Jackと英語の木

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zoom RSS 「けんもほろろ」/「頭隠して尻隠さず」;日本の国鳥「雉子;キジ」の話

<<   作成日時 : 2012/03/05 22:52   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 1

最近、私の家の近くに3羽の雉子(キジ)が住み着きました。そのうち1羽は子供で、あとは雌のキジです。今のところ雄のキジはまだ見ていません。どこかにいると思います。この近所には結構、林や草むらが多く、緑が多いので、鳥はいろいろといます。雀(sparrow)、鳩(pigeon)、カラス(crow)など、家のすぐ近くにねぐらを持っていて、夜になるとどこからか戻ってきて、寝ています。そのねぐらがどこにあるかも私は知っています。春もすぎてくると、うぐいすも来て鳴きだします。夏になるとまた違う鳥が鳴きます。

少し前のあるとき、家の近くの雑木林の草むらから、2羽の今までに見たことがない茶色の鳥が、急に私の歩くすぐ前に出てきました。私とぶつかりそうになっても飛び立つ様子はなく、ただあわてて走っていました。変な鳥だなあ!としばらく眺めていました。その後数日して、また同じ場所から、今度は3羽(1羽は子供)が出てきました。やはり茶色の羽でカラスよりも丸く、やや大きい感じです。草むらからはみ出した地面を、さかんにつついていました。何か食べ物があるのでしょう。そうしたら鳩が数羽やってきて、同じようにそこをつつき出しました。両方の鳥共、私がわずか1m横に来ても知らん顔で、何かをつついて食べていました。この辺の鳥は一般的に人を恐れていなく、特に私は近所の鳥達には顔を覚えられているようで、警戒する感じはありません。

近くの人に聞いてみたら、やはりこの鳥を見ていて、雉子(キジ)ではないかと言っていました。調べてみたらやはりこれは雉子でした。雉子は里の草むらなどの多く住み着いているとのことですが、ここは山里と似たような環境にあるのかと思いました。せっかく雉子が近くに住み着いたので、今回は雉子をめぐる話にします。

●雉子(キジ:Pheasant)とは:

この鳥の大きさは、約80cm(雄)、60cm(雌)で、尾が長く、ニワトリ位の大きさの鳥です。日本では本州・四国・九州に分布しており日本雉子と呼ばれています。他の国にも類似の雉子がいます。雄は頭から首、胴まわりが濃い緑色で、繁殖期になると、ハート型の赤い顔になり、「ケーンケーン」と鳴き、羽をばたばたしながらながら雌を求めます。雌は茶色の羽をしています。雉子の雌は、数羽が行動を共にすることがあるそうです。昔話の「桃太郎」など、この鳥はいろいろな物語に出てきます。雉子は巣の卵をとても大切にする習性があります。この鳥は原則、ほとんど飛ばない鳥です。したがって私が近づいても、飛んで逃げなかった訳ですね。現在のすぐ前の、一万円紙幣の裏面に2羽キジが描かれていました。それは1947年に、キジ日本の国鳥になったためです。でも国鳥であっても狩猟が許されている、現在もその味が美味しいので食されているという、何とも不幸な鳥で、国鳥としては世界でもめずらしいことになっています。

雄のキジ:緑色の胴体と茶色の羽、ケーンケーンと泣いてほろろ打ち(羽音)をする。ことわざ「けんもほろろ」の由来になった。

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雌のキジ:オスより小さく、茶色の羽。

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新旧の1万円札の裏面:上の古いほうが雉(きじ)の絵で2羽いる。下の新しいしいほうが宇治の平等院の鳳凰の絵。

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昔から日本人とともに暮らしてきたせいか、雉子(キジ)にはことわざや慣用句の類が多くあります。それではいくつかを以下に紹介しましょう。

