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zoom RSS 飲食店前の盛り塩は中国皇帝の愛妾のアイディアから-塩の話題

<<   作成日時 : 2012/06/02 16:56   >>

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最近、塩麹(しおこうじ)ブームです。我が家でも作っており、種々利用しています。は人間にとってはなくてはならないもの。昔、上杉謙信が宿敵の武田信玄が塩がなくて困っているとき、塩を送り、「敵に塩を送る」とのことわざができました。そこで今回はを中心に話します。

●飲食店前の「盛り塩」は中国皇帝の愛妾のアイディアだった。

飲食店前を歩くと、時々、店の入口に白い塩が円錐形に盛ってあるのを見かけます。今では必ずしもどの店もそうなっているわけではありません。水商売的な雰囲気の店ほどこの「盛り塩」が多いような気がします。また一般家庭にも玄関前、はてはトイレ前にこの「盛り塩」が置いてあるところがあります。主にこの風習は、縁起担ぎ、厄除け、魔除けの意味を持つようです。一体どうして塩を盛るようになったのでしょうか?

そのもとは、昔の中国にありました。約1700年前の晋の時代、時の権勢を誇っていた武帝には3000人もの愛妾がいて、一種の大ハーレム(日本の大奥)がありました。しかし3000人もの愛妾がいると、一体いつになったら武帝からお呼びがかかるか女性たちは気が気ではありません。おとなしく順番を待っていると、8年に1回あるかないかの勘定になります。そこである頭の切れる女性が考えました。皇帝は牛車でくるので、自分の門前に牛の好きなを置いて、皇帝の牛車を止めてしまおうと考えました。そしてそれがうまくいっって、皇帝の寵愛を受けるようになったとのことです。この話には牛でなく羊だったとの説もあります。また晋の武帝でなく、おなじ「しん」でも約2300年前の秦の始皇帝だったとの説もあります。話の内容はほとんど同じです。

飲食店の前には「盛り塩」がよく置いてある。

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日本の「盛り塩」の風習は奈良・平安時代には既にあったとされます。それなら貴族などが、この頃は通い婚で、源氏物語の光源氏のように、女性のもとへ通っていたのだから、日本にも盛り塩で惹きつけるようなことがあったのかなと思いますが、その当時は男性を惹きつけるためのこの風習はなく、客寄せ、縁起担ぎ、厄除けなどの目的だったらしい。

脱線ですが、平安時代には貴族の乗り物には牛車が使われていましたが、どうしてもっと早くて機敏な馬を利用しなかったのでしょうか?それは馬の方が気が弱く、少しのことに驚きやすい性質がありるのに対して、牛は遅いが、少々のことには驚かず、安定しています。また貴族の乗る駕籠は早く走ると不安定で心地よくない事情もありました。それで、この時代貴族は、そんなに急いで行くこともないので、安定のある牛に引かせてゆっくり駕籠に乗っていたのです。

平安時代の牛車

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上記のような中国の話は風説で、本当は日本では、神事や葬送儀礼からの由来ではないかとする説もあります。葬送儀礼においては、葬式後にお清めの塩を撒く風習があります。神道では、神棚に神聖な盛り塩を供える風習があります。このことは、塩が清浄や生命力を強くするといった意味合いがあるからのようです。

お清めの塩

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日本では、今でも家によっては、玄関、トイレ、庭先、部屋の四隅などに盛り塩を置くことがあります。これらは神道や風水の影響があります。一定期間で塩は取り替えます。塩は災難や邪気を祓う力があると考えられています。盛り塩は邪気を寄せ付けない働きにより、入り口の塩によって、その家・お店などへの邪気の進入を拒むからです。また邪気を祓うだけでなく、料理屋などでは、掃き清めた入口に縁起を担ぐ塩を円錐形に盛って、客の入りが良いことや、清め塩の意味として縁起を担ぎます。この場合、盛り塩と言う言い方だけでなく、清め塩、盛り花、口塩(くちじお)、塩花などとも言うらしい。また何かを作る時に、地鎮祭では、四隅の盛り塩をします。神事においては、「清めの供え塩」というものがあります。日本の国技の相撲では、勝負の前に、塩を撒いて土俵を清める習慣が今でもあり、中継のテレビでも見れます。

地鎮祭では塩で周囲を清めます。

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相撲では勝負の前に土俵へ塩をまきます。

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●サラダは塩からの言葉だった。

私は毎朝パンとサラダを食べています。このサラダって、どこで食べてもだいたいが塩っぽいですね。それもそのはず、このサラダという言葉は塩の意味から派生した言葉なのです。もともとラテン語では塩のことをサルsalと呼んでいました。このsalから様々な言葉が派生しました。例えばサラーリーマン(salary man)がそうです。サラリーマンは和製英語ですが、そのサラリーsalary(給料)は塩salからです。古代ローマでは、兵士の塩代のことをラテン語でサルsal(塩)にちなんでsalariumといい、これがsalaryサラリー(給料)となったのです。塩と同じくらい貴重なものという意味で、給料salarium が使われていたようです。

