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zoom RSS 「社会の窓が開いている」はどうして英語では「XYZ」なのか?ー婉曲に言う英語の言い回し

<<   作成日時 : 2012/06/26 19:36   >>

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男性で、ズボンのチャックが開いたままになっていることを、「社会の窓が開いてている」と言いますね。このような微妙なことは、何となく遠まわしのような表現でそれとなく言うことが多い。英語でも、このような場合は、まともに言わずに、婉曲に言うほうが、ユーモラスもあり、その場が収まり易いですね

今回はちょと変わった、このような英語の言い回しを紹介します。こんな英語の言い方は、学校や普通の英語の本などでは、あまり教えてくれないと思います。特に覚えなくてもいいことですが、でもあなたは、もし上記の「社会の窓」の場面に遭遇し、言わないといけない羽目になったらどうしますか?

では、今回は英語のこぼれ話として楽しんでください。

●「社会の窓が開いている」のをどうして英語ではXYZを使って言うのでしょうか?

社会の窓が開いている男性(時には女性)を見かけることがあります。「社会の窓」とはズボンなどのチャックが開いていることを言います。ではどうしてこのことを「社会の窓」と呼ぶようになったのでしょうか?これは1948年(昭和23年)〜1960年(昭和35年)に、NHKラジオ放送の番組『社会の窓』からの由来です。この番組は、社会のあらゆる内情や裏側を映し出すという内容でした。これが、その人の大事なものが隠されたものが見えるという発想になり、そのうち、男性の大事な部分が隠されているズボンのファスナーを「社会の窓」ぶようになり、そこが開いたままになっているのを「社会の窓が開いている」と言うようになったのです。今では女性もズボンを履くことが多いので、このような場面は増えているのではないかと思われます。

これを英語でうまく婉曲になんというのでしょう?そこで「XYZ」が登場します。これは"Examine your zipper."(あなたのチャックを調べてみてください)のことで、Examineの"X"と、yourの"Y"、zipperの"Z"の略号です。「チャック」は和製英語的ですが日本語であり、「きんちゃく」のようなぴったり締めるものから、後ろの方をとって、「ちゃっく=チャック」と何となく英語的な商品名にして、あるところが昔、名付けたのが定着したそうです。英語の"chuck"のほうには違う意味があり、「工具の把手」のことを意味します。日本語の「チャック}に相当するのは、英語では"Zipper"であり、"Zip"は動詞で「締める」意味があり、"Zipper"はその名詞形です。また「ファスナー」(fastener)や俗語的ですが、"fly"も使います。例としては、"You're flying low"(チャックが締まっていないよ)などです。

Zipperが開いている=社会の窓が開いている=XYZ
今ではこんなきれいなZipperもあります。


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●「言葉を言い違えをしないで!」がなぜMrs.Malaprop(マラプロップ夫人)となるのでしょうか?

世の中には慌てているのではないのに、良く言い間違える人がいます。こんな人のことを"Mrs.Malaprop"と呼び、男女にかかわらず言います。ではどうしていい間違いが"Mrs.Malaprop"になるのでしょうか?"Don't be Mrs.Malaprop"は「マラプロップ夫人にならないで!」ではなく、「言い間違いをしないで!」という意味なのです。

英語の辞書で見ると、類語に"Malapropism"(マラプロピズム)という単語があり、「ユーモラスな言い方にすることにより、ある言葉を、似たような響きを持った別の間違った言葉に置き換える」ことをいい、「意図しない言葉の誤用」の意味にもなります。また形容詞で"marapropos"があり、「見当違いの/まずい行動や言い方の」の意味があります。

