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zoom RSS 絵の大きさはなぜ号で表すのか?

<<   作成日時 : 2014/10/02 19:21   >>

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絵の大きさは、「8号」などと、「」で表します。共通に分かる、「センチ」や「A4/B5」などで表したら、皆が大きさを実感できるのにと思います。この「」という言葉は他にも、雅号や船や飛行機の名前,犬など動物の名前にも使われています。一体どうして、絵の大きさを「」で表すようになったのでしょうか?

絵の価格は、「号当たり」いくらとの決め方があります。もちろん作家やその絵自身の出来具合も影響します。先日、知り合いが、初めて画廊で自分の書いた絵を展示し、価格を付けることになりました。その際、一体いくらにしたらいいのだろうと随分考えたそうです。あまり高いと売れないし、安すぎるのも低く見られるようで変です。結局、画廊に相談して、絵の出来具合、絵の大きさをもとに設定しました。しかし売れたのは1点だけで、世間はそうは評価してくれないのだなと言っていました。

絵を描くときに、どの大きさにするかまず迷います。有名な絵には、すごく大きな風景でも小さなキャンバスに書いているものもあります。逆に、人物だけでもとても大きなキャンバスに描いてあるのもあります。絵の大きさは「」で表しますが、いつから、どうして号で表すようになったのでしょうか?

印象派の名前の由来ともなっているモネの「印象・日の出」は、広い港の風景だが、実際はそれほど大きな絵ではない(寸法: 48 cm x 63 cm)。マルモッタン美術館(パリ)所蔵。

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クロード・モネ「睡蓮」:池と睡蓮はそれほど大きくないが絵の寸法は219 cm × 602 cmと大きい。オランジュリー美術館(パリ)所蔵。

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」の大きさは、1号がハガキ程度の大きさで、6号だとA3ぐらい、100号となると襖一枚半ぐらいの大きさです。1号2万円でしたら、8号で16万円ということになります。しかし大きな100号ではそのままの倍数で200万円になるかというと、価格は少し割安になります。もちろん、有名な画家や絵の出来具合で価格はいくらでも変わります。

絵の寸法も面積も、20号では10号の正確な2倍ではありません。しかも号でも"F", "P", "M"などサイズ別の大きさがあり複雑です。現在の日本規格における標準サイズの種類は、特殊規格を含め0号から500号までの種類があります。またこのように規格サイズではなく、キャンバスを自分で張る画家もいますし、絵のイメージに合わせて特注サイズのキャンバスで描く画家もいます。

絵画の号のサイズは"F・P・M・S"などの種別があります。

・Fは人物型 Figure の略。
・Pは風景型 Paysage
・Mは海景型 Marine
・Sは正方形 Square


これらは、それぞれの題材に向いているというサイズとして使われています。
なお、上記はキャンバスのサイズですが、水彩画用紙は主にF号サイズを使用します。ただし、メーカーによっては1〜3mm違いがあります。

キャンバスには標準寸法がある。

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このの各サイズは、元々フランスで使用されていたものであり、それを明治時代に日本で導入したとき、日本で当時使われていた、尺寸の単位で割り切れない数字は、適当に丸めた数字にしたようです。そのため、フランスの規格と日本の規格でわずかな差があります。さらに描かれている題材で、F,PMなどでも号のサイズは微妙に違っていますので複雑になっています。日本では、画枠や額縁がすべてこの規格でその後流通してしまい、後にメートル法が導入された後も、各号の大きさは尺寸法に合わせたままで、日本独自のサイズとなっています。この日本の号数でのサイズは、海外での通用は難しく、英米ではインチ単位など、国によってそれぞれ独自の規格があります。絵のサイズって随分バラバラなのがわかります。

例えば1号だけの例を見ると下記のように微妙に違います。

●1号の大きさ:

日本:  (縦)x(横)cm: 22.1x16.6(F)、 22.1 x13.9(P)、 22.1 x11.8(M)

フランス:(縦)x(横)cm: 22 x16(F)、 22 x14(P)、 22 x12(M)


*縦幅は日本、フランスともF/P/Mでも共通です。

日本とフランスの絵画標準寸法について
http://www.ddart.co.jp/gousuu.html

ところで、絵は最初からキャンバスに描かれていたのではありません。キャンバスになる前は、17世紀頃までは「板絵」が主流であり、板の上に油絵の具で、描いていました。 18世紀のフランスでは次第にキャンバスが使われて、大きさも決まってきました。キャンバス地の枠を作るために基準のようなものが必要になり、当時のフランスで使われていたはがきの大きさが基準になりました。 そしてその大きさが次第に固まってきたのです。

板絵の「岩窟の聖母」:レオナルド・ダ・ヴィンチ作、制作:1483年 - 1486年、板に油彩で描かれている。寸法:199 cm × 122 cmと大きい。(ルーブル美術館所蔵)。

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上記の絵とほとんど同じ板絵の「岩窟の聖母」:レオナルド・ダ・ヴィンチ作、 制作:1495年 - 1508年、板に油彩)。寸法:189.5 cm × 120 cmと上の絵と寸法が違う。 (ロンドン、ナショナルギャラリー所蔵)

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なんとなく、「大きいなー」とか「意外と小さい絵だな」と、漠然と思っている絵が、美術館で実物を見ると、予想外に大きい、小さいことががあります。上述のように、絵には標準の寸法がありますが、もちろんプロの画家はこれにとらわれず、独自に、自由な大きさで描いています。しかし、素人は、画材屋でキャンバスや水彩画などの画用紙を買わなくてはいけません。その際、何号などと、大きさが問題になります。また展覧会などに出店する場合でも、会場のスペースに制限があり、大きさは何号ということが必要になってきます。私も、絵を描いているはしくれで、そんな知識も必要がてら、今回、この記事を書いてみました。

一度、「わー」と思うような大きさの絵を描いて見たいのですが、たいへんな努力と画力が必要で、当分は無理かなと思います。しかし印象派の「日の出」のように、予想外に大きな風景を小さくまとめるのも大変との実感を持っています。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
絵画の号のサイズには、F.P.M.S.などの種別があるとか、初めて知りました、美術展をよく訪れる割りには無頓着だったので、この内容はすごく役に立ちます。画号の大きさに関係なく、絵画が繊細なタッチだったり、ラフな感じだったりしますが面白いですね。ここにピックアップされている絵画は実際に美術館で見たことがあるのですごく懐かしいです。それにしてもダヴィンチの「岩窟の聖母」あらためて両美術館の絵画の違いをここで比較できて楽しかったです。
Anne
2014/10/04 13:38
Anneさん
モネの「印象・日の出」の実物を見たとき、予想外に小さな絵だなと思ったことがあります。しかし小さい割に空間の広がりと、赤い太陽がボコと飛び出していたのが印象的でした。

素人の描く大抵の絵は、実物の大きさより小さいか大きいかになり、どのようにそれを収めて描くか苦労します。そんなことは関係ないような現代的アートでも描く内容の大きさは問題になります。

「岩窟の聖母」は両方一度に見ると違いがわかりますね。個々の美術館で見ただけでは気がつかないかもしれません。昔の板の絵でも素晴らしいものがありますね。
Jack
2014/10/04 16:52

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