Jackと英語の木

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zoom RSS 面白い地名の由来-その2:マンハッタンは酔っ払いの場所/ロンドンは勇敢な人/フランスは投げ槍族から

<<   作成日時 : 2015/06/09 19:25   >>

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前回、面白い地名の由来を書きましたが、書きたらないので、その続編を今回は書いてみます。前回の記事は下記を参照下さい。今回は皆さんがよく知っている町や国を取り上げました。

前回記事:
面白い地名の由来:マドリードはママ逃げて!/カリフォルニアは空想上の楽園の地/イスラエルは神に勝つ者

★ニューヨークのマンハッタン(Manhattan)は酔っ払いの場所

マンハッタン(Manhattan)というカクテルがあります。「カクテルの王様」はマティーニで、「カクテルの女王」はなぜかマンハッタンと言われます。ピンク色でやや甘口ですが、度数はけっこう高い。ウイスキーとスイートベルモットなどを組み合わせたものです。一方、アメリカのニューヨークの中心地には、摩天楼が立ち並ぶ島のマンハッタン(Manhattan)があります。このニューヨークのマンハッタンとカクテルのマッハッタンはなにか縁があるのでしょうか?

マンハッタンという言葉は、もともとアメリカ先住民族の言葉で「酔っぱらった」という意味があったそうです。アメリカの初期の時代、先住民の酋長が、当時この方面に進出してたオランダ人と取引で接待され、大いに酒を飲まされて、酔っ払ったあげく、所有していた自分たちの島をわずか24ドルで売ってしまいました。しらふになって気がついた時にしまったと思ったのですが、もうどうしようもなかった。酋長は「あの時はマンハッタン(酔っ払い)だった!」といって悔しがったらしい。その時発した言葉が「Manahachtanienk(我々は酔っ払いにされた)でした。酔っ払って売られた値段が24ドル、それが今やアメリカの中心地、ニューヨークのそのまた一番の繁華街であるマンハッタンになったのです。

別の説もあります。Manhattanの名は先住民族の言葉の「丘の多い島」を意味する "Mannahate"もしくは、"Manna-hata" に由来するとする話です。マンハッタンって「丘の多い島」かな?そんなに丘は見えないようですが。それは、マンハッタン島というは1枚の岩盤からできていて、島の大部分の基盤岩はマンハッタン片岩 と呼ばれる雲母の結晶片岩からできています。もともと、この辺は氷河期時代の名残の岩石でおおわれ、デコボコが多く、丘のように見えたのでしょう。島ながら、硬い岩盤があったからこそ、あのように高層ビルが立ち並んでも大丈夫なのです。

ニューヨークの中心:マンハッタン

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高層ビルが林立するマンハッタンの摩天楼

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少し横道にそれますが、カクテルのマンハッタンはなぜニューヨークのマンハッタンの名前をとったのでしょうか?このカクテルの誕生には面白い由来があります。ニューヨークのある銀行家の令嬢のジェニー・ジェロームが、1876年の大統領選の時に、マンハッタン・クラブという名前のところで、候補者応援のためのパーティーを開きました。この時、パーティを盛り上げるために、ウイスキーとベルモットの組み合わせのカクテルを提案した。これがとても評判がよく、その後、店の名前にちなんで「マンハッタン」と名づけられ、人気カクテルとなって世界に広まりました。このカクテルは、マンハッタンに沈む夕日のような美しい赤系の色のようでもあり、カクテルの名前の一因です。このカクテルのマンハッタンの考案者ジェニー・ジェロームは、後にイギリス人と結婚し、その息子はイギリスの元首相チャーチルになりました。このカクテル考案の女性はアメリカの大統領、イギリスの首相となにか政治家に縁がありますね。

カクテルの女王:マンハッタン

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★ロンドン(London)は「勇敢な」の意味

イギリスの首都であるロンドン(London)の地名の由来は、ずっと過去にさかのぼります。ロンドンという名前の元は、ローマ帝国がテムズ川の北岸(シティの近く)にロンデニウム(Londinium)と言われる町を作った紀元1世紀初めになります。先住民のケルト族は「川のあるところ」を意味するリンディン(Llyn-din)と呼んでいましたが、その後ローマ人の進出によって Londiniumと呼ばれるようになりました。Londinium(ロンデニウム)は、「勇敢な」を意味するラテン語のLondinos(人名また部族名)から来たのではないかと言われます。また「Lud」というケルト人の王の町である「Lud'stown」がなまったものであるという説もあります。その後、王の町のアングロサクソン族の呼び名である Lundenwicになり、さらにローマ人の占領によってラテン風の "Londinium"、 最終的に、現在の London となったようです。

