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zoom RSS ロンドンのバスはどうして2階建てなの?ーイギリスにちなむ話題

<<   作成日時 : 2012/07/18 19:30   >>

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今年(2012年)はロンドンで夏期オリンピックが7月27日から開催されます。そこで今回はロンドン、イギリスに絡んだ面白い話を書いてみました。イギリスはさすがに世界に冠たる大英帝国を作ったことだけのことはあり、様々な事柄、機械、スポーツなどの発祥の地であり、その由来や歴史にも面白いものがあります。とてもたくさんありますが、今回はちょっと変わった私が興味をもったものについて書いてみました。

ロンドン オリンピック2012年会場

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●ロンドンのバスはどうして2階建てなのか?

ロンドンの2階建てバスは誰もが知っています。この2階建てバスは19世紀の初めにフランスの乗合馬車が導入されたものです。しかしはじめの頃、この乗合馬車は、小さくて混んでいたことから、多くの乗客を載せることができませんでした。それで馬車の屋根の上にも客を乗せるようにしました。最初は2階に上る階段などなく、乗客は御者席からよじ登っていたのです。そしてちゃんとした席もなかったので、屋根にしがみついていました。2階席は料金も安く、貧乏な人達が主に利用していました。貴族は専用の馬車を持っていました。その後、それでは不便なので、階段と2階にも席を設けて、2階建て馬車スタイルになりました。そして馬車からバスへ変わったのは1851年の世界最初のロンドン万博の時でした。博覧会の見物客を乗せ、効率的に会場を回るためでした。

この2階建てバスは「ルートマスター」(Route master)と呼ばれます。オリンピックを控えて、一旦廃止になったルートマスターは、新型でまた復活するそうです。

新型ルートマスターの記事

http://www.asahi.com/olympics/columns/londonjournal/TKY201203010151.html

ロンドンの2階建て馬車の色がなぜ赤なのかは、はっきりとしていません。当初導入されたときに、赤が多かったのではとも思われます。ロンドンでも公共のバスが赤のようです。地方にゆくと、2階建てバスでも必ずしも赤ではないようです。

当初の2階建て馬車

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その後2階建てバスに変わった。これは旧型。

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この乗合馬車を考えたフランス人は、「考える葦」で有名な哲学者パスカルでした。そして皆が乗る馬車ということから、「みんなのために」との意味があるラテン語の「オムニバス(Omnibus)」と名付けました。それが次第に省略され「バス」(Buss)になりました。今ではOmnibusは「様々な種類や形式を含んだ」の意味になっています。

●カラーフィルムは2階建てバスのイメージからから生まれた。

ロンドン、イギリスとは直接関係ありませんが、ロンドンの2階建てバスが、あるものの開発に貢献したことがあります。それはカラーフィルムです。どうしてカラーフィルム2階建てバスが結びつくのでしょうか?それはアメリカのイーストマン社がモノクロフィルムから脱却し、なんとかカラーフィルムを開発しようとしていた時でした。同社の社長ジョージ・イーストマンは、いろいろ試行錯誤をしても、どうしても良いアイデアが浮かびませんでした。そしてついに彼は、1923年(大正12年)に懸賞金100万ドルを付けてカラーフィルム開発のアイディアを一般公募したのです。そして募集の中で採用されたのがなんと二人のアメリカ人音楽家、マーネスとゴドウスキーでした。二人が家でロンドンの2階建てバスを見る機会があり、その時ひらめいたのです。2階建てバスのように、そのままの構造のもを重ねてカラーフィルターを挟めば良いとのアイディアでした。そのアイディアをもとに、さらに開発し、シアン(青)、マゼンダ(赤)イエロー(黄)の光の3原色を重ね合わせて一層の感光膜としたものを新しいカラーフィルムとして作り上げました。開発を重ねてついに現行のカラーフィルムが完成したのです。

光の3原色

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イーストマン社はその後コダック社と合併してイーストマン・コダック(Eastman Kodak Company)となりました。しかし最近はデジカメの普及が進み、カラーフィルムは衰退の一途だそうです。そのデジカメもなんとこのコダック社が初めて開発したので、なんという因果関係かと思います。

ジョージ・イーストマンは2階建てバスをヒントにカラーフィルムを開発した。

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●チップ(Tip)はロンドンのパブのあることから生まれた。

皆さんが海外旅行などで外国、特に欧米に行くと扱いに困るものの一つにチップ(Tip)がります。このチップの習慣はどうして生まれたのでしょう?日本にも旅館などで、宿の世話係りの人に渡す「心づけ」のようなものがありますが、それ程厳密ではありません。ところでこの習慣をなぜTipと呼ぶのでしょうか?これにはロンドンのあるパブの出来事が絡んんでいました。

