Jackと英語の木

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zoom RSS スチューワデスは豚小屋の番人から?/サッカーでhat trickはどうして帽子(hat)か?

<<   作成日時 : 2014/05/09 19:37   >>

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英語の単語の中には単純な語源というより、「面白い由来話」があるものがあります。他のページでも何回か同様な記事を書いていますが、今回はそうしたいきさつや裏話がある英語の単語をいくつか紹介します。

★スチューワデスは元は豚小屋の番人?★

かって飛行機に乗るとスチューワデス(stewardess)と呼ばれる女性客室乗務員がいました。さてこのスチューワデス(stewardess)の言葉は飛行機とは関係のないところから来ていました。

昔のヨーロッパでは、家畜はちょっとした財産であり、その管理は重要な仕事でした。この重要な仕事をする人は古代の英語では「stigweard」と言われていました。stigは「豚小屋」の意味で、weardは「番人」の意味でした。したがって「stigweard」「豚小屋の番人」を意味していました。やがて、stigweardはstewardに変化してゆき、スチュワードは管理人、世話係、執事などの仕事をする人を指すようになりました。スチュワード/stewardは、英国のマナーハウス(manor house)のような領主の館などに仕える、メイド、料理人、掃除係などの使用人を監督し、問題の解決にもあたるようになりました。さらに財産の管理も行う会計担当でもあり、領主に対しては秘書的な役割もこなす、いわゆる執事の意味になってきました。執事の英語では、バトラー(butler)もありますが、これはスチュワードより下位の職務を指します。貴族の執事は男性となっており、チェンバレン(chamberlain)と呼ばれます。

イギリスのマナーハウスと呼ばれる館には執事(Steward)がいた。

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このstewardに女性を示す接尾語essをつけたのがスチュワーデス/stewardessです。つまりStewardessは、飛行機内でお客様の安全を守る要員であり、病人、弱者などの世話や、救命、または看護士の役目も持っており、空の旅が気持ちよくできるようにサービスを提供する女性客室要員です。

最近では、女性偏見への見地や、1980年代以降のアメリカで、性表現を含まないものへ切り替えるという考え方から(political correctnessという)、この「スチュワーデス」という言葉はもう死語になりつつあり、今では「フライトアテンダント」flight attendant/「キャビン・アテンダント」cabin attendantが一般的になりました。日本語では、看護婦を今では看護師と言うようになったのと同じです。

なおよく言われるキャビンアテンダント(Cabin attendant=CA)は和製英語です。フライトアテンダント(flight attendant: FA)キャビンクルー(cabin crew)です。 海外ではキャビンアテンダントはあまり通じません。ただ日本の航空会社では、JALがキャビンアテンダント、ANAが客室乗務員(スカイサービスアテンダント)と呼んでいます。

スチュワーデス(stewardess)は今ではフライトアテンダント(flight attendant)もしくはキャビンアテンダント(Cabin attendant)

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★サッカーでhat trick(3回のゴール)はどうして帽子(hat)が関係あるか?★

サッカーで1試合に同一選手が3得点することをhat trick(ハットトリック)と言います。アイスホッケーやラグビー、アメリカン・フットボールでも使われている用語です。1試合に同じ選手が6得点をダブルハットトリック、9得点をトリプルハットトリックといいます。

英マンチェスター・ユナイテドでハットトリックした香川

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ではなぜサッカーであまり関係がない、hat(帽子)とtrick(奇術)が使われているのでしょうか?実はこの用語はもともとはクリケットで使われていました。クリケットは野球の元になったイギリス発祥のスポーツです。 投手と打者がおり、野球に似ています。クリケットで競技中に3人の打者を連続でアウトにするのは、野球以上にとても難しいといわれていて、この偉業をした選手には賞品として高級な帽子が贈られました。ここからハットトリックの言葉が広まり、サッカーでも1試合に3ゴールするとハットトリックというようになりました。他の話では、選手の偉業を称えて、観客が帽子を投げ入れたことからきたとの説、手品師が帽子から物を出すトリック(まさにhat trick そのもの)のような見事な芸当=見事な得点という意味の説などもあります。


野球の元になったクリケット

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サッカーにおいても、プロリーグ戦や国際試合でのハットトリックをするのは非常に難しいといわれています。1998年Jリーグで中山雅史選手が、4試合連続のハットトリックを達成して、ハットトリック連続世界記録としてギネスブックに登録されています。

★乾杯をtoast(トースト)というのはなぜでしょう?★

パーティ、宴会で乾杯するときに英語ではなんて言うのでしょう。よく言われるのがチアーズ(cheers)ですが、toast, botoms upもあります。さてどんなときに、どの言葉を使うのでしょうか。cheersやbotoms upはなんとなくわかる気がしますが、焼いたパンのtoastとはちょっと乾杯には関係がないように思えます。

かって、イギリスでは、祝杯をあげるようなお祝いの席では、ワインの中にトースト(焼いたパン)を入れて回し飲みをする習慣がありました。そのトースト入りワインを回し飲みして、最期に祝福される人がそのトーストを食べるという習慣があったといわれます。パンの焼け焦げはワインの酸味をまろやかにする作用があるそうです。こうして、ワインにトーストを入れ、ワインの不純な匂いを消すことにより、ワインをおいしく飲むことができるということから、これが「トースト入りのワインで乾杯」ということになり、短縮されて、トースト/toastが乾杯の意味をもつようになりました。

make a toastは乾杯しよう


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この習慣は、さらに昔の古代ローマ時代からあったそうです。そしてこの習慣は近代になるまで続いていました。美しい女性には、お祝いの席で乾杯が捧げられる習慣があることから、特に選ばれた女性のことを「トースト・レディー(toast lady)」また「トースト・ガール(toast girl)」や「町のトースト」と呼ぶいいかたがあったそうです。