このMalapropの由来は、18世紀のイギリスの劇作家であるRichard B. Sheridan(リチャード・B・チェリダン)のコメディ、The Rivals(ザ・ライバルズ:恋敵)の女主人公のMrs.Malapropからです。この夫人はしょっちゅう、言い間違いばかりしていました。例えば"She's as headstrong as an allegory on the banks of the Nile"(彼女はナイル川の岸のアレゴリー=寓話のように強情だわ)と言ってしまったが、正しくは"She's as headstrong as an alligator on the banks of the Nile"(彼女はナイル川の岸のアリゲーター=ワニのように強情だわ)」と言うべきでした。「allegory:アレゴリー=寓話/比喩」と「alligator:アリゲーター=ワニ」と似た響きの単語のため、間違いで言ってしまったのです。この他にも、influence影響をaffluence裕福などの間違いもあります。

私もかって小さい頃「めぐすり」(目薬)を「めすぐり」といって注意されていたそうです。小さい子供はともかく、大人になっても、確かにちょっと変な言い方をする人があります。前後の話から、なんとなくわかるので、その人にいちいち注意しないでいると、その人はその言い方が正しいと思いい、そのまま押していることがあります。若い人の言葉には、わざと省略形にしたり、一部言葉を逆さまにしたりす言い方があり、若者言葉も一種のMrs.Malapropかもしれませんね。

言い間違いばかりしているMrs.Malaprop

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●「給水車に乗る」ことが「禁酒している」ことになるとはどうして?

お酒が好きな人が、何かの事情で禁酒していることがあります。英語で、そんな時、まともに禁酒中だよ,"stop drinking"と野暮に言わずに、ユーモラスに"I am on the wagon"といいます。「荷車に乗る」って変ですね。ここでのwagonはwater wagon(給水車)のことです。したがってon the wagonは直訳では「給水車に乗る」になりますが、これがどうして禁酒中になるのでしょうか?

戦時中の水を運搬する荷車、給水車のことを"water wagon"と言っていました。 そしてこの「給水車」に乗っている間は、お酒を飲むことができない状態で、水しか飲めなかったことから、“be on the wagon”で、「禁酒している」という意味になったそうです。違う説もあり、昔の道路は、土ぼこりだらけだったため、それを防ぐために、“water wagon”で道路に水を撒いていて、土ぼころを少なくして、 この作業中の“water wagon”に乗っている間は、水しか飲めなかったために、「禁酒している」という意味になったとも言われています。「これから禁酒するぞ」なんていう場合は、"I 'll go on the wagon."になります。

では禁酒を止めて、またお酒を飲みだしたような状態をなんというのでしょうか。それは“fall off the wagon”と言い、「禁酒していたが、またお酒を飲み出してしまった」という意味になります。一度禁酒に失敗して、「また禁酒をやって見るんだ!」のような場合は、 "I'm back on the wagon."といいます。wagonって調べると面白い表現がありますね。例えばget on the bandwagon of xxxは、xxxの流れに(積極的に」)乗るのことです。Bandwagonはバンドが乗っている車とか流行の意味です。またfix one’s wagon xxxはxxxに仕返しをする意味です。類似の単語でcarriageがありますが、裕福な人たちの移動用の乗り物を主に指し、wagon は庶民の運搬用の馬車という感じだったそうです。

禁酒するのは辛い=on the wagon

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●「塗り薬のなかのハエ」がなぜ「玉にキズ」になるのでしょうか?

「あいつはなかなかいい奴だが、ちょっと不注意なところがあるのが玉に瑕(キズ)だなー!」なんて言い方がありますね。英語では「玉に瑕」をうまく表現する言葉があります。それは"fly in the ointment"です。flyはハエのことでointmentは軟膏、塗り薬の意味です。

この言葉は聖書のある言葉に由来しています。聖書の伝道の書、第10章1節の「死んだハエは、香油を臭くし、少しの愚かさは、知恵や誉よりも重い」(As dead flies give ointment a bad smell,so a little folly outweighs wisdom and honor.)です。Ointmentは昔は貴族達が髪の毛に塗る香りが入ったオイルのことでした。その後軟膏、塗り薬のことを指すようになりました。要するに、fly in the ointmentとは、せっかくの貴重な香料に1匹でもハエが入ってしまうと、台無しになってしまうので、そこからせっかくの楽しい計画や良い価値のものを台無しにしてしまう人や物、もしくはxxxだが玉に瑕のような意味に使われるようになりました。