さてサラダ(salad)ですが、これもsal(塩)からです。塩っぽいものと言う意味からsalから派生した言葉が多くあります。このサラダもそうですが、saladと書いてあるのになんで日本ではサラダと呼ぶのだろう。これはポルトガル語のsaladaからきたからです。サラダは、パンやカステラなどともに、ポルトガルからの伝来品で、「-ada」という語尾は、ポルトガル語では動詞の過去分詞形を現し、塩っぽくされたものの意味になるとのことです。 当時ドレッシングなどなく、野菜に塩っぽくしたものをsaladaと読んでいたようです。

サラダはたいてい塩っぽい味付けです。

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salad, salaryの他にも、sal塩から派生した言葉があります。例えば下記のようなものです。

sauce(ソース)、sausage(ソーセージ)、salami(サラミ)、salt(ソルト塩)、soldier(ソルジャー:兵士:塩をもらう人)、ソーサーsaucer(ソースの調味料入れ-->受け皿)

いずれも塩っぽいものですね。上記の一部はフランス語、イタリア語経由ものもあります(仏:sauce、sausage、伊:salami)。

ローマの兵士は塩を買うためにsalaryをもらっていた。

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●宮城県の塩竃(しおがま)市は塩の神様からの名前だった。

さて日本語の「」はどこから来ているのでしょうか?これは「白穂(しらほ)」という言葉から塩になったという話があります。確かに製塩したばかりの塩は、まるで白い穂のように、柔らかそうで、ふわっとした形です。

日本において、製塩は、ヨーロッパ、中国にと同様な古い歴史があります。「古事記」のなかに「シオツキノオキナ(塩土の翁)」という人が登場しますが、この人が製塩を始めたとされており、これが日本で製塩にかんする最も古い記録です。シオツチノオキナは全国にある「塩竃(しおがま)神社」に祀られていて、宮城県の塩竃(しおがま)市はその門前町でした。

塩竃(しおがま)神社はシオツキノオキナ(塩土の翁)を祀ってある。

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ちょっと調べてみましたら、万葉集には「藻塩(もしお)焼き」という製塩と思われる手法が記載されていて、藻塩(もしお)焼きがされていたことがわかります。この「藻塩焼き」とは、海草に海水を何回かかけて、天日乾燥させ塩を出したものではないかと言われています。また「百人一首」にも、「藻塩焼き」の歌がありました。

「来ぬ人を まつほの浦の 夕凪に 焼くや藻塩の 身もこがれつつ」(藤原定家)

このように古い歌にも読まれていることは、って昔から人間とって大切で、みじかなものだったのがわかります。もう少し後になると、は時の権力者が関係し、管理するようになります。忠臣蔵(赤穂浪士)の話も、実は塩が絡んだ因縁話であるとの説もあります。浅野内匠頭の領地である赤穂(現在の兵庫県赤穂市)と、吉良上野介の領地・吉良(現在の愛知県吉良町)は、じつは両方ともに塩の名産地として知られていました。そしてその利権や製法を巡って、双方とも前から反目しあっていた間柄でした。江戸城で、上野介が内匠頭を、面前で恥をかかせるようなことをしたのも、そうした長い間にわたる確執が背景にあったのではないかといわれています。

このようには大切なものでしたので、近代になってからは、塩は専売制になりましたが、世の中の自由化、民営化に伴い、今では専売制はなくなりました。

●塩関連の「ことわざ」

さて、せっかくのことを書いていますので、少しだけ塩を含むことわざ、慣用句を紹介します。他にもありますが、これは代表的なものだけです。

<塩のことわざ>

・青菜に塩(あおなにしお)

青菜に塩をかけると、葉や茎に含まれた水分が外に吸い出され、しおれてしまうことから、急に元気をなくしてしょげるさまを言う。

・痛む上に塩を塗る
(別表現:傷口に塩(きずぐちにしお)

痛い傷口の上に塩を塗れば、よけいしみて痛くなることから、悪いことの上に、さらに悪いことが起こって辛さが増すこと。

・しおらしい

態度が控え目で、慎み深く、可愛らしいことをいう。昔、塩がなかなか手に入りにくかったころ、百姓の女たちは、出陣する武士が持つ塩包みに目をつけて、しばしば言い寄った。しかし女性たちの様子はいかにも恥ずかしそうで、塩欲しさのの言い寄りとすぐに見破ることができた。「しおらしい」とは、「この塩が欲しいんだなとすぐわかるような態度」が転じた言葉です。