別の説では、ローマ人がつけた地名からではなく、ケルト語系古代アイルランド語のロンド(「野性味のある」「勇敢な」)が、人名か部族名に用いられて、それがロンデヌスになり、その形容詞形のロンデニウム(Lodinium)が地名になったとの説もあります。一番有力なのは今のところ勇敢なを意味するLondinumからの説です。しかし、まだイギリスでも定説とはなっていないようです。

どちらにしてもロンドンは「勇敢な」という言葉が関連しているようですね。

ローマ帝国時代の都市、ロンデニウムを囲む城壁の跡が今でも残っている。

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ロンドンの金融関係の中心地シティは古代ローマが作ったロンデニウムの区域

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●フランスは投げ槍族で自由な国?

フランス(France)と聞くとおしゃれな感じがしますが、ずっと昔は投げ槍が得意な未開な部族でした。紀元3世紀頃のこと、現在のドイツにあるライン川の近くにゲルマン系の種族で「Frank(フランク)」人がいました。このFrankという民族名は、得意であった武器「franka(フランカ=投げ槍、もしくはフランシスカ=小型の投げ斧」に由来しています。また、その東のエルベ川河口付近には、「sax(サックス=斧)」を武器とするやはりゲルマン人の一種族「Saxon(サクソン)」人が住んでいました。

そのうちに、4世紀ごろ、ゲルマン族の大移動が始まりました。フランク人はライン川付近から、ガリア地方(主に今のフランス地域)へと南下して、次第に広大な王国を築きました。この移動時、フランク人がライン川を渡った場所の一つが「Frankfurt(フランクフルト)」で今ではドイツ南部の主要な都市となっています。「フランク族(Frank)が歩いて渡れる浅瀬(Furt)」という意味です。一方、サクソン人は、その一部が海を渡って、今のイギリスの島に行き、「Anglo-Saxon(アングロ・サクソン)」民族の一部となります。イギリス南部にある地名に「Essex(エセックス)」や「Sussex(サセックス)」がありますが、これらは「East Saxons」、「South Saxons」から派生した地名です。また英語の"ax"が「斧」を意味するのもsaxonに関係ありそうですね。

ゲルマン民族の移動図

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その後、次第にフランクは強大になります。フランク王国は「Charlemagne(シャルルマーニュ=カール大帝、742〜814)」の頃、全盛期となりました。フランク族はゲルマン民族のひとつであり、現在のフランス、ドイツ、イタリア、スイス、オランダなどヨーロッパの主要地域を征服しました。王国には各種民族がいましたが、「自由」を持っていたのはフランク族だけでした。ここから英語では「frankly speaking(=正直に言うと)」の成句の元となった「frank(フランク=率直な)」の意味が生じました。カール大帝の死後、この王国は、西フランク、東フランク、中部フランク王国に分裂し、中部フランク王国は次第に消滅しました。西フランクは現在の「France(フランス)」に由来するものです。東フランクはサクソン人を中心とする「Sachsen(ザクセン)」王国になり、現在のドイツになってゆきます。

フランク王国はカール大帝とき最大版図になりました。

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さてこのfrank(フランク)はいろいろな言葉の元になっています。チェーン店で契約である程度の「自由」を与える形態のことを「franchise(フランチャイズ)」といいます。スペイン語では「Francisco(フランシスコ)」になり、アメリカのサン・フランシスコ(San Francisco)など地名や人名になっています。フランス語ではフランソア、ドイツ語ではフランツ(Franz)です。このように「Frank」から派生した人名、地名はヨーロッパ各言語に取り入れられています。またアメリカでも、スターのFrank Sinatra(フランク・シナトラ)もいますね。日本ではかって、フランク永井、フランキー堺などがいました。

●古くからあるナポリ(Napoli) は新しい町で日暮里と同じ?

ナポリ(Napoli)は、南イタリアの地中海に面し、近くに火山のベスビオ山がそびえ、海上には、カプリ島、イスキア島がナポリ湾に浮かぶ、美しくも、古い都市です。ナポリができたのは約2600年前のことです。当初はナポリではなくパルテノペと呼ばれていた植民地都市でした。このパルテノペと呼んでいたのは、当時強大であったギリシャ人で、地中海各地に植民地を作っていました。その後、植民都市のパルテノペから数キロ離れた場所に新しく建設された町があり、そこが現在のナポリの元になった町です。この町には「新しい都市」という意味のギリシャ語の「ネアポリス/Neapolis」(ネア=新しい+ポリス=都市)という名が付けられました。その後、ネアポリスは現地のイタリア人にとって言いにくかったのか、次第になまり、ネアポリス(Neapolis)が現在のナポリ(Napoli)と変わってゆきました。地元のナポリ語では町の名をナプレ(Napule)と呼んでいます。その後ナポリはローマ帝国南部の重要都市として発展してゆきます。

