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zoom RSS ジョンブルとアンクルサム;国の顔とは

<<   作成日時 : 2012/03/14 22:43   >>

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最近アメリカのアカデミー賞で主演女優賞に、メリル・ストリープが選ばれました。映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で、第84回アカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープは、フィリダ・ロイド監督とともに最近来日しました。同映画はイギリス史上で初の女性首相である、マーガレット・サッチャーの人生を描いています。男性社会の中で生きた彼女は「鉄の女」と呼ばれるほど強い信念を持っていて役割を遂行したそうです。現在86歳のサッチャー元首相は、今は認知症と闘っているそうです。映画の主役のマーガレット・サッチャーをメリル・ストリープが、また彼女も出演したミュージカル「マンマミーア!」(2008年)でメガホンを取ったフィリダ・ロイドが同じく監督を務めています。私もマンマミーヤは劇場で見て楽しい映画だな、メリル・ストリープは素晴らしい女優だなという印象があります。

マーガレット・サッチャー元首相(左)と彼女を演じる主演女優のメリル・ストリープ。とってもよく似ています。

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さて典型的なイギリス人を「ジョン・ブル」と呼びますが、サッチャー女史は女性ながらこの「ジョン・ブル」のようなところがあります。各国、各地にはその土地のお国柄、特徴を反映した象徴的な人間像があります。アメリカ人は「アンクル・サム」に象徴されます。サッチャー元首相から連想して、今回は「ジョン・ブル」と「アンクル・サム」を中心に人物像について書いてみました。

●ジョン・ブル(John Bull:英国)

ジョンブル」(John Bull)とは日本でいう「山田太郎」のような、典型的なイギリス人を指す俗称です。スコットランド人の医者で諷刺家、アーバスノット(Dr. John R. Arbuthnot;1667−1735)のホイッグ党の軍事政策を風刺した「ジョンブル物語」(1712年)に由来すると言われます。主人公の「ジョン・ブル」はイングランドの象徴的な人物で描かれ、率直で、常識と行動力に富んでいて、楽天的な人物、という特徴です。Johnはイギリスではありふれた男性の名前であり、牛(Bull)のように無愛想で強情だが「率直なよさ」をふくんでいるイギリス人を現しています。

一般的な「ジョン・ブル」の顔かたちは、背の低い男性像で、その服装は夜会服に正装の半ズボン、ユニオンジャック柄のウェストコートです。ジョン・ブルが頭にかぶっている大きなトップ・ハットはジョン・ブル・トッパーとして紹介されています。片手にステッキを持っていることもあります。この後、ジョン・ブルのイメージとして描かれた、第1次世界大戦の新兵募集のポスターでの風貌、服装が一般的になってきました。

よくイギリス人のジョン・ブル魂が言われます。不屈の精神を持った、本当の意味でのイギリス人という意味で使われる言葉となっています。これは良い意味で使われる事が多いのですが、イギリス人が自分たちだけが「文明人」であり、他国の人間や文化を認めないという態度の時も 「ジョン・ブル魂を見せてやる!」と言う風にも使われます。サッチャー元首相も女性ですがジョン・ブル魂があったように思います。

日本にもジョン・ブルがあります。それは、岡山県倉敷市児島に本拠を置くジーンズメーカーのジョンブルです。ジョンブルのデザインが英国風ですが、日本生まれで50年の歴史を持つジーンズブランドです。

「ジョン・ブル/John Bull」を表現した典型的な絵

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国産のジーンズ「ジョン・ブル」

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●アンクル・サム(Uncle Sam:米国)

アメリカで有名なおじさん、アンクルは、「アンクル・トム」と、「アンクル・サム」があります。「アンクル・トム」はストウ夫人の小説「トムじいの小屋」(Uncle Tom’s Cabin)です。「アンクル・サム」は、アメリカ合衆国を擬人化した架空の人物です。アメリカ合衆国のシンボルであり、一般的にアメリカ人をさす言葉となっています。