・敵に塩を送る

敵対する相手が困っている時に助けの手をさしのべることのたとえです。戦国時代、武田信玄は、塩を輸送している道を敵の今川氏に閉ざされ、塩の欠乏に苦しんでいた。それを見た、海に近い上杉謙信は、宿敵の信玄を攻める絶好の機会にあえて戦をせずに、逆に信玄に塩を送って助けたという話です。この話が語り継がれ、このことわざとなりました。

宿敵の武田信玄に塩を送った上杉謙信。

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・手塩にかける

自ら子供などを世話をしていつくしみ育てること。自分の手で、塩をふって時間をかけて漬け込む漬物や、いっぱいに手に塩をつけて握りしめるおむすびのように、手に塩をつけて丹念にものを作る行為には、愛情が込められていることからのたとえです。

・塩を踏むー苦労して一人前になること。

・地の塩

塩は食物の腐るのを防ぐことから、少数派であっても、批判的精神を持って生きる人をたとえていう。「それでも私は地の塩になる」などという。

・よい塩梅

塩梅」(あんばい)という言葉は「塩」と「梅酢」からできた言葉です。昔、味噌や醤油、酢などの調味料がなかった時代に、調味の基本は塩と梅酢だけでした。いろいろな料理の味は、塩と梅酢の調合、、さじ加減で決まったので、味つけのことを塩梅と言うようになりました。それが体の調子など具合にも使われるようになったのです。

<塩:英語のことわざ>

・take〜 with a grain of salt 「〜を割り引いて聞く,まともに受けない」

直訳では「〜を一粒の塩をといっしょに受け入れる。」です。しかし上記のような意味になります。
例文: We take his talking with a grain of salt.
私たちは彼の話は割り引いて聞いています。
a grain of salt の代わりに  a pinch of salt 「一つまみの塩」のでも可。

・worth one's salt 「その給料に見合うだけの働きのあるー非常に価値がある」

直訳すると、塩の価値があるですが、上述の意味になります。
例文:I can not find the person in this company worth their salt.
給料に見合う働きをしている社員は見当たらない。

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人間は塩を必要品として生きてきたので、塩の話題はことかきません。 我が家にはヒマラヤの山の上で採れたピンク色の岩塩があります。その都度、種々の料理にすった塩を、天ぷらなどにふりかけています。塩って海にも山にも、はては湖にもありますね。残念ながら、日本ではあまり見られないような、天然の塩だらけの風景をまだ見ていません。

世界には塩湖が沢山あります。すこし前に、ボリビアの4000mの山の上にある「ウユニ塩湖」をテレビで見ました。ここは普段は塩だらけの土地ですが、雨季の時期には、塩の大地に水が張られて、塩湖そのものがまるで鏡のように見え、とても幻想的な風景でした。最近は日本からの旅行客も増えているそうです。他にも、イスラエル・ヨルダンに挟まれた、海より低いところにある塩湖「死海」があり、アメリカの中央部・ユタ州の砂漠にはには、大きな塩湖「グレート・ソルト・レーク」と、この名前に由来した町「ソルト・レーク・シティ」があります。さらに中央アジアには、世界一大きい塩湖である「カスピ海」があります。でもこんな塩だらけのところでは、どうやって人は住むのだろうと思います。

鏡のようなボリビアのウユニ塩湖の絶景

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どうもだらけで、口の中がちょっと塩っぱくなってきましたので、このへんで塩の話はやめておきます。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
料理する時、塩の量で味を引き立てたり、まずくしてしまうことがあります。子ども時代に言われた”うまいまずいは塩加減 ””塩たらず ”を思い出しました。塩は安価なため軽く見られがちですが、私達の生活と密接な関係がある事を学び大切さを再認識しました。沢山の話題楽しかったです、有り難うございました。
Anne
2012/06/03 14:24
Anneさん
塩梅とはよく言ったものですね。確かに塩加減で料理の味はかなり違ってきます。その塩も海水から作ったミネラル豊富な美味しいものがあります。岩塩も同様です。しかし良いものは高くてやたらには買えません。日本では、砂糖は近世になるまで無かったとか。しかし塩は昔からあり、利用りていたので歴史は古く、ことわざが多いですね。逆に、砂糖のことわざは少ない。今の日本は甘いものが喜ばれ、塩っぽいものか敬遠されているようで、少し寂しい気がします。
Jack
2012/06/03 16:50
盛塩がネガティブを除いてくれることは知っていましたが、沢山の話があったのですね。私の使っている塩は、なんともいえないエネルギーを感じるものなんですよ。盛塩を作ったときの清々しさや、塩おにぎりは格別です。いろいろな使い方もあるようで「塩」の素晴らしさをみなおしたいものです。興味がありましたら、「美宇の塩」で検索すると出てきます。
ayumiki
2015/10/19 11:41

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