乾杯自体の習慣は古代ギリシャ時代からありました。それには理由があります。ギリシャ時代ではワインに毒を入れて暗殺することがしばしば行われていました。それを防止するため、宴席ではホストがまず毒入りでないことをわからせるため、最初にワインを一口飲みました。その後客が飲みました。そしてこれがしだいにホストが飲んでから客が飲むやりかたから、皆で一斉に乾杯と言って飲む習慣に変化していったのです。

では乾杯で、このtoastとcheersの違いはなんでしょうか?祝席では乾杯はいきなりはしませんね。そこにゆくまで何かしら言葉があります。例えばパーティで主催者が「では乾杯にしましょうか」といいます。そして皆で一斉に乾杯と言い杯を飲み干します。この場合、「乾杯しましょうか」はlet' make a toastであり乾杯の呼びかけです。一斉の乾杯の音頭はcheersです。辞書を見ると、toast は動詞、名詞として使われます。【名】乾杯の挨拶、乾杯の呼びかけ、 【動】祝して乾杯する、敬意を表して乾杯する、となっています。toastは、誰か特定の人に乾杯しようという場合もあり、それはtoast to X で、例えば、A toast to the bride and groom.(花嫁と花婿に乾杯)などです。

乾杯と言ってグッと飲み干すとおいしいビール

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cheersに相当する英語ではBottoms up, Drain it!、Drink up(飲み干して)もあります。またHere's to (〜に乾杯)の言い方もあります。例えばHere's to you!(君に乾杯)や、Here's toのHere'sはつけずに、To your health! Cheers!(皆さんの健康を祈って、乾杯!)などとも使います。相手を見つめてHere's to you.と言うとロマンチックですね。これは映画カサブランカでも「君の瞳に乾杯」で有名になった文言、Here's looking at you, kid! があり、本来のHere's a toast looking at you, kid!とtoastを略しています。詳しくはこのブログの下記のページで説明しています。

記事:乾杯の流れはToastからCheersへ。「君の瞳に乾杯」はなんて言うのかな?
http://jack8.at.webry.info/201007/article_4.html

★チキン(chickenにわとり)がなぜ臆病者の意味になるのだろう?★

英語の俗語でチキンchickenというと臆病者のことを指します。映画バックツーザフューチャーで主人公の青年がchickenと呼ばれると急にムキになった態度を示しました。ではどうしてにわとりのチキンが臆病者になるのでしょう。

映画:バックツーザフーチャーの主人公はチキン(臆病者)と呼ばれるのを嫌った。

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日本語ではチキン/chickenというと料理した鳥肉のことが多いが、英語ではchickenは生きているにわとりも料理になった鳥肉も指します。

チキン=臆病者の結びつきは、人が寒いときや恐怖に非常に怯えるときに、皮膚は体温を維持するために鳥肌がたちます。このありさまがニワトリの羽根をむしった状態と同じようなのです。またにわとりでも、めんどりやひよこは臆病で、始終キョロキョロしています。このように周囲に気にして、キョロキョロしていることなどから、周りの目を気にしてばかりいる臆病者のようだとして、chicken=臆病者の表現が広まりました。

Chicken: めんどりとひよこは臆病です。

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英語表現として、チキンハート(chicken heart)=臆病な、chicken out=おどおどして出てゆくがあります。またチキンレースと呼ばれるものがあり、英語ではチキンゲーム(chicken game)ですが、これは別々の車に乗った2人のドライバーが互いの車に向かってぶつかるように一直線に走行し、どこまで行けるか肝試しするもので、先にハンドルを切ったドライバーはチキン(臆病者)と呼ばれ、蔑まれます。壁や絶壁に向かって走行することもあります。こんなゲームはしたくないですね。

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英語の単語にはいろいろな裏話、逸話、由来があります。こんなことで英語の言葉は順々に出来上がってきたのですね。日本語も同様でしょう。私はワインが好きでよく飲みますが、今度、トーストを入れて飲んでみようかなと思います。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
Jack さん、楽しかったです。この英語についての裏話、由来、逸話、初めて知りました。普段気にもせず使用している英単語もこのように調べていくと思わぬ発見があり、またそこからより有効な情報を得られそうですね。一番面白かったのは、トーストとハットトリックです。きちんと覚えて、今度英語教室で披露してみます。もちろん他の裏話も面白かったので、またチェックしにまいります。
Anne
2014/05/11 23:34
Anneさん
英語にまつわる面白い話は、ネット上では意外と少なく、語源や直接的な由来や言い回しのたぐいの話が多い。英語を楽しく学ぶにはこうしたことから興味をとらえ、進んでゆくのもいいかと思い、このような記事を書いています。自分の参考にもなります。ガリ勉よりも、"好きこそものの上手なれ"の方向ですね。

トーストとハットトリックは確かに面白いですね。特にトーストは以前にも類似の記事を書いたのですっかり関連のことを覚えてしまいました。Anneさんも、いつかどこかで乾杯の機会が有れば、toastも使ってやってみたらいかがでしょうか。
Jack
2014/05/12 16:02

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