この典型的なアメリカ人を指す言葉として「アンクル・サム」(Uncle Sam)という人物像はどこから来たのでしょうか? 実はこのUncle Sam という呼び名は、ある実在の人物の名前からきていると言われています。その人物の名は Samuel Wilsonという人です。アメリカ独立戦争の1813年に、ニューヨークのお肉屋さんだった彼は、軍への食料供給に大きく貢献していました。そこで、軍に支給された肉の樽に、スタンプされた "U.S." の文字を見た人達が、"US=Uncle Sam"として、このお肉屋さん のWilson とこじつけた、という由来があります。これはイギリスの"John Bull" に対抗して作られたキャラクタのようです。もともとアメリカ建国当時には "Brother Jonathan" というアメリカ人を象徴するようなキャラクターがあったのですが,"Uncle Sam"は次第にこれを凌ぐようになりました。そしてUncle Samアメリカ人、アメリカ、さらにはアメリカ政府を指すようになりました。さらに南北戦争の後、アンクル・サムには、リンカーン大統領に似た髭がつけられるようになりました。現在、自由の女神像以外では、アメリカを象徴するキャラクターとしては、アンクル・サムがもっとも有名となっています。なおアメリカ合衆国を象徴する女性のキャラクターとしては、「コロンビア」があります。

その後、1次世界大戦の新兵募集ポスターにも使われて、その容貌、服装は次の通りでした。それは、星条旗デザインの紺のジャケットを着て、シルクハット(top hat)をかぶり,赤と白の縞ズボンをはいた白髪に山羊ひげ(goateeの初老の白人男性でした。なお、使われている3色は星条旗にも使用されている色です。

Uncle Samが定着してくると、1961年、アメリカ合衆国議会は、「ニューヨーク州トロイのアンクル・サム・ウィルソンを、アメリカ合衆国のシンボル”アンクル・サム”の起源として称える決議」を採択しています。また、このウィルソンの生誕地であるマサチューセッツ州のアーリントンに、ウィルソンのモニュメントが立てられました。

新兵募集の"I WANT YOU FOR U.S. ARMY" のポスターのアンクル・サム

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Uncle Samは映画の中でも出てくることがあります。例えば『ウエストサイド物語』の中で、プエルトリコ移民の不良グループ、シャーク団のリーダー、ベルナルドが、アメリカに憧れを持つ女性メンバーをに向かって向かって次の言葉を言っていました。この後、あの有名な曲「アメリカ」が出てきて、全員がダンスと歌で情景を表現します。

"She has given up Puerto Rico, and now she's queer for Uncle Sam."
(プエルトリコを諦めて、今ではすっかりアンクル・サム(米国)にご執心なんだな。)

ディズニーのUS限定のDisney Bear Duffy。アメリカ独立記念日バージョンのダッフィーはアンクル・サム風に変身!

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アンクル・サムにもいろいろな像があります。ここで見れます。

http://www.sonofthesouth.net/uncle-sam/uncle-sam-pictures.htm

さてちょっと余談ですが、Uncle Samが出てくる硬貨がありました。第二次大戦中の1942年半ばから1945年にかけて、戦時用の合成ニッケルが作られました。そのコインは、銅、銀、マンガンでできていて、ニッケルは入っていませんでした。一時的にニッケルが使われていない特別バージョンの5セント硬貨のことを、"Uncle Sam's nickel "と呼んでいるそうです。

●ヤンキー(Yankee:米)には意味がいろいろある。

さてアメリカのアンクルサムはやや古く、現在の多様な民族国家になった現状では、一般的なアメリカ人とややかけ離れてきています。しかし「ヤンキー」(Yankee)という言葉は使われています。ヤンキーは、アメリカ東部のアメリカ人やアメリカ人全体に対するニックネームですが、いろいろな意味があります。

ではなぜアメリカ人がヤンキーとなるのか? それには歴史的な由来がありました。昔イギリス人がアメリカ人を少し馬鹿にするような時に使われていた言葉が「ヤンキー」でした。まだアメリカがイギリスの植民地だった頃、ニューヨークあたりにはオランダ人が多く住んでいて、プライドの高いイギリス人達はオランダ人を田舎者だと軽視していた。このオランダ人に多かったのが「ヤン」と言う名前でした。それでイギリス人は同類項の連中と言う意味で、オランダ人全体をを「ヤン」と呼んでいた。それが次第に「ヤンキー」と言う呼び方に変わってきて、ついにはアメリカに住んでいるすべての人達をヤンキーと呼ぶようになってしまったのです。現在、アメリカ人自から自分を「ヤンキー」と呼ぶことがあり、ヤンキーは元来「オランダ人」を意味していた言葉だったのです。

