客の反応を見て、地方での上映方法や展開の規模等を検討するという方法が取られ、これがアメリカでの「roadshow theatrical release」と言う方法でした。このアメリカの「都市部での新作先行上映」のことが日本で言う「ロードショー」となったのです。

日本の映画界には、アメリカ映画界の新作映画の上映方法が導入されました。70年代後半までは、「東京・大阪など大都市圏の数都市で先行上映し、その評判を見て、その他地方での興行をどう行うか検討する」という方法が行われました。そして、この上映方法のことを「ロードショー」と日本では呼ぶようになりました。

「全国ロードショー」の007映画の宣伝。もう007も50周年になりますね。

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なお英語では"road show"といった場合は、地方巡回興行のことを主にさすことが多い。したがって日本で普通に言っている「ロードショー」を英語で言いたい場合はroadでなく、"preview"のほうが合っています。日本でいうロードショーは和製英語です。ロードショー劇場はfirst-run(release) movie theaterです。

その後、日本では1970年代後半から、いわゆる「大作映画」については、全国で100以上の映画館で同時公開するというやり方 が一般的になってきました。しかし「ロードショー」という言葉はなぜか残って、「全国一斉封切り」とは言わず「全国一斉ロードショー」、「拡大ロードショー」という言葉でロードショーの言葉は続きました。.この方法での最初の上映は、1974年の「タワーリング・インフェルノ」やそのあとの「キングコング」でした。しかしこの方法も、1990年代中ばまでには衰退し、その当時までの意味でのロードショーの興行方法での映画はほぼなくなりました。

その後、ロードショーのやり方が変わってきました。新規の映画作品は全国一斉に封切りされる方法が一般的になり、これが、今で言われるロードショーの意味になっていったのです。したがって、ロードショーとは従来の先行上映という意味だけでなく、新作の封切り映画興行についての全般をさす言葉として使われるようになってきました。そして、いわゆる封切り館、2流館、3流館の方法もなくなり、今ではほとんど、映画館では新作映画だけが1本だけ全国的に上映され、それがあまり経過しない内にTVでその映画が見れるようになり、さらにはDVDなどメディア化が図られるようになりました。

街で見かける「ロードショー」の看板

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「全国ロードショー」の広告:今ではロードショーは全国が当たり前なのであまり使われません。

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脱線ですが、他の業界でも「ロードショー」を使っているところがあります。それは投資関連業界などです。「ロードショー」とは、上場承認後株式公開前に、機関投資家向けに行われる会社説明会の事を指します。会社経営陣が関連の国内外の投資家を訪問を連続的に行う行動を指し、新規上場株の場合が多い。そして株式公開時の売出価格は、このようなロードショーでの反応、需要動向により決められます。この言葉は同様な意味合いから、投資以外の業界でも、市場や顧客の反応を見るため各地で巡回説明会、セミナーを行うことにも使われています。

これらの業界の人が映画の話をする時もロードショーと言うのでしょうか?ちょっと混乱しそうですね。

これはセキュリティ関係セミナーのロードショー案内

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ビジネスに於けるロードショーの説明ページ

http://www.k-larc.jp/%E7%94%A8%E8%AA%9E%E9%9B%86/%E4%B8%8A%E5%A0%B4%E6%89%BF%E8%AA%8D%E5%BE%8C%E9%96%A2%E9%80%A3-%E4%B8%8A%E5%A0%B4%E6%99%82%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC/

★映画で「封切り」てなんの「封」を切るのだろう?

「封切り映画」などとよく言われますが「封切り」という言葉はどこから来たのでしょうか。その意味は、「新作映画を初めて上映すること」です。ではこの「封」とはなんでしょうか。その語源は幾つかあります。江戸時代に、店で売られていた本は、その店で読めないように白い紙に包まれた形で売られていました。そして、その紙を切ることを「封切り」と言っていたことから、映画界でも新作映画を初めて上映することを「封切り」というようになったのです。また新作映画を初めて上映する際に、映画フィルムが入っている缶の封を切る、というところからきたという話もあります。今ではこの「封切り」と同じような意味で上述の「ロードショー」ということばも使われるようになってきて、「封切り」も「ロードショー」も似たように使われます。ちなみに英語では「封切り映画」は"a newly-released film/a first-run movie"となります。

映画フィルムが入っている缶の封を切ることを「封切り」と呼ぶ説もある。

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★銀幕スターって言うけど、銀幕とは何?

