映画「カサブランカ」って見るほどに面白いね。その英文と背景は?

映画「カサブランカ」を丁度上映していたので久しぶりに見た。何度見ても新たなことが見つかり、違うことに興味が沸く。

カサブランカ」の台詞には有名なのが沢山ある。この映画の台詞は中学から高校初めくらいまでのやさしい単語ばかりなのがいい。そのやさしい単語をしゃれた言い回しにしている。すこし前に書いた、井上ひさしの「むつかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに」の精神がここにはあるような感じだ。私のモットーの"Simple and Smart"に通じる。

この映画では何と言っても"Here's looking at you, kid"(君の瞳に乾杯)がダントツに有名。合計4回もこの文言が出てきた。ちょっと台詞を紹介します。いずれも有名です。ただ私にはどこがそんなにいいのかもう一つわからないところがある。

酒場でリック(ハンフリーボガード)を好きな女性がリックにどこにいたの?と聞いてもつれなく返事する場面。

Where were you last night? 昨日なにしてたの?

That's so long ago. I don't remember.そんな昔のこと覚えていないね。

Will I see you tonight?  今夜会える?

I never make plants that for ahead. そんな先のことはわからないよ。

また別の「君の瞳に乾杯」が出てくる場面では(リックとイルザとの会話)。

Who are you really? And what you before? What did you do, and what did you think? 君は何者で、今まで何をしていた人なんだ?

We said no questions. 聞かない約束よ!

Here's looking at you, kid. 君の瞳に乾杯(この絶妙なタイミングとセリフ!)

イルザがリックの酒場に初めて行き、サム(リック酒場のピアニストで旧知)にお願いして、昔リックとパリで会っていた時の好きな歌"As time goes by"(時の過ぎ行くままに)をサムが歌うまでの会話。

It's been a long time. ずいぶんと久しぶりだね。(イルザ)

Yes ma'am. A lot of water under the bridge. そうですね。その間いろいろありました(川の下を流れる水は元に戻らない、リックとイルザの仲ももう戻らないを暗に言っているの説あり)。(サム)

Some of the old songs, Sam. 何か昔の曲を弾いてよ、サム。

Yes, ma'am.      はい。わかりました。

そして少しして、いよいよ歌をお願いするイルザ。

You used to be a much better liar, Sam. 嘘つくのは昔の方が上手だったわね。(イルザ)

Leave him alone, Miss Ilsa. You're bad luck to him. そっとしといてやって下さい。あなとはリックとはどうもうまく行かないようです。(サム)

Play it once, Sam, for old time's sake. サム、もっとあの頃の曲を弾いて。

I don't know what you mean, Miss Ilsa.何の曲なのかわかりませんが。
 
Play it, Sam. Play" As time goes by"弾いて、「時の過ぎ行くままに」を。

Oh I can't remenber it, Miss Ilsa. I'm a little rusty on it. そんな曲は忘れてしまいました。ちょっと自信がないんです。

I'll hum it for you. "La re la." ハミングしてあげるわ。ラレラ。。。(ハミングで歌うイルザ)。 サムは合わせてピアノを弾き出す。 

Sing it, Sam. サム、歌ってよ。

この後Samはピアノを弾きながら歌う。そこへリックが酒場にやってきて初めてカサブランカで二人がパリ以来再開する場面になる。

そして最後の場面。カサブランカ警察署長のルイスとリックが、飛行機がリスボンへ出発した後、二人で夜霧の中を向こうへ歩いて消え行く最後の有名な台詞。

Lous, I think this is the beginning of a beautiful freindship.
ルイス、これが本当の友情の始まりだな(”腐れ縁”の始まりの訳もあり)。

ところで、この映画の背景を知っているとより映画に興味がわきます。

映画は対戦中の1942年11月製作物語はその1年前の1941年11-12月のドイツ軍の傀儡政権たるフランス・ヴィシー政権下のモロッコの都市カサブランカ。なんと最後にイルザと夫がポルトガルのリスボンへ飛び立った日は日本の真珠湾攻撃の日、1941年12月8日だったらしい。その日からアメリカは参戦したのです。さらに映画が完成した1年後の1942年11月には米英軍がアフリカ作戦でモロッコ、カサブランカに上陸占領しています。さらに翌年2月にはルーズベルトとチャーチルがカサブランカ会談をしています。したがって無理して二人はリスボンへ行かなくてもよかったかも。

後日物語が好きな人には、その後のカサブランカが小説になっている。リックはつてによりついにリスボンに行ったが、二人はロンドンへ行った後だった。リックはロンドンにも行って、イルザと再開する。夫の活動家はドゴール主導する自由フランスでロンドン中心に反ドイツの活動をする。この後のことまでは知っていないのでだれか、その後を知っていますか?

見落としがちな点ですが、カサブランカ警察署長が最後の場面でミネラルウォーターを飲もうとしたら、ボトルがヴィシー水だったのでやめてゴミ箱へすてた(ヴィシー政権に反感がある現れで現地警察の心情)。酒場でイルザの夫の地下活動家にある人が近寄ってきてなんでもないふりで、変なマークを見せた。これはロレーヌ十字紋章である。十字でも横棒が二本ある。第一次十字軍でフランスのロレーヌ領主がこの紋章で十字軍に参加した。ジャンヌダルクもこの紋章を使った。フランスが領土を取り返そうとする戦いにはこのロレーヌ十字がよく使われている。他のヨーロッパ諸国にもこの紋章に似たものを使っているところがある。日本の結核団体もこれを紋章として使っている。こんなところにも歴史がある。

カサブランカはその物語といい、英語といい、背景といい、調べればどんどん興味があることが出てきますね。映画を使った英語勉強関係では手頃なので少し前から一種の「カサブランカ」ブームのようになっているそうです。

そういえば昔、沢田研二(ジュリー)が「時の過ぎ行くままに」や「カサブランカ・ダンディ」を歌っていたのを思い出した。元の曲とは全然似ていないけど。でもレコード大賞の「カサブランカ・ダンディ」のほうは、まともにこの映画のことを歌っている。「ボギー・ボギー、あんたの時代は良かった。男がピカピカのキザでいられた」とボギーであるハンフリー・ボガードをうらやんでいるような歌詞である。この時代、ジュリーも輝いていたね。私はちょっぴりある縁で彼を知っているけどね。。。。




ロレーヌ十字が付いた自由フランスの飛行機
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