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zoom RSS ドーバーの白い崖はチョークの原料/ホワイトハウスが白いのは戦火による消失から:白の話

<<   作成日時 : 2013/12/21 16:48   >>

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今まで色に関する記事をいくつか書いてきました。白(white)は色が付いているとは言えないけど種々の色の一つであることは確かです。は比較的縁起の良いことに使われる色ですが、そのでも微妙に色具合は違います。誰だか忘れましたが有名な人が書いています。外国へずっと行っていた日本人が久しぶりに日本に帰り、障子の白さに感動したそうです。

では白(white)にからむ話を楽しんでください。

★ドーバーの白い崖はチョークの原料だった★

イギリスとフランスの一番狭い海峡はドーバー海峡です(フランスではカレー海峡と呼ぶ)。一番狭い部分で約34キロです。この海峡のイギリス側の海岸は真っ白い垂直の崖が約100キロ程続いています。この白い崖は白亜紀の石灰岩で出来ており、学校の黒板などで使うチョークの原料です。この白い石灰岩は大昔、貝やサンゴ、その他海の生き物の死骸が分解されて石灰岩になり、地層の隆起によりドーバー海峡付近では地上に現れたものです。この白亜の美観を守るため、イギリスはあえて海岸線に防波堤など作ってはいません。

イギリス、ドーバーの白い崖


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この白い崖は、イギリスの古い雅号であるアルビオンAlbionとなりました。これは、ラテン語のalbus 「白い」からできたもので、昔ヨーロッパからイギリスへ海峡を渡るときに、この白い崖をみてアルビオンと呼んだそうです。白い意味のalbusからは、山脈のアルプスAlpsタンパク質のalbumin、白い帳面であるアルバムalbumなどが派生しました。

黒板などに書く白いチョーク


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ところで、ドーバーの対岸のフランスにも白い崖で有名なところがあります。ルアーブルの近くで、海辺の小さな村、エトルタです。エトルタの海岸は石灰岩の真っ白な切り立った断崖と、モーパッサンが「象の鼻」と呼んだ真ん中で穴があいた奇岩が見られます。画家のモネやクールベなどがここの絵を描いています。モネは近くのルアーブルで育ち、このエトルタの村に時々訪れ、後にここの絵を描きました。近くには作家モーリス・ルブランの別荘があったところでもあり、現在「アルセーヌ・ルパンの家」として公開されています。アルセーヌ・ルパンの「奇厳城」エトルタの奇岩「針の岩」がモデルだそうです。

フランス、エトルタの白い崖


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モネの絵:「エトルタの断崖」


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★ホワイトハウス(The White House)は戦火による消失がきっかけで白い色に★

アメリカの首都ワシントンD.C.にある大統領官邸はホワイトハウス(The White House)と言われ、真っ白い建物です。今のホワイトハウスは1792年ジョージ・ワシントンが初代大統領になった時に建て始め、1800年に完成しました。実際に大統領の住居、官邸になったのは二代大統領のジョン・アダムスの時です。その頃はここをホワイトハウスとは呼んでいませんでした。

ワシントンのホワイトハウス

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ではどうしてホワイトハウスになったのでしょうか? それは1814年に米英戦争で大統領官邸が消失してしまったことに原因があります。この戦争は、1803年にヨーロッパで起きたナポレオン戦争が原因です。アメリカとイギリスはカナダの利権をめぐり戦争となりました。

戦争でイギリスからここは攻撃を受けて、大統領官邸は焼失してしまいました。大統領官邸が焼け焦げたままでは具合が悪い。そこで、白いペンキをこの家に塗って焼き跡を隠すことにしました。これがホワイトハウスの始まりです。真っ白で目立ちすぎということで、安全面で問題があるとの指摘もありましたが、この真っ白い大統領の住居をアメリカのシンボルにしようとの意見が強く、そのまま使われました。ホワイトハウスと命名されたのは1902年の増築の際でした。現在でも焼けこげた壁の一部はそのまま保存されており、トルーマンバルコニーというところでそれを見ることができます。

