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zoom RSS 「鳥居」と「鴨居」;どうして「鳥」の名前と「居」がつくのだろう?

<<   作成日時 : 2012/10/30 17:08   >>

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神社に行くと、そこに入る前にたいてい鳥居があります。「ここから神域ですよ」という知らせのようなものです。鳥居には京都の平安神宮安芸の宮島のように大きくて立派なものから、小さなお稲荷さんの前にある、比較的簡単なものまでまであります。鳥のつく言葉はたくさんありますが、下に居がつくものがあり、鳥居の他にも鴨居、敷居があります。

今回はこれら鳥の名前と居が付く不思議な鳥居、鴨居の関係の話です。

★神社の鳥居はどうしてその名前に鳥と居がつき、あの形なんだろう。

神社に行くとその前にたいていあるのが「鳥居」です。このような形の鳥居と呼ばれるものはなんのためにあり、どうしてこんな形になったのか、またどうしてこれに鳥居と名前がついたのか。鳥のような形はしていないが、どこから鳥と関係しているのか。このような疑問が湧いてきます。神社の前の鳥居は「ここからは神域です」との印、また「神様の通り道」とも言われています。

鳥居」の名前の由来は説がいくつかあり、どれが本当かはっきりはしていません。それでは由来の例をいくつかあげてみます。

・インドの寺院の門の名前がトラーナ(Torana)で「トラナ」から、これが次第になまり鳥居になった。

   
・神社へは、鳥居を「通って入る」ので、通り入るのでトリイから鳥居。    

・中国の門柱の華表の説。 華表と書いて「とりい」と読む苗字があるのが、その由来。

・昔の大臣参拝説。大臣のような高貴な人が通るので「臣入る(とみいる)」と呼ばれ、それがなまって鳥居になった。

・上記の関連で「ここで待っとけ」の説: 昔、身分の低い人の事を「鳥」と呼んでいたので、高貴な人が神社に参拝する時は、それに従っている身分の低い人は中に入いれず、「鳥はここに居ろ」と言われ、ここで待つように言われた場所だから鳥居。

・天照大神が天岩戸に隠れた時、天照大神に出てきてもらうために、天岩戸の入り口で、止り木に止まらせた「常世の長鳴き鶏」(とこよのながなきどり)を鳴かせたという言い伝えから、その鳥が止まり木に居るということで鳥居になった。当初はこの横木のことを「鶏栖(とりい)」「鶏棲木(とりすぎ)」と呼んでいましたが次第に鳥居になった。「常世の長鳴き鶏」(とこよのながなきどり)というのは、岩戸から出てきて貰うために、玉祖命(たまのおやのみこと)が常世の国から連れてきて、岩戸の前で鳴かせたという鶏(にわとり)。


宮崎県、高千穂にある天岩戸神社の鳥居

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天岩戸神社。この奥に天岩戸があるが見れない。

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天照大神を岩戸から出すため人々が相談したと言われる天安河原(あまのやすがわら)。

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上記の説の中では、天照大神の話がおもしろく説得性があるように思えます。にわとりは昔は「かけ」(鶏)と呼ばれ、万葉集にも登場します。

この鳥居には大きく分けて二つあります。それは「神明」系と、「明神」系と呼ばれます。

・神明系:「神明」系は、シンプルな形で横木には島木がなく、笠木と貫の二本で、縦柱もまっすぐ垂直に立っています。伊勢神宮や靖国神社、熱田神宮、鹿島神宮などが、この「神明」系の鳥居です。

・明神系:神明に比べて「明神」系は、仏教建築の影響があり、やや曲線的です。横木は、笠木の下に島木が添えられていて、両端が反っているもの(反増=そりまし)もあります。柱も地面に垂直ではなく、やや斜めに立ち、根元に行くほど太くなっているようになっています(ころび)。安芸の宮島の厳島神社、奈良の春日大社や、京都・平安神宮、石清水八幡宮が「明神」系になります。

神明系と明神系の鳥居

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京都の平安神宮は明神系の鳥居

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ところで、鳥居って、神社だけにあると思っていますか?実はお寺にも鳥居はあります。例えば高尾山薬王院や豊川稲荷などには、お寺なのに鳥居があります。伏見稲荷と共に有名な豊川稲荷は実はお寺なのです。愛知県の豊川稲荷として知られていところは、豊川閣妙厳寺と呼ばれていました。曹洞宗の名刹といわれ、嘉吉元年(1441)創設です。江戸時代まで神仏は混合し、同じ場所にお寺と神社が同居していたところもありました。しかし明治時代初めに発令された神仏分離令によりお寺の中の神式は廃止されることになり、この寺の中にあった稲荷神は改めて寺院鎮守のダキニシンテンとされて、境内の鳥居も撤去されました。しかしその後に廃仏毀釈運動が落ち着くと、人々は再び、通称の豊川稲荷で呼ぶようになり、かっての鳥居が再建されました。このように鳥居は再現されたのですが、豊川稲荷はあくまで寺院であり、伏見稲荷のように神社とは違います。