18世紀のロンドンのあるパブはとても繁盛していました。混雑がひどいので、ある客がアイディアで、そこにある小さな入れ物にお金を入れてウエイトレスに渡して、少しでも早く注文品を持ってきてもらおうとしだしたのが始まりです。そしてそれが次第に習慣的になり、パブの入口に "To Insure Promptness"と書いた小さな箱が置かれるようになりました。この略がTIP(チップ)になったのです。

少し話は違いますが、パブではなくカフェで始まったとする説があります。カフェで飲む紅茶は、その昔は長い日数を掛けて、インドなどから運ばれてきました。その間に事故に遭ったり、腐ってしまうことも多々ありました。したがって、紅茶は高価でした。それで紅茶をカフェなどで飲む人は、「ちゃんとサービスして下さいね」という意味で入り口に置かれた箱に小銭を入れていました。そして、その箱に書かれていた言葉が "To Insure Promptness" (迅速な対応を保証する)で、これが、TIP (チップ) なったと言われています。

どちらにしても早く注文したものを欲しい、良いサービスを受けたいという心情がお金をサービスの対価に出す行為になったのです。

Tip(チップ)は日本人にとって扱いにくい。

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●ウイスキーには「鍵無し」と「鍵あり」のものがあるのはどうして?

皆さん、ウイスキーのスペルにWhiskeyとWhiskyと2種類あるのをご存知ですか?例えばイギリスではWhiskyと書きますが、アメリカ産ウイスキーはWhiskeyです。どうしてこんなに2種類のスペルになったのでしょうか?

ウイスキーはイギリスの北部スコットランドにおいて、良いものが作られていました。スコットランドの言葉で「アスケボー」(生命の水)と言っていたのが、ウイスキーでした。現地の寒さとヒースなどのウイスキー作りに欠かせない環境がスコッチウイスキーを誕生させました。

これに対して、アメリカで生まれたトウモロコシと麦で作るウイスキーは、バーボンウイスキーといいます。ケンタッキー州のバーボン郡(Bourbon)が生産の中心地であったのでバーボンウイスキーと言われるようになりました。

ところで、イギリス、スコットランドのウイスキーはWhiskyと書きましたが、アイルランド系移民が多いアメリカ、バーボンの人たちはWhiskeyと書いたのです。これが2種類のスペルになり、スコットランド系のWhiskyは鍵無し、アイルランド系のWhiskeyはKeyが鍵の意味であることから鍵有りと俗称されるようになりました。したがってスコッチウイスキーの時にはWhiskyと書き、バーボンウイスキーを指す場合はWhiskeyと書きます。世界5大ウィスキーと言われているものがあります。それはスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズであり日本も5大ウイスキーに入っていて、イギリスのスコッチウイスキーをお手本にしたから日本は「鍵無し」のWhiskyになっています。5大ウイスキーの中で、アイリッシュとアメリカンが「whiskey」と表記し、スコッチ、カナディアン、ジャパニーズが「whisky」と表示されています。「ウィスキー」表記は、イギリス、カナダ、オーストラリア など大英帝国の関連国が"Whisky"でアメリカが"Whiskey"ですが、同じ国の中でも、イギリス系、スコットランド系の移民が多い地域では、それぞれの民族習慣に従い、Whisky(イギリス)、Whiskey(アイルランド)と書いているようです。 ちょっと異説では、開拓時代のアメリカにおいては、ウイスキーがとても貴重でした。それで必ずカギつきで保管したことからウイスキーWhiskeyの表記にも「KEY=カギ」がついたとの話もあります。またアメリカ(アイルランド系)ウイスキーにkeyとeがついたのは、スコッチより早くからやっていたと称し、ウイスキーの起源を自称するアイルランド人が、アイリッシュウイスキーを他と差別化するために、"e"を付け加えkeyとしたとする話もあります。

「バランタイン」ブランドのスコッチ・ウイスキー。Whiskyになっている。

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バーボン・ウイスキーのことが出てきましたので、次にイギリスに直接に関連はないのですが、ちょっとバーボンのことを書いておきます。

●バーボンウイスキーと仏ブルボン王朝との不思議な関係。

バーボンウイスキーはアメリカケンタッキー州のバーボン郡(Bourbon)がその名前の由来と上述しました。18世紀、フランスは各地でイギリスと対立し、アメリカ独立戦争の原因ともなりました。この戦争の時に、フランス国王ルイ16世は、アメリカの独立派を支援し、イギリスとの戦ったのです。このため、戦後独立した後、アメリカ合衆国はその支援に感謝して、仏ルイ王朝のブルボン家(16−19世紀)の名をケンタッキー州に残し、そこにブルボン、すなわちバーボン郡を作ったのです。その後、1620年代にアメリカに移住した移民は、西部地方に次第に進出し、ケンターキーやテネシーでウイスキーを作り出しました。さらに工夫して、アメリカ特産のトウモロコシで作る独特の味と香りのウイスキーを作ったのです。そしてこのお酒を、その当時この地方では巾を利かせていたフランス系移民がフランスをしのんで、ブルボン王朝からBourbon=ブルボン--->バーボンウイスキーと名付けました。