ホワイトハウスは外観は真っ白な宮殿風ですが、じつはホワイトハウスの内部には、各種の色別の部屋があります。ホワイトハウスの内部は結構カラフルなのです。

それらは、ホワイトハウス1階の真ん中のあたりのブルールーム、その左右にあるレッドルーム、さらにグリーンルーム、そして2階で1階のブルールームの真上に位置するイエロー(オーバール)ルームです。

●ブルールーム(blue room青の部屋)
国賓などを大統領が迎えるための部屋で、もとはレッド(赤)でしたが、1837年の改装時に青に変えられました。

●レッドルーム(red room赤の部屋)
歴代大統領夫人たちが会合によく利用した部屋で、カーペットはジャックリーン・ケネディ大統領夫人が改装したときに選んだそうです。

●グリーンルーム(green room緑の部屋)
緑をテーマとして装飾された、19世紀初頭風の家具がある部屋です。大統領が各種の目的で使う部屋です。

●イエローオーバールルーム(yellow oval room黄の部屋)
オーバールルームというと大統領執務室(Oval office=楕円形の部屋)のようですが、ここは大統領のプライベートなお客のための応接室です。イエロー(黄色)といっても品の良いクリーム調です。

ホワイトハウス内レッド・ルームのクリスマス飾り付け

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大統領執務室オバール・ルーム

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ホワイハウス「白い巨大な刑務所」と第33代大統領ハリー・S・トルーマンが言ったとか。また第42代ビル・クリントン大統領は「連邦刑務所の頂点に君臨する建物」と呼んだそうです。なんともどろどろしいところなので刑務所をイメージしたのでしょうか?

★ウェディングドレスはヴィクトリア女王の結婚式から★

結婚式に着るウェディングドレスは圧倒的に白が多いですね。このドレス=白い色とはどんなことから白になったのでしょうか?

その昔、ヨーロッパではウエディングドレスの色に特に決まりはなく、各種の色のドレスをウエディングに着ていたそうです。ロ−マ帝国の時代では黄色が多く使われ、ドレスや靴などを黄色でまとめていました。またその後も、結婚式の後になっても、何らかの行事の時や、よそいき着用ドレスとして、少し手直しするなどして着続けていました。したがって、汚れやすい白いドレスよりも色のついたドレスのほうが、後で利用するのに便利として、色ドレスのほうがウエディングドレスとして好まれました。中世においては、青、赤、緑の絹やベルベットの布地に金糸・銀糸の刺繍の縫い取ったものが着用されました。この時代、ある程度の階層では、婚礼衣装は花嫁の家、経済力の象徴であり、ドレスはとても豪華なものだったそうです。16世紀末には、スペイン宮廷で黒や暗色のウェディングドレスが流行し20世紀初めまで続きました。

では、今の白いウェディングドレスが広く着られるようになったのはいつ頃でしょうか。それはイギリスのヴィクトリア女王の着用からといわれています。ヴィクトリア女王は1837年から1901年まで王位を保ち、イギリスの最盛期と言われる時代の女王です。彼女(21歳)は1840年に、ドイツ人のいとこであるアルバート公(当時20歳)と結婚しました。その頃は、イギリスでは銀色の刺繍をした重々しいドレスと、ベルベットのマントが王室の結婚衣装の伝統でした。

彼女は結婚式を挙げる時、白いシルクのウエディングドレスと、手織りレースのベールを着用し、髪にはオレンジの花飾りをかぶりました。この様子が新聞や雑誌などで大々的に取りあげられ、国中の話題となり、アッパークラスの女性のあこがれとなり、女性たちが次々と、白のウェディングドレスを結婚式に着るようになったのです。 その後の王室の女性が白いウェディングドレスを着たことにより、一般庶民までが真似するようになり、白いウェディングドレスが定着していったのです。これには白い色が持つイメージも影響しており、白いドレスは花嫁が純潔、無垢であることの証とされたので、より広く使われるようになりました。また、白はどんな色にも染まりやすいという性質があり、そのことが「あなたの色に染まる」というイメージに結びつけられ、ますます花嫁としての象徴性を帯びるようになったのです。