さて、ヤンキーについてはいろいろな意味がありますが、下記のように面白い言葉があります。

・To foreigners, a Yankee is an American. (外国人にとってはアメリカ人を意味する)
・To Americans, a Yankee is a Northerner. (アメリカ人にとっては北米人を意味する)
・To Northerners, a Yankee is an Easterner. (北米人にとっては東部の人を意味する)
・To Easterners, a Yankee is a New Englander. (東部の人にとってはニューイングランドの人を意味する)
・To New Englanders, a Yankee is a Vermonter. (ニューイングランドの人にとってはバーモントの人を意味する)
・And in Vermont, a Yankee is somebody who eats pie for breakfast. (そしてバーモントの人にとっては朝ご飯にパイを食べる人を意味する)

そういえばNew Yorkの大リーグ野球チームもYankeesでしたね。これもNew York周辺をイメージしての名前と思います。


野球チーム"Yankees"はNew Yorkを本拠地としている。

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●名無しの権兵衛は"John Doe" 「実名不明のときに付けるの男性の仮名」

今まで書いたのは特定の皆が認知している人物像ですが、新聞などで、「海から土左衛門が上がった、身元不明で名無しの名無しの権兵衛の状態です」というような報道があります。誰とも分からない人(死体)はなんて言うのでしょうか?

これに相当する英語は"John Doe"(ジョン・ドウ)です。英語のニュースでもこの言葉は出てきます。"John Doe"は必ずしも死体である必要はありません。生きていても"John Doe"です。女性なら"Jane Doe"(ジェーン・ドウ)です。また子供である場合は"Baby Doe"となります。"Doe"自体に架空の姓の意味があるようです。Johnは、ありふれた男性の名前であり、女性の場合のJaneもありふれた名前です。「名無しの権兵衛」が俗語の域を出ないのに対して、「John Doe:ジョン・ドウ」は法的な裁判でも仮名として用いられることもあります。同様に「リチャード・ロウ」(Richard Roe)が用いられることもあります。これはアメリカが多く、イギリスでは"Joe Bloggs", "John Smith"などが使われています。

こんな名前で呼ばれるようにはなりたくないですね。

Jane Doe:こんな小説まであります。

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ここではアメリカ、イギリスの場合の限定して書きましたが、世界各国ともJohn Bull, Uncle Sam、山田太郎に相当する名前があるそうです。こうしたことは世界共通なのですね。サッチャー元首相はなかなか良い言葉を残しています。私が知った興味ある彼女の言葉をいくつか書いておきます。

<鉄の女;マーガレット・サッチャーの言葉>

・「言ってほしいことがあれば、男に頼みなさい。やってほしいことがあれば、女に頼みなさい」

・「私たちは後戻りをしてはならない。立ち止まった姿を世界に晒すことも許されない。そう、前に進んだときにこそ未来が約束されるのだ」

・「いかに準備万端でも、想定外のことは起こる。」
(The unexpected happens and you'd better prepare for it.)
サッチャーの法則と言われていています。マーフィの法則に似ています。

日本にも「大和魂」とか、女子サッカーで有名になった「やまとなでしこ」、地方では鹿児島の「薩摩おごじょ」などの言い方があります。それぞれの国、地方の特徴、民族性を現していて面白いですね。しかし今では現状に合わなくなって、死語のようになっているものもありますが、現状に合うような人物像や呼び方が、どこもなかなか出てこないようです。

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コメント(2件)

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John Bull, Uncle Sam, Yankeesの由来、面白いですね。昨日”The Iron Lady"見てきましたが、Jackさんがおっしゃっていたように、サッチャーさんは、不屈の精神にあふれた、本当の意味でのイギリス人のJohn Bull魂の持ち主だと思います。彼女の沢山の語録からもその精神が感じられました。
Anne
2012/03/18 11:08
Anneさん
どこの国にも典型的な、その国を象徴するような人物像があるようです。サッチャーさんは、イギリスの古き良き時代を象徴しているような強い女性でした。ただ今は認知症でその当時の思いも鈍くなっていることでしょう。おうおうにして、現役時代がしっかりしていた、強かった人ほど認知症にかかりやすい感じを私は持っています。したがって、私もしっかりするだけでなく、今は適当にボケたり、まあーいいか!という気持ちをもって暮らしています。
Jack
2012/03/18 16:58

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