<キジのことわざ/慣用句>

●「けんもほろろ」はキジの鳴き声と羽の音からです。

ケーンケーン」と雄は鳴きます。そのあと羽をバタバタするのを「ほろろ打ち」といい、「けんもほろろ」という言葉は、この鳴き声と羽の「ほろろ」に由来しています。その声が遠くから聞くと、なんともつっけんどんに聞こえるようです。また「じゃけんにする」という言い方があり、その「けん」からとか、「突っけんどん」、「けんどん(慳貪)」の「けん」や、「けんつく(剣突)」の「けん」に、キジの鳴き声の「けん」を掛けたものと、羽音と組み合わせて、「ケンケン・ホロロ」に置き換えたものといわれています。それで「無視するような取り合わない態度、無愛想な態度」のことを「けんもほろろ」というようになりました。

●「頭隠して尻隠さず」はキジの焦った時の習性からだった。

また、「頭隠して尻隠さず」ということわざは、草むらに隠れたつもりになった、キジの様子に由来している。キジは草むらに隠れたつもりでも、下半身が出ているのに気付かないことから「頭隠して尻隠さず」の言葉ができました。確かに私が見ていても、頭だけ草むらに隠れて、長い尻尾が見えていた時があり、「それではすぐ見つかるよ」と言いたくなりました。これは「悪事や欠点などの一部のみを隠して、全体を隠したつもりでいること」のたとえです。


これに似た英語のことわざがあります。

・The foolish ostrich buries his hand in the sand and thinks he is not seen.
愚かな「ダチョウ」は頭を砂の中に隠し、他から自分の姿を見られていないと思っている。

別な英文では:
・He is hiding his head like an ostrich.
彼はダチョウのように頭を隠している。

ダチョウは身に危険を感じたり、追いかけられたりすると、恐怖のため穴を掘り、頭を隠して体は外にはみ出たままの格好をすることがあります。心理学ではこのようなことを an ostrich syndrome という用語で呼んでいるらしい。 またOstrich Policy(Politics of the Ostrich)という言葉があり、「ハッキリしない・どっちつかずの政策・政治または方法」のことを言います。

Ostrichは追っかけられると穴を掘って頭だけ隠す。キジも似たような行動をする。

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●「朝キジが鳴けば雨、地震が近づけば大声で鳴く」ーキジの地震予知能力

キジには「朝キジが鳴けば雨、地震が近づけば大声で鳴く」といった地震予知能力ある言われます。キジは地震などの災害を予知し、その時は「ケーンケーン」とけたたましく鳴くことで知られています。これはキジの足の裏に「ヘルベスト体」という震動をとても敏感に感じとる感覚細胞があり、人の体では感知できないような微妙な地震の震動を、人間より数秒以上早く感じ取れるからだと言われています。他にもドジョウなどが地震予知能力があると言われています。

●「キジも鳴かずば打たれ(撃たれ)まい」

キジも鳴き声を上げなければ、居場所に気づかれて撃たれることもないのにという意味。無用な発言さえしなければ、自ら禍(わざわい)を招くこともないということ。同様な意味のことわざには下記があります。

・「口は禍いの門(くちはわざわいのかど)」
・「鳴く虫は捕らえられる」


さてこの「キジも鳴かずば打たれ(撃たれ)まい」には、各地にいろいろな由来の話が残っています。その一つで長野の昔話を書いておきます。

昔々長野のある地方で、大雨が降り続き、村の橋は架けても架けても流されてしまった。とうとう村人たち集まって、こう提言したのでした。「こんなに大雨が降るたびに橋が流されるのは、村のうちに不心得な者がいるせいだ。水神様の怒りだから、怒りを鎮めるために橋の下に人柱ひとばしらを立てる必要がある。」

それで村の娘のお菊の父親は、いろいろないきさつの後、とうとう橋のたもとに生きたまま埋められてしまった。お菊はそれから夜ごとに泣き続けて、泣き声は村人の心をかきむしった。こうして幾日かたったある日、お菊はぷっつり泣くのを止め、ひと声も出さなくなった。

