オランダはHolland, Nederland, Dutchとなぜ違う?オランダ内の変な飛び地とは?

私は子供の頃から地図を見るのが好きで、地図を見て、そこの地形、歴史、生活などを想像していました。その後本、インターネット、実際の旅行などでその想像との違いを確認することも楽しみの内でした。空想する分にはいつでも、どこでも行けるし、お金もかからず、誰にも迷惑をかけない。通常の旅行ではあまり行かないところが好きで、ある意味では特殊な旅行をたくさんしていることになるかもしれない。現在ではテレビ、ゲーム、インターネットなどをうまく利用すれば擬似体験的なことも出来ます。さらにこのようなことは現代だけでなく、過去、未来へも行ける。さてこんな地図旅行と他の利用からわかったことの内、今回はオランダの国名と、ちょっと不思議な飛び地について書こうと思います。

日本ではオランダ(Holland)で通るヨーロッパの国があるが、正式国名はネーデルランド王国(Kingdom of the Nederlands)。英語の通称では"the Nederlands"となり、"Holland"は俗称。オランダ人、オランダ語のことは英語で"Dutch"となる。たいていの国の呼称と言語、人種の呼び方は国名と似ている単語ですがこの国はどうして3つとも違うのだろう?

もともとHolland(オランダ/ホラント)はこの国の一つの州であるHolland(ホラント州)からきたもので、過去にこの地方が外国との戦いでとても活躍したので国名の俗称になった。日本にはポルトガル宣教師がポルトガル語でHollanda(オランダ、"a"がある,)と伝えたのでポルトガル読みのオランダになった。国の一地方の名前が国名になるのはよくあることで、イギリスのEnglandも一地方の名前が国名のように通っている。

では"Nederland"はどこから来たのか?これはオランダ語で「低い土地」の意味で、オランダ一帯はまさに低地のところが国として成立してきたので国名になった。しかし英語では「低い土地」は普通名詞なので国名にすると定冠詞を付けて"the Nederlands"とする。語尾の複数の"s"は海外領土まで入れた国との意味で、ヨーロッパの中のオランダそのものを示すときは"Nederland"で"s"はない。

ところでオランダ語やオランダのを意味する"Dutch"はどこから来たのだろう。Nederlandとは全く似ていない単語ですね。これはドイツと関係があります。もともとドイツ人もオランダ人も神聖ローマ帝国時代は同じくにで、近いところに住んでいました。言語も似ていた。しかし16世紀末に両国の発展に伴い、国が分かれると、ドイツ人とオランダ人を区別するようになり、オランダ系の人達を"Dutch"とし、ドイツ人のことはオランダ語で"Duits"と呼んだ。これが日本に伝わり、"Duits"ドイツとなった。英語のドイツ国名のGermanyはラテン系言語からの派生です。今のオランダでは自分たちのことを"Nederlander", ドイツ人のことを"Duitsch"と呼んでるそうです。

ヨーロッパは人種も言語も狭い土地にひしめき合っており、上記のような国や人種の呼び方が複層してしまうことがあります。このような複雑に絡み合う例として、オランダ領内にあるベルギー領の面白い飛び地があります。

それはバールレ・ナッソーというオランダ南部のベルギー国境の町にあります。この町にはベルギー領の土地が21箇所も点在しており、さらにその飛び地の中にこんどはオランダ領の土地8箇所が入り込んでいるのです。これら境には国境表示はなく、役所や警察など公的機関は混在しています。このような変な町ができたのはかって両国はスペインに支配されていて、領主は複雑な領土構成を持っていた。二つの国に独立する時に、それがそのままの形で残ったので、こんな変な飛び地になった。これはまさにヨーロッパの複雑な歴史を物語るものですね。

世の中には「飛び地マニア」という人達がいて、面白い飛び地を探しているそうです。たとえばフランスのパリには、はるか離れたブルゴーニュ地方の山の中にセーヌ川の水源地を市の所有地としている。ドイツとベルギー国境付近には国境のラインが良く見ると左右2本に分かれているところがある。これはベルギーの鉄道線路がドイツ領に一部入り込んでいるためです。これもヨーロッパの領地が歴史とともに変化しているためですね。シンガポール市内のマレーシアのマレー鉄道のシンガポール駅はなんとマレーシア領である。したがってマレーシアに移動するために、シンガポール市内のこの駅から鉄道に乗る時には出入国手続きをしなくてはならない。毎日マレーシアとシンガポールの間を通勤のため移動している人達がいて、出稼ぎのマレーシア人数万人が、朝晩ラッシュアワー時に大混雑で手続きをしているようです。

よく「百聞は一見にしかず」と言います。これはこれで真理を得たことですが、ただ現実に見ることなど実体験には限りがあり、人によってはそうやたらと見ることも難しい状況の方もいるかと思います。「一見」に「空想、想像」を足して、各種メディアも使って、いろいろと楽しみの幅を増やしてみませんか?

オランダの風車のある風景

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オランダの地図

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オランダ、バールレ・ナッソーの町の地図。色により国の違いと飛び地がわかります。黄色い色の部分がオランダの町の中のベルギー領。

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