この使用例としては、映画「ダイ・ハード」の中で、主人公の警官が犯人ハンスに向かって、"just a fly in the ointment, Hans"(おい、ハンス、俺は計画をぶっ壊す野郎なんだ!」と叫んでいました。

映画「ダイ・ハード」の中の"fly in the ointment"の説明ページ
http://www.h3.dion.ne.jp/~tango2/usa/die.html

Fly in the ointment:香りの良い塗り薬にハエが入ると台無しになる。

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●「PとQに注意する」はどんな意味になるのでしょうか?

英語でmind one's p's and q'sと言う言葉があります。これを直訳するとPとQに注意しなさい(気を付けなさい)になります。知らない人は、英語では、どうもPとQのモノには何か気を付けたほうがいいのかな?、あるいはPとQには何か謎があるのか?などと思いたくなります。実は「誤魔化されないように!」とか、「言動に注意しなさい」の意味になります。しかし何故それがPとQになるのか。これは今でもはっきりしていないようですが、説はいろいろあります。

説その1:

17世紀のイギリスの居酒屋(パブ)で客の飲んだ酒の量を p = pint(パイント:0.47リットル)と q =quart(クォート:0.95リットル) で表していた。quartはpintの約2倍でした。pとqは間違いやすいので、客にごまかされる場合があった。それで客に酒の量を確認するときに、mind your p's and q'sと注意したからこの言葉ができました。

説その2:

学校で先生が生徒にアルファベット教えるとき、pの尻尾は左側、qの尻尾は右側にくることを混同しないようにと教えたことに由来しました。

説その3:

印刷屋ではpとqは左右が反対だけの文字で紛らわしく、悩みの種だった。印刷工の新米が師匠から印刷の活版のアルファベットを拾うとき、pとqを混同しないように注意しろと言われたことからきました。

他にも説がありますが決定打となるものはないようです。今のところは説の1と3が有力と言われています。

さて、英文例としては、“When you meet elders, you should mind your p’s and q’s.”、「歳上の人に会うときは、行儀良くしなさい」などがあります。

Mind your p's and q'sの説明

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英語でも日本語でも、あることをまともに言わない遠回し、婉曲に言う表現があります。ある意味、このようなことを覚えていると便利なことがありますね。映画などではこんな言い方が意外と多い。調べてみたら、ここに書いてある英語の言い方は、ほとんどNHKのラジオ講座のテキストにもありました。これらは、あながちほとんど使わない表現でもないのですね。私も英語の発音がうまくできなくて、知らないで類似の音の単語を、会話の中で使って、外人から怪訝な顔をされたことがありました。これって、もしかしたら私も、日本版"Mrs.Malaprop"になっちゃっていたのかなと思い、一人ひそかに恥ずかしがっていたものでした。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
すごいですね、このような面白い情報を調べて、日常生活で考えた事も無いです。このブログの内容もも楽しいですが、Jackさんの尽きる事のない探究心に感心してしまいます。自分の知らない事がなんと多い事か、読むたびに思います。社会の窓が開いている、XYZと、言うのですか、今度話のねたに使ってみます。私の娘は、ずっと、寝巻きの事を、めまきと覚えていました、まさに、Mrs.Malapropですね。
Anne
2012/06/29 17:21
Anneさん
これらの言葉は偶然に知って、その由来を調べてみました。英語ではなんでも明確に言うようですが、実は結構、婉曲に言ったり、あやふやに言ったり(something like thatなど)があるようです。微妙なことについては、まともには言いにくいのは、東西を問わず同じと思います。今回はちょっと特殊なことと思いましたが、その後意外と使われているのが判りました。参考になれば幸いです。
Jack
2012/06/29 18:50

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