少し前まで、映画の人気俳優のことを「銀幕スター」などと呼びました。では「銀幕」ってなんでしょうか?「銀幕」は漢字の表す通り、銀色の幕で、映画スクリーンのことです。でもスクリーンは銀ではなく白い幕ですね。これは日本語特有の表現から来ています。一面どこまでも続くの雪に覆われた景色を、一面の銀世界と表現します。目に見えてる真実の景色の色は白一面なのですが、ちょっとした光の角度や明るさの加減によっては銀色のように見えることがあります。ちなみに、絵書きが雪を題材にした絵を描くときは、まず雪は白にはしません。雪は濃淡と空の反映、光の加減でいろいろな色になります。また映画の白いスクリーンは上映されると、そこでは様々なことを表現されます。美しさ、楽しさ、感動、悲しみ、などがスクリーンを通じて観客に伝わり、そこは期待を寄せる銀色の世界のようでもあります。そこから、大きな白い布である白い映画スリーン銀幕と呼ぶようになったのです。

昭和初期には、この「銀幕」という言葉は既に使われていたようです。その後、白いスクリーンのことだけでなく、映画産業界全体のことも「銀幕」と呼ぶようになり、代表的な俳優を「銀幕スター」と呼ぶようになりました。

石原裕次郎は正に銀幕スターでした。

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さて、映画スクリーンには過去いろいろのサイズのものが有りました。シネマスコープ、シネラマ、70mm、ビスタビジョンなど、今では廃れているサイズもあります。縦横比も変化しており、現在のテレビサイズ、パソコンサイズとも関連しています。かって、ワクワクしながら、東京都心にあるシネラマ劇場に行って、首を回しながらシネラマ映画を見たのが懐かしく思い出されます。最近はアイマックスといった巨大なスクリーンや3Dの立体画面もありますね。

かってのシネラマ映画館のテアトル東京

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シネラマで見た西部劇「西部開拓史」は、首をぐるっと回すようなスクリーンの広さで迫力がありました。

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参考に映画スクリーンのサイズの説明があるページをリンクしておきます。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~cinema/0702.html

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映画にはまだまだ面白い用語や出来事があります。2流館、3流館で数本建て和洋映画を片っ端から見ていた頃が懐かしいですね。見るのも根気のいる時代でした。オールナイトショーで、夜通し見ていて、明け方に帰ったこともありました。今はシネマコンプレックス、TV、DVDなどで自由に見れるので、かってそんなことやったのが不思議な感じがしています。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
映画好きの私にとってはすごく面白い話題でした。インディ映画はロードショー公開とは言われないと思っていましたが、そんな事はないですね?でも、今でもまず都会で上映してヒットすることがわかり、順次ロードショー公開されることがありますが、昔の風習がまだ残っている事ですね?銀幕のスターの話、楽しかったです。銀幕の意味、考えたことも無かったので。
Anne
2013/01/15 22:08
言葉の意味はその時代を反映して、変わってきます。50年前に007映画が最初に封切られた時と、現在とはずいぶん、映画と映画館、上映方法が変わっています。しかし50年間も似たような内容で続く映画があるとは、ある意味、映画ファンには心強いですね。TV、DVDも手軽でいいですが、やはり画面の大きさ、音響、臨場感と言ったものは劇場の映画にはかないません。ただ西部劇ファンにとっては、アメリカ映画に西部劇がほぼ皆無になったのが寂しいのと、以前のようなヨーロッパ系統の映画が今では少ないのが残念です。
Jack
2013/01/16 16:28

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