イギリスのヴィクトリア女王


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映画にもなった「ヴィクトリア女王、世紀の愛」
http://victoria.gaga.ne.jp/

日本でも室町時代から白無垢が花嫁衣裳として習慣化していました。白は神聖な色であり、また「純潔」「清潔」「無垢」など、何色にも染まっていない色の象徴でした。 また白無垢は神事の時に着る斎服が白であったことから、その流れではないかといわれています。さらに、白い着物は葬儀の時に着るものでもあったので、白い着物を着るのは、婚家に骨をうめる覚悟、一種の死の白装束の意味でもあったとされています。 日本では、西洋流のウェディングドレスが見られるようになったのは、明治になってからで、1873年に長崎である女性が中国人と結婚した際に初めてウェディングドレスを着用したそうです。しかしその当時、日本にはウェディングドレスはなく、外国から取り寄せたものであったようです。

日本の花嫁:白無垢の衣装

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★白旗は降伏の印ではない★


よく戦争場面の映像で、白旗を掲げて兵士が出てくることがあります。これは降伏する意思を表している印と言われますが、実はそんなに簡単ではないのです。

白旗は戦争などで、戦う意思がなく、何か交渉をしたい場合に使われます。もちろん戦闘場面で、ガンガンやりあってついに白旗を掲げて出てくる、あるいは両手を挙げ、武器を捨てて出てくるようなときは投降、降伏の意思を表している場合が多い。しかしそのような場合でも絶対の降伏とは限らず、一時停戦、和解交渉の場合もありえます。

海上ではよく見えないので、白旗だけでなく、投降する艦船は、降伏する意思を具体的に相手に示さねばならない。砲撃を止め、砲口の向きを変えるなどで戦う意思がないこと示す必要であります。

米独立戦争で白旗を掲げるイギリス軍(左側)を描いた絵

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このように白旗といえば「降伏」のことだと思っている人が多いのですが、ちょっと違うようです。「ハーグ陸戦条約」は1899年と1907年、オランダで開催されたハーグ平和会議で採択されたもので、捕虜などに関係がある有名なジュネーヴ条約などともに、現在でもまだ適用されている戦争関係のルールを規定する国際法です。日本は1911年11月6日に批准しました。

ハーグ陸戦条約の中の白旗についての規定は下記の通リです。

第三章 軍使
第32条:交戦者の一方が他方との交渉を行うため、白旗を掲げて来た者を軍使と規定する。軍使、及び、それに随従する喇叭手、鼓手、旗手、通訳は不可侵権を有す。

すなわち「白旗をあげたものは軍使であり、戦う意志はないから不可侵権がある」ということです。だから白旗を掲げていても、決して降伏の意志を表すものではありません。しかし現実には戦争映画やテレビなどの戦闘場面で見ると、降伏の意味で使われているのが大半です。
 
ではなぜ白い旗になったのか? いくつかの説があります。

国旗のもとは白い布であり、それを各国が独自に色や模様を染めて国旗にしている。白旗を揚げることは、自分たちの領土を相手の色に染めても構わない、すなわち、降伏するという意味で白旗。

・中世ヨーロッパの教会ではホワイト・サンデー(白い日曜日)というのがあり、この日は教会の権威のもとにどんな戦争も休戦していて、ホワイト・サンデーのは休戦を意味するようになった。

・戦争で負傷者が出た時に、白い包帯を振って降伏したことが白旗になった。戦場では遠くからでも白はすぐに色を見分けやすく、そこでは比較的容易に包帯や代用の白い下着、ハンカチなどが手に入ることから。

