Jackと英語の木

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zoom RSS 面白い地名の由来:マドリードはママ逃げて!/カリフォルニアは空想上の楽園の地/イスラエルは神に勝つ者

<<   作成日時 : 2015/05/08 19:26   >>

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世界各地の地名には、面白い由来があって付けられた地名が多くあります。なんとなくいつも見聞きしていた地名でも、その裏には歴史や由来が潜んでいます。旅行やニュースでそうしたことを知っていると面白いし、なにかの話し合いで、ちょっとしたいきさつを話せると会話が弾みます。たくさんある内、今回は下記の地名を選んでみました。楽しんでください。

★マドリード(Madrid)は「ママ逃げて!」の意味の町

スペインの首都マドリード(Madrid)は、イベリア半島のほぼ中央部にある、300万人を超える大都市ですが、その名前は最初からマドリードではありませんでした。9世紀にアラビア系の、後ウマイヤ朝のムハンマド1世が治めていた時代、現在の王宮の位置に砦がありました。この砦はMagerit(マヘリット)と呼ばれましたが、この砦が11世紀後半にキリスト教徒に奪取され、「Magerit」から「Madrit」(マドリット)と名前が変更され、これが次第にMadrid(マドリード)になったと言われます。

マドリードの王宮

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また違う説では、「Madrit」はラテン語の「Matrice(湧水・水源)」が原義で、水が豊かなこのあたりは「アル・マジュリート」(水の源の意)と呼ばれ、ここは「マジェリト」と呼ばれるようになり「マドリード」となったとのこと。確かに、マドリードはグァダマラ山系の豊かな湧き水に恵まれているのでなんとなくわかる気がします。

しかしもう一つ面白い話があります。「Madrit」が「Madrid」となったのはあのデンマークの童話作家アンデルセンが関係しています。19世紀中期にスペインを旅したアンデルセンの紀行文によると、次のような話があります。

ある日のこと、母親たちとピクニックに来ていた子供たちがクマに襲われて、山桃(Madrono)の木に登って逃げようとしました。その後、母親の一人が子供たちを助けようとしたとき、熊がいるので、子供が「ママ、逃げて!(Madre huid)」と叫んだとのこと。この言葉が縮まって「Madrid」になったのだという話です。このマドリードの紋章はクマが山桃の木によじ登ろうとしてる絵柄であり、この話をマドリード市民は大切にしています。どの説が正しいかはっきりはしていないようですが、由来としてはこの話が面白いですね。

ヤマモモの木に手をかけ、立ち上がる熊の銅像:マドリッドの紋章で街のシンボル

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マドリード市の熊の紋章

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★カリフォルニア(California)は空想上の楽園の地の名前

アメリカ合衆国の西海岸の南部に、縦に細長く横たわっているのがカリフォルニア(California)州です。面積は日本より少し広く、南北に4、000m級の山脈がつらなり、その後ろ側は乾燥、砂漠地帯です。合衆国では、1850年に31番目の州となりました。州のニックネームはゴールデンステート(Golden State黄金の州)、エル・ドラード(Eldorad Stateスペイン語:黄金郷)、ユリーカの州(Eureka State:我発見せり)、Land of Milk and Honey(牛乳と蜂蜜の土地)などと呼ばれる豊かな州です。ニックネームの「黄金の州」は、1848年にサクラメント近郊のコロマで金が発見されて、ゴールド・ラッシュになったことに由来し、「ユーリカの州」は、州のモットーである"Eureka"からで、それはギリシャ語で「我、発見せり」に由来しています。

アメリカのカリフォルニア州

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さて、このカリフォルニアという名前は英語的でも、先住民の言語的でもないような言葉で、どこからこの名前は来たのでしょうか?
 
