Turkey(七面鳥)はトルコではない!Chicken(鶏)がどうして腰抜けか!英語の背景を探る

英語の辞書には直接の意味は載っていますが、かなり詳しい辞書でないと、その由来や背景が書いてなく、どうしてこの言葉がこんな意味になるのだろうと思うのがいくつかあります。単に辞書を引いて意味を覚えるだけではどうも府に落ちないものがいくつもありました。たとえば「七面鳥」は日本語の七面鳥と英語(Turkey)では全然意味が違うし、なぜ七面鳥がトルコになるのか?「チキン」(Chicken;にわとり)は「腰抜け」との意味がどこから出てきたのか? よく英文に"as"や"like"を付けて比喩的な表現がありますが、今回は比喩的表現ではない、直接的表現で、それだけ見ると何のことか思いつかない単語をいくつか書いてみました。

まず"Turkey"です。中東の国であるトルコも"Turkey"であり、七面鳥も"Turkey"です。では七面鳥はトルコ原産の鳥かというとそうではありません。もともとは北米、中米に住んでいた鳥です。新大陸発見後スペイン人がこれらの地方に行って見つけて持ち帰ったのが七面鳥です。しかし昔からヨーロッパにはこれに似た鳥で日本で言うホロホロ鳥がいて、この鳥はアフリカ原産ですがTurkey Cock(トルコ鶏)と呼んでいました。ヨーロッパでは東方やイスラム圏から伝来されるものに"Turkey XXXX"とTurkeyを冠して呼んでいるものが多かった。ホロホロ鳥と七面鳥が良く似ていることから次第に七面鳥を単に"Turkey"と呼ぶようになったのです。アメリカへの移住者でもアメリカ原産の七面鳥を"Turkey"と呼ぶようになった。

では日本語ではどうして「七面鳥」なのか?この鳥は頭部の露出した肌のところが興奮すると赤、青、紫などに変化してまるで七色の面を持っているようだとして七面鳥と名づけました。

初期の頃の移住者であるアメリカ人と先住民は物々交換をしていたが、アメリカ人はおいしい七面鳥の話をすぐ持ち出すので、先住民は白人と合うと"Talk about turkey?"と話し始め、それが今の"Talk turkey"(率直に話す)の慣用句になりました。またよくボーリング場でストライクを3回連続して出すと"Turkey"と言うが、これは3回連続ストライクがあると、ボーリング場が客寄せのために七面鳥料理を褒美に出したことから"Turkey"と呼ばれるようになったのです。

七面鳥(Turkey)

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ホロホロ鳥(七面鳥と間違えられた;Turkey Cock)

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さて次は"Chicken"(鶏)です。映画"Back to the future II"で主人公の青年がタイムスリップした西部の町のならずものから、"Chicken!"と何回も呼ばれとうとう決闘するはめになる場面がありました。彼はならずものから「腰抜け」と呼ばれて我慢ができなくなったのです。では「にわとり」がどうして腰抜けになるのか?それはにわとりは近づくと飛ばないで、バタバタして逃げ回る様子が臆病に見えるから。またにわとりの羽をむしった時に、肌の様子が丁度鳥肌が立ったように見えることからも、臆病、腰抜けの意味が出てきました。関連の言葉に"Chicken-hearted"臆病な、"Chicken out"尻込みして止める、などがあります。

さて時間の「」のことを英語では"Second"と言いますね。時間に「第2番目」とはおかしくないですか。これにはギリシャ・ローマ時代からのことが関係してきます。昔"Hour"(1時間)より短い時間はラテン語でMinuta(小さなの意味)と言っていて英語のMinuteの元です。当時は時間における「分」「秒」の単位はありませんでした。しかしHourよりもっと短い時間のことも言う必要が出てきて、初めの短い時間をPrime Minute、さらに短い時間をSecond Minuteと呼びました。その後時間の単位が出来てきて、Hour(時), Minute(分)となり、次はSecond Minuteを略してSecond(秒)と呼ぶようになったのです。現在の辞書ではMituteには「小さな、細かな」の他に「分」や「議事録」などの意味が載っています。わかると当たり前のようですがSecond(秒)がSecond Minuteの略とは思いませんでした。なお"Second"秒の略は"sec."でも"S"でもなく、国際単位系(SI)で小文字の"s"と決められています。

稲や麦の穂先の毛のことを「秒」と言う。細かい、短いの意味もあり時間の「秒」になった

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次は犬と猫の話です。「どしゃぶり」のことを"It rains cats and dogs"と言いますが、どうして猫と犬が土砂降りなんだろう。また「犬猿の仲」のことも"Cats and dogs"と言います。これは仲の悪い犬と猫が大騒ぎしてけんかしているような雨の降りかたから「土砂降り」が出てきたそうです。北欧神話では「猫は雨を降らせ、犬は風を起こす」と言われたことにもよります。犬と猫には身近なせいか多くの英語の慣用句があります。しかし最近の猫と犬は仲が悪いとは言えませんね。余談ですが雨で思い出しました。天気が良くても雨が降る「天気雨」ことを「狐の嫁入り」と言って英語では"Sun shower"になります。狐が雨の日の日中に、嫁入り行列を人間に見られないように、雨を降らしてごまかしたとの話です。

今では仲の良い猫と犬

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仲の悪い猫と犬の喧嘩の大騒ぎがIt rains cats and dogs 土砂降り

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犬のことを書いたので"Dog days (of summer)"のことも書いておきます。夏の7-8月の一番暑い時期の日々のことを"Dog Days"と言います。日本では土曜の丑の日のようなものです。ではなぜDog(犬)が暑い日になるのでしょうか?確かに犬は暑いとハーハーと舌を出して暑さをしのいでいます。しかしこれには夜空の星座がからんでいるのです。昔のヨーロッパでは、北半球の夜空に見える「おおいぬ座」の明るい星の「シリウス;Sirius」が、夏の一番暑い時には太陽とともに昇ってくるので、この星が暑さの一因と思っていました。ギリシャ語で"Serios"は「焼き焦がすもの」の意味があり、夜空では一番明るい星なので、そうとうな暑さをもった星と考えていました。またシリウスは「おおいぬ座」にあることから"Dog Star"と呼ばれました。それで暑い盛りの日々のことを"Dog days (of summer)"と呼ぶようになりました。Dog関連の表現では、"Dog-tired"でへとへとに疲れる、"Underdog"で負け犬、"Top-dog"で勝者などなんとなく"Dog"が使われている感じがわかりますね。またいい意味では"Every dog has its day "誰にでもよい時はやってくるものだとのことわざがあります。Dogにはまだまだ面白い表現があります。このように動物には多くの興味ある表現が多くあります。

おおいぬ座にあるシリウスが"Dog Days"の元

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こうして見てくると、民族により、表現するときに引き合いに出す動物などの違いが面白いですね。以前異文化での「色の表現の違い」をこのブログで書きましたが、民族、文化による違いはあらゆる分野に渡っている事が判ります。今回書いた単語、慣用句の他にも、まだまだなぜ?、どうして?といった言葉があります。皆さんは他に何か面白い言葉を知っていますか?

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