こうして白旗は戦う意志がないことを示すものとして定着してゆきました。

ところで、白旗といえば、幕末に日本に来航した「ペリーの白旗伝説」を知っていますか?一部の学校の教科書にも載りました。1853年、アメリカのペリーは艦隊を率いて浦賀に来航して、浦賀奉行に白旗を渡してこう言ったそうです。

「開国を拒むなら、我らと戦えばいい。戦えば我等が勝つ。負けを認め降伏するなら、この白旗を立てればいい。アメリカは攻撃を止める」。

しかしその後の検証で、この白旗を渡したのは事実ですが、降伏を迫ったとの見解は薄れてきています。ペリーが幕府に白旗を送ったのは、幕府の船が何らかの用事でペリー艦隊に近づくときに、戦うような敵意がないことを示す国際的マークとして幕府の船につけるよう幕府に要請したとの解釈です。ペリー側の船も、東京湾に近づいて白旗をかかげて測量したとの話もあります。

「ぺりーの白旗」は本にもなっています。

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鎌倉には白旗神社があります。

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白旗を掲げるような戦争等はなくしたいものですね。

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<参考>

最後にこのブログで、既に色に関して書いている記事がありますので、参考にリンクを下記に記載しておきます。興味がありましたらご覧下さい。

・色彩と人の心理(紅一点、素人と玄人)
http://jack8.at.webry.info/201111/article_2.html

・紫:PurpleとVioletの区別は?
http://jack8.at.webry.info/201009/article_7.html

・青:月の色は青い?
http://jack8.at.webry.info/201110/article_1.html

・赤、青、黄色:運命の赤い糸はなぜ赤?
http://jack8.at.webry.info/201106/article_6.html

・緑、赤:緑目玉のモンスターは嫉妬する?
http://jack8.at.webry.info/201109/article_1.html

・黄色:幸福の黄色いハンカチ/黄色いリボン
http://jack8.at.webry.info/201104/article_3.html

・文化の違いと英語表現;色を使った慣用句
http://jack8.at.webry.info/201006/article_2.html

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日本人は世界でも有数な白い色を好む民族だそうです。白色には古来より神秘的なものを感じていたようで、神社の白木や、白玉、白狐、白無垢、神官の白装束、白い塀、白障子、色の組合せでも紅白など白との組みが多く、女性は白い肌を求め、車の色は白が多い。

に今回した理由の一つが、最近購入したテレビの画面が格段に綺麗になったのですが、とりわけ白がとても綺麗に見えるのです。派手なカラーばかり綺麗に映るテレビがいいと思っていたのですが、白や黒は実は映像化するのにとても難しいようです。ってこんなに綺麗なのか感動して、つい今回にしてしましました。しばらくはを楽しみます。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
イギリスのドーバーの崖、フランスのエトルタの白い崖、美しいです。まさに自然の驚異、写真を拝見するだけでも白さが際立っているのに、実際訪れて見た場合、迫力に圧倒されるでしょうね。モネのエトルタの断崖の絵画を見たことがありますが、この景色を見て描いたんですね、モネがキャンバスに描きたかった気持ちが分かる様な気がします、同じような彼のモチーフが何点もありますが、やっとこの写真を見て納得しました。その他の白に関する数々のお話も楽しかったです!
Anne
2013/12/24 22:46
anneさん
英仏両国に向き会った位置の、白い断崖の景色は素晴らしいですね。日本にはこのように白くて規模の大きい断崖はちょっとないでしょう。銚子の岬付近の断崖がすこし似ています。モネが描きたくなった気持ちがわかるような気がします。

白い色ってなんでもない色のようで、重要なところがあります。白旗、ウェディングドレスの由来を見ても白は悪い傾向の色にはなりにくい。人のこころも生まれたばかりは真っ白だったと思います。

もう年の暮れ、来年も真っ白な段階から段々私たちの生活の色がついてゆくのでしょうね。
Jack
2013/12/25 18:44

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