カリフォルニア(California)の名前はヨーロッパの空想的な話から来ています。中世ヨーロッパ、スペイン人冒険家で作家のガルチ・ロドリゲス・デ・モンタルボによる騎士物語に、アマゾンの女戦士の話があり、それに関連してこの地名が出てきます。1510年の“Las Serges de Esplandian(エスプランディアンの功績)”という騎士道物語の中で、アマゾンの女王カラフィアは、カリフォルニアと呼ばれる断崖絶壁に囲まれた島に、アマゾンと呼ばれる女勇者たちといっしょに住んでいたとのこと。モンタルボによると、女王カリフィアの王国はグリフォンなど奇妙な怪獣がいて、金が豊富な遠隔の土地であるとされていましたた。しかしペルシャ軍と戦いになり、アマゾンたちはグリフォンという怪獣(鷲の頭と翼を持ち胴体が獅子)を加勢にして戦いましたが、結局敗れました。物語の中では、カリフォルネ(Califerne)=天国に近い島という楽園は、インディアスというところのどこかにあるとされていました。

当時この物語はよく知られていてました。新大陸に渡った征服者たちも、アマゾンの住むこのカリフォルネを捜し出そうとしていました。1521年にメキシコを征服したスペインのコルテスも、部隊をメキシコ西部探検に派遣し、カリフォルニア半島の先端に到達した開拓者が、半島をカリフォルネの島と誤認してしましました。そして、そこが今のカリフォルニアあたりであり、そこが次第にカリフォルニアと呼ばれるようになりました。このように、カリフォルニア(California)は想像上の地名に由来して付けられました。なお「カリフォルニア」と呼ばれた市域は、その当時は、現在のカリフォルニア州だけでなくネバダ州、ユタ州、アリゾナ州、ワイオミング州の一部とメキシコのバハ・カリフォルニア半島からなるより広い地域を指していました。1846年、アメリカはメキシコと戦争をして、1848年、戦争後の協定により、カリフォルニアをアメリカ領としました。

古い「カリフォルニア」の地図:島のようになっている。

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★イスラエル(Israel)は「神に勝つ者」の名前から

中東にある国、イスラエル(Israel)。私たちはなんとなくそう呼んでいますが、この名前には民族の歴史と言い伝えが由来しています。

イスラエル(Israel)の国名は、旧約聖書に出てくるするヤコブ(Jacob)に関連しています。ではどうしてイスラエルとヤコブの名前が国名に関係してくるのでしょうか?ヤコブは旧約聖書の創世記に出てくる人物ですが、ヤコブに関係ある人脈を簡単に書くと下記のような人物のつながりがあります。

まず始まりは「ノアの方舟」のノアからです。

ノア ---> セム ---> アブラハム ---> イサク ---> ヤコブ

旧約聖書の創世記に登場するヘブライ人の族長、ヤコブの別名をイスラエルといいました。それには次のような話があります。

ヤコブ(Jacob)は双子の弟であり、兄の名前はエサウでした。ヤコブはエサウを騙して、エサウから豆スープと交換で「長子の権利」をとったので、兄エサウの怒りを買いました。この「長子の権利」はとても大事なものだったので、エサウは怒り、弟ヤコブを殺そうとします。そのため、ヤコブは怒っているエサウから逃げて、ハランにすむ親戚のラバンの家に避難しました。その逃亡の途中で、天使が天国に上る階段の夢( ヤコブの梯子と言う)を見て、自分の子孫が、いつか偉大な民族になるという神の約束を受けます。その後、親戚のところでヤコブは14年働いて、ラバンの娘と結婚しますが、ある時、神から「生まれ故郷に帰れ」との命を受けました。ヤコブにとってこれは困ったことで、そのため兄エサウをなんとかなだめようとしました。

ヤコブが夢に見た、天使が天国に上る階段「ヤコブのはしご」

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ヤコブがもう少しで、故郷であるエサウのいるカナンに到着しようとしていたある夜、ヤコブは夢の中で、ヤボク川の渡しのところで、ひとりである人と夜明けまで格闘します。この「ある人」というのはのことであり、あるいは天使だったのではとも言われます。このことは聖書に書いてあります。聖書によると、このような戦いは、神が時折に選んだ者につかわされる試練のしるしと言われます。そして、ヤコブは神に勝ちます。格闘が終わると神(天使)は、「神と戦い強さを示したのだから、名をヤコブからイスラエルへ変えよ。今後はあらゆる人と戦って勝つだろう。」と言ったのです。そして兄とも和解します。