今ではアメリカでは、Kentucky州のBourbon郡で作ったものだけを Bourbon whiskeyと言い、それ以外のものはトウモロコシからつくったものでも Bourbonとは呼ばないそうです。有名なバーボンウイスキーJACK DANIELS(ジャック・ダニエル)も”バーボン”と一般に言われますが、正しくはbourbonではないそうです。それはこのウィスキーがケンタッキー州ではなく、Tennessee州(テネシー州)で作れられたものだからです。そのくらい現在は。バーボンの名前にこだわっているということらしい。

アメリカ、ケンタッキーのBourbon Whiskey(バーボン・ウイスキー):Whiskeyと"e"がある。

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有名なバーボン・ウイスキーであるジャック・ダニエルもテネシー州産なのでBourbonとは書けない。スペルはWhiskey。

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お菓子メーカーに「ブルボン」がありますが、これもBourbonであり、ブルボン王朝を意識してのブランド名との説と、1961年に作られたインスタントコーヒーのコーヒー豆のブルボン種に由来して「ブルボンコーヒー」と名付けたことからとったとの説があるそうです。

●イギリスの女王陛下から1シリング頂くとは何のこと?

ここでちょっと変わった話題にします。あまり他では載っていない話題と思います。

イギリスでは軍隊に入ることを"To take the Queen's(King's) shilling"「女王陛下から1シリング頂く」という言い方をすることがあります。もちろんやや古めかしい言い方で、17世紀初頭のエリザベス1世からの言い方です。今ではポンド、ペンスがイギリスの通貨で、シリングという通貨はなくなっているのですが、言い方として残りました。当時は、貰った1シリングは、軍隊をやめることになるとさらに20シリングを加算して女王にお返ししないといけなかったそうです。このことからこんな言い方が出来たようです。イギリスにはいろいろと古めかしい習慣がまだ残っているようで、時々こんなことはもうやめたらというようなニュースが見受けられます。

イギリスでは、王子でも軍隊に入ります。それなら昔ながらに、女王から1シリングを王子たちも貰ったかな?と思います。

今は使われていない1シリング硬貨。年代により種類がある。

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このことを辞書には簡単に書いてあります。(King's shilling)

http://ejje.weblio.jp/content/King%27s+shilling

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イギリスには変だなと思う話題が沢山あります。日本よりかっての習慣を忠実に守ってゆく国民性は、頑迷というか、自信の表れというか、最近の日本人が昔の良い習慣まで忘れたり、軽視したりの状況を考えると、どちらがいいのかなーと思います。今回はイギリス、ロンドン関連ですが、話題がとりとめもないようになってしまいました。でも今、テレビなどで、ロンドン情報とやらでやっているものも、結構とりとめもない変な情報を話題にしていますね。普段はありきたりのイギリス、ロンドン情報が、オリンピックとなるとちょっと傾向が変わったものまで出てきました。この記事もそんな傾向かな。。。?

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
ウイスキー、毎日のように夕食時に飲んでいますが、綴りを考えた事も、違いを見たこともないです。後で家にもいろんな種類があるので調べてみます。whisky,whiskey、両方かかれたものがあると家人に説明しやすいんですが。後、バーボンウィスキー、とうもろこしを原料としたものは、全てそう呼ばれると思っていましたが、バーモン地方産のものだけなんですね、誇りを大事にしてこだわっているんですね。由来を知って、もっと楽しく飲めそうです、面白いお話し有り難うございました、Jack さん。
Anne
2012/07/18 20:48
バーボン地方でしたね、間違えました。今、ウイスキーチェックしてきましたが、両方の綴りがありました。Bourbonでない、Jack Daniel's Whiskeyもありました、納得です。
Anne
2012/07/18 21:10
Anne
Anneさんもウイスキーを飲むのですね。私はあるとき、スコッチウイスキーとバーボンウイスキーを酒屋で見比べていたときにスペルの違いに気がつきました。かなりの人が、この違いを気づかずに飲んでいます。アメリカで開発したものなのに、フランス系の名前が付いているのも面白いですね。今年はアメリカが干ばつだそうで、バーボンの原料のトウモロコシの出来が心配です。

ロンドンの話題は今盛んに各種メディアで出ています。何か面白い話題があればとチェックしています。
Jack
2012/07/19 18:53

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