それから何年かして、お菊は美しい娘になった。秋の夕暮れ、お菊は橋のたもとにじっと座っていたとき、ひと声キジが鳴き、近くからすかさず鉄砲の音がした。そうしたら撃たれたキジがお菊の頭上にバサバサと落ちてきた。お菊がキジを抱いたところ、今まで閉じられていた唇を開いて、「かわいそうに!お前も甲高い声で鳴いたりしなければ、撃たれることもなかったのに。わたしもひとこと言ったばかりに父を殺してしまった」とキジを優しくなでた。 猟師が駆け寄り、「お菊、おまえは口がきけただか!」と叫んだが、お菊は振り返りもしないで、林の中に消えていってしまった。その日からお菊の姿は村から消え、だれ一人見た者はいなかった。


悲しい物語の中に、キジも「鳴かずば撃たれまい」の言葉の由来がありましたね。他にも違う傾向の民話もありますが、いずれも悲しい物語です。

キジもこんな草むらで密かに居れば撃たれないものを、ケーンと無くから撃たれてしまう。

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●「雉うち(きじうち)」ー山登りの人などのご存知の生理的な行為

今度はことわざではありませんが、面白い言い方なので書いておきます。登山用語で山で排泄することを「きじを撃つ」といいます。大小の区別があり、「大きじ」(親きじ)「小きじ」(子きじ)と表現し、オナラも「空きじ」と言ったりするそうです。「きじ撃ち」の由来は、放尿した時に、近くにいたキジが驚いて飛び出したと言われ、また物陰に隠れて用を足す姿勢が、何となくキジ猟を思わせるので、そこからこの言葉が出来て、男性の隠語には都合よくて、使われるようになりました。ちなみに女性は「お花摘み」と言われています。

ある山の山小屋のトイレの注意ラベル。用のことを山では男性は雉子打ち(きじうち)、女性はお花摘み(おはなつみ)と言います。

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外国人でもアウトドアなどで、やむを得ず「立ちション」をすることがあるようで、洒落た言い方では、Watering the daisies. (ヒナギクに水をやる)と言うのがあります。またもう少し物理的、生理的言い方では、relieve myself.(自分を開放する)という言い方もあります。この"Daisy"(ひなぎく)の花は春を告げる花。このブログの中でも昨年の今頃に「ひな菊(Daisy)の花を九輪一度に踏めたら春が来た証拠」を書いています。外国で医者などに「気分はどう?」と聞かれた時などには、"I'm fresh as a daisy, thank you."(気分はいいですよ)と、ニッコリ笑って答えるのがいいそうです。

「ひな菊(Daisy)の花を九輪一度に踏めたら春が来た証拠」:(このブログ内の記事)

http://jack8.at.webry.info/201102/article_4.html

この他にもことわざとしては、「雉子(きぎし)の頓使い(ひたづかい)」ー(行ったっきり帰ってこない使者のことの意味)、「焼け野の雉子(きぎすー夜の鶴」ー(親の子に対する愛情の深さの意味)、などがありますが、あまり使われないので割愛します。

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家の近くに「雉子:キジ」が住み着いたことからの連想で、つい余分なことまで書いてしまいました。キジが近くにいるので、関東直下型地震、東海沖地震等の時は、キジが大声で鳴いてくれるといいかな?でもそんなキジが鳴くような地震はやはり嫌ですね。

 
 

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
凄い盛りだくさんの内容で、楽しかったです。家の近くの雉からこんなに面白いエピソードを書き込んで、さすがJackさんですね。雉のことわざ、長野の昔話、とりわけ登山用のトイレの注意ラベル、知らないことばかりです。そのラベルは、日本人らしい奥ゆかしい発想で楽しめました。日常生活に必要ではないかもしれませんが、おかげさまで、豊かな気分になります。
Anne
2012/03/06 23:25

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