豊川稲荷はお寺ですが鳥居がある。

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京都の伏見稲荷は神社。千本鳥居と言われ、大小合わせるとすごい数の鳥居がある(約1万本?)。

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こう見てくると、鳥居にも由来と種類がいろいろとあるものですね。今度神社へ行く時は改めてよく見てみようと思います。ところで鳥居の通り方を知っていますか。

<鳥居の通り方>

・まず鳥居のいずれかの柱よりに立ち止まります。
  (中央は神様の通り道です)
・姿勢を正し、一礼します。
・左足から通ります(神事は「はじめは左から」です)
 鳥居の端を通ります
・参道の中央は神様が通る道であるということから、中央を避けて歩きます。


★住宅にある鴨居はどうして鳥の名前と居がついているのだろう。

日本住宅には開閉する障子の上に鴨居と呼ばれる横木がありますね。さてこの鴨居、上述の鳥居と同様、鳥の名前である鴨がつき、居があります。何か関係があるのでしょうか。

鴨居」は「鴨+居」で構成されます。では「鴨」とは何んでしょうか。かって、「鴨」とは水鳥の総称を言い、浮かぶ鳥を意味していました。すなわち下の床と上の天井の間に浮いたようにある水平の木材(横木)です。さらにあとの「居」ですが、これは人が潜る(くぐる)という意味がありました。居はくぐるの意味があることから、鳥居にも使われ、ここをくぐって神社の中に入るのです。

他の説では、「噛む(かむ)居」のこととしています。鴨居は建具が倒れないように溝のある構造になっており、これで支えているので、「噛む(かむ)居」-->「かむい」から鴨居になった。この場合の「鴨」は当て字です。なるほど、床に敷いてある敷居の「敷+居」に対して「噛む+居」=鴨居は理屈が合っているように思えます。「居」が付くのは鳥居と同様、やはり鴨居も敷居も「居=くぐる」意味からでしょうか。

まだあります。家を火事から守るという意味合いから、火をよけるように、水辺に住んでいる鴨の形をまねたものを、鴨居のところに取り付けたということから「鴨居」と言うようになったとも言われます。

家の中の鴨居

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横浜から八王子までのJR横浜線鴨居という名前の駅があります。ここの名前の由来もはっきりはしませんが、近くに川が流れ、鴨が多くいたようです。木のおい繁った所を神様の居る場所として神居(カムイ;アイヌ語)と言ったので、それがカモイ・鴨居となったという説もあります。

JR横浜線「鴨居」の名についての記事

http://www.kamoicho.org/chiiki/chiiki-2.htm

JR横浜線、鴨居駅

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さて少し前にこんなニュースがありました。あの有名な小惑星探査機「はやぶさ」はこの鴨居の近くの工場で主力が作られました。そして、はやぶさが到達した小惑星「イトカワ」には、ある部分にカモイという地名が付けられて、「カモイ」はすっかり世界的になりました。

小惑星「イトカワ」には7つの日本名が付けられ、その中に「カモイ」がある。

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小惑星「イトカワ」に日本名が付けられたとのニュース

http://www.astroarts.co.jp/news/2009/03/04itokawa/index-j.shtml

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今回は鳥居と鴨居について書いてみました。こんな関係を考察しているページを探したのですが、断片的であまり参考にはなりませんでした。そこで自分が書いてしまおうとこの記事を書きました。

そういえば、鴨について「カモにする」との言い方がありますね。鴨は比較的捕まえやすい鳥なので、勝負事でくみしやすい相手、だましやすい相手のことを「カモ」というようになったそうです。

今度神社の鳥居を見たら、もっと感慨深く見るかも(鴨)!?

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コメント(2件)

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鳥居、鴨居の由来いろいろあるんですね、どれも信憑性があるような、ないような?面白いです。鳥居は大きく分けて二つあるんですね、気がつきませんでした。私も今度神社の鳥居を見たら、感慨深く丁寧に見るかも(鴨)?!横浜の鴨居まで持ち出して、さすがJackさん、話題が豊富で、おかげで楽しみました。
Anne
2012/10/30 21:24
Anneさん
ものの名前には気がつかないけど、不思議な関連があるものがあります。辞書やWebでは個々についてはかなり専門的に書いてあるものもありますが、内容に横の広がり、関連性が少ないものが多いようです。この鳥居と鴨居もその例です。

かって豊川稲荷に行ったことがあり、そのとき、「ここはお寺ですが鳥居があります」と聞いて、ずっとモヤモヤしていました。あるとき調べて、ようやく分かりスッキリした思い出があります。そのへんのこともあり、今回書いてみました。
Jack
2012/10/31 17:03

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