天使(神)と戦うヤコブ

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名前がイスラエルとなったヤコブには12人の子供が居て、それらの子孫がイスラエル12支族の始祖であり、イスラエルという国の名前になりました。「ヤコブすなわちイスラエルの子の国」、という意味合いもイスラエルにはあるのではないかとも言われます。イスラエルの民はヤコブの子孫であり、そのイスラエルとは、イシャラー Isra(勝つ者)とエルel(神)の合わせて、イスラエルIsrael(神に勝つ者)という意味を持っているので、聖書の記述が国名(イスラエル=神に勝つ者)になったのです。

余談ですが、ヤコブが夢で見た「天使の階段=ヤコブのはしご」は、今でもある風景場面で使われています。それは雲の中から、太陽の光が光線となって地上へ差し込む幻想的な光景で、正式には「薄明光線」(はくめいこうせん)といいます。しかしこれらは「天使のはしご」(angel's ladderエンジェル・ラダー)、「天使の階段」(angel's stairs, angel's stairway)、「ヤコブのはしご」(Jacob's ladder)とも呼ばれます。絵画的には、「レンブラント光線」とも言われ、「光の魔術師」とも呼ばれるオランダの画家、レンブラント・ファン・レインに由来します。

薄明光線:太陽の光線がまるで天使のはしご(Angel ladder)のようです。

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またヤコブ(Jacob)は、その後ヨーロッパでは、いろいろな名前の元になっています。筆者のニックネームのJackもその一つです。このヤコブ(Jacob)からは、次第に、英語名のJacob(ジェイコブ)、James(ジェームズ)、Jack(ジャック)になっていきました。最近のイギリス男子で多い名前の最上位にはJack、4番目あたりにJamesがあり、アメリカでは、最上位にJacob(ジェイコブ)があります。このようにヤコブ(Jacob)にちなむ名前はヨーロッパに大きな影響を与えています。

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もう少し面白い地名のことを書きたかったのですが、長くなってきましたので、今回はこのへんまでとしました。近いうちに続編を書いてみようと思います。

地名って、何らかの由来があるものですが、その中でも面白い物語のあるものを選んでみました。マドリードの紋章にはこんな由来があったのですね。カリフォルニアは確かに先っぽにカリフォルニア半島があり、よくわからない時代には島と間違いそうですね。かって、夕暮れどき、「ぼー」と海を見ていたら、雲の間から光が差し込み、「天国に通じるはしごのようだな!」と思ったことがありました。聖書の時代からこんな風景があり、イスラエルにも関係があるとは面白いですね。

海外旅行でなんとなく行っているところが、あまり知らない由来からできてきたのがわかると、その場所に一層愛着ができるような気しますが、皆さんはいかがですか?

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
三国とも訪れたことがありますが、国の名前の由来など考えたことないです。Jackさん有難うございました。マドリードが一番覚えやすく親近感を感じますね、マドリードの紋章印象的ですね、旅行した時この紋章を知っていれば気を付けて探したのに残念です。イスラエルらしく聖書に関係ある話は興味深いです。ヤコブが夢見た、天使が天国に上る階段「ヤコブのはしご」、内容を知ってから見るとなんかロマンチックに感じますね。続編期待しています!
Anne
2015/05/09 20:57
Anneさん
国名、地名には思わぬ由来や意味があります。マドリードの紋章に限らず、各国、各地にはたいてい紋章がありますが、どれも何らかの由来があり、定めています。紋章一つとって調べてみても多くの話題があります。
ヤコブのはしごは私はEngel Ladder(天使のはしご)で覚えることにしています。こんな光景を見たら、ああ!Engel Ladderだ!と今は心の中で言っています。

続編をなんとか考えてみます。
Jack
2015/05/10 19:29

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