ナポリ付近の地図

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ナポリの景観:手前はサンタルチアの港、遠くにベスビオ山が見えます。

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さてまた少し横道にそれますが面白い話があります。それは東京の日暮里とナポリの不思議な関係です。

ナポリ語でNapule(ナプレ)とナポリ(Napoli)は呼ばれますが、この"pule"は他の土地にもちょっとした関連があります。インド語では「プル/pur」というと「」を意味していました。たとえばマレーシアのクアラルンプール(Kuala Lumpur)シンガポール(Singapore)=獅子の町の意味)が"pur"に由来しています。トルコの「イスタンブール」の「ブール」、「コンスタンティノープル」の「プル」や、北アフリカの「トリポリ」の「ポリ」なども、同じ語源からでやはり「町」を意味するそうです。この"pur"はヨーロッパに伝わり、「ポリス/polis(都市)」という言葉になり、これがナポリの元のネアポリスに関連します。

一方「プル/pur)」はさらに東にゆき、日本にも伝わり、「ハ リ」「ハル」「ホリ」という言葉になりました。全国各地に「新堀」や「新治」という地名がありますが、これは「新しい集落、開墾地」のことを意味していました。この中で「ホリ」は堀(=町)」という漢字の言葉になります。そして東京の日暮里はこの「堀」に関係があります。

そもそも、日暮里の語源はナポリと同じく「新しい町」を意味する「新堀(にいほり)」でした。「ネアポリス(新しい都市)」が次第になまり「ナポリ」になったように、「新堀」はなまって、漢字も変わり、「日暮里」になりました。どうしてかというと、東京、荒川区の日暮里は、江戸城を作った太田道灌が、このあたりに敵を攻めるための斥候台を築かせ、を作ったので、新堀と言うようになったらしい。またここは「新しく開墾した耕地」であり、それを意味することでの新堀との話もあります。新堀から日暮里に変わったのは、文人たちやこのあたりの人たちが、「日が暮れるまで散策しても飽きない」という意味合いから、日暮れの里、すなわち日暮里という字を「新堀」に当てて呼ぶようになったらしい。明治22年(1889年)周辺の村を合わせて日暮里村と正式に名前が改定されました。

日暮里駅から近くの谷中銀座商店街

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前からナポリと日暮里はなんとなく似ているな!と思っていましたが、「新しい町」の意味でこんなつながりがあったのですね。ヨーロッパからアジアまで不思議な縁でつながっているのが分かります。

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もう少し他の地名を書くつもりでしたが、長くなったので、今回はここまでにしました。地名って、たいてい何らかの由来があって、その名になっているのですね。自分の町もどうしてその名になったか、一度くらい調べてみると面白いことがわかるかもしれませんよ。ナポリと日暮里のように思わぬつながりを見つけたり、おしゃれなフランス人がまさか投げ槍族だったとは、意外なことがあるものですね。こうして調べてみると、その町、国などの地理と歴史が分かり、海外旅行などより興味がわき、参考になるかもしれませんね。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
地名の由来から、その国の地理や歴史がわかり、学ぶことが多そうです。海外旅行する際には、このように地名についてチェックしてみると楽しさも倍増しそうです、それに実際訪れるわけですから鮮明に記憶に残ると思います。日暮里とナポリの思わぬつながりには驚きました。まだまだ知らない面白い地名の由来があるんでしょうね、ブログに刺激されて、今度私もチェックしてみたくなりました。
Anne
2015/06/09 21:32
Anneさん
確かに、地名の由来を調べてみると、歴史と地理が分かり、海外旅行にゆく時に、単純に旅行の本から知識を得るより面白いことが多いですね。私はナポリへ行った時に、日暮里とのつながりを知りました。ロンドンでは、古代ローマの遺跡へ行きたかったのですが、時間がなく止めました。マンハッタンでは、セントラル・パークのある一部で氷河の跡らしい岩を見ました。

Anneさんも今度どこかに行くときに地名の由来にトライしてみたらいかがですか?
Jack
2015/06/10 16:28
> マンハッタンって「丘の多い島」かな?そんなに丘は見えないようですが。

日本人がよく訪れるマンハッタンはビルに覆われているミッドタウンから南で、ロウワーは海っぱただから起伏があまり目につきませんね。
セントラル・パークを歩けば岩だらけですし、もっと北へ行けば起伏も多く、ブロンクスとの間はさながら峡谷です。
五番街あたりは平坦に見えても東西を貫くストリートを眺めればかまぼこ型のアップダウンは結構あります。
cubics
2015/06/24 14:57

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