Jackと英語の木

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zoom RSS 一隅を照らす/A good deed in a naughty worldの言葉について考えました

<<   作成日時 : 2011/08/27 18:49   >>

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私の好きな言葉に「一隅を照らす」があります。この言葉は天台宗の始祖である伝教大師(最澄)の下記の言葉の一部です。

国宝とは何物ぞ
宝とは道心(どうしん)なり
道心ある人を
名づけて国宝と為す
故に古人(こじん)の言わく
径寸十枚(けいすんじゅうまい)
是(こ)れ国宝に非(あら)ず
一隅(いちぐう)を照らす
此(こ)れ則(すなわ)ち国宝なりと

径寸とは金銀財宝のことです。要するに一人の人間として何も大きなことや目立つことをしないでもよい。どんな小さなことでもその人がすることが、一つの隅を照らし続けるようなことをする人、このような人が国の宝なのです、という意味と言われています。

伝教大師(最澄) 「一隅を照らす」の言葉を残しました

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私は昔、一生懸命していたのですが認められず、落ち込んでいた頃がありました。その時ある人が私に言ってくれたのがこの言葉「一隅を照らす」であり、さらに「しっかりと努力していればいつか何らかの形でその成果が現れますよ。またどんな地味な目立たないことをしていても必ず誰かがそれを見ているものです。」と言ってくれたのです。それから私はなんとか落ち込みから立ち直りました。また他の人でも地味ですが、しっかりといろいろなことをしている人を、それからよく見るようになりました。世の中の役に立つことは何も大きく、目立つことでなくても、小さなことでも役に立つ、価値のあることでよいのだと思うようになりました。

しかしアメリカ人などの感覚では、引っ込んでいてはだめで、自分をもっと売り込むことが大切と言うかもしれません。それはそれで正しいことでしょう。しかしここ日本で日本人相手ではそうはいかないことがまだまだあります。ひとりひとりが一隅を照らす精神でしっかりとやってきた土壌が、日本をここまで成長させてきたと思います。この精神がある限り、このところちょっと調子が悪いのですが、きっとまた日本は良くはずです。

さて目立たないけどしっかりということでは、ちょっとした話があります。先日あるところで私の少年時代と月見草の話をしました。月見草は夜になると白い花を咲かせ、明け方になるとしだいにピンク色に変わり、日中は花は萎んでしまします黄色い月見草でいわゆる宵待草と呼ばれるものもあります。こちらの方が雑草的によく見られます。

少年時代は海の近くに住んでいて、夜になると数人の子供達で蟹取り網を仕掛けるために夜出かけました。そうすると夏の夜にはうっすらと野原一面に月見草の黄色い花が月明かりに見えるのです。白い花もありました。餌を入れた蟹取り網を橋から海に下ろして縛っておき、明け方にまたそれを海中から引き上げに来るのです。そうすると日によっていは蟹や海老が丸い網に沢山入っているのです。機嫌良く家に帰る横には、もうしぼみつつある月見草がありました。夜に咲き明け方にしぼむ花はとても鮮烈な印象で、今も目に焼き付いています。露を含んだ月見草は甘くておいしく、その液をよく吸ったものでした。私があまり目立たないものに注目するようになってきた原点がここにあるような気がします。

月見草にはこんな話もあります。かって野球で有名な野村克也氏がふと漏らした言葉がです。

「長嶋、王はひまわり、私は月夜にひっそりと咲く月見草!」

長嶋、王のように太陽のもとで咲くひまわりのように世間では注目されないが、私も夜咲く月見草のように、ひそかに頑張っているのですよ、と言いたかったらしい。

この言葉を翻訳した英文記事があったので書き留めておきました。

"While Nagasima and Oh are always like sunflowers blooming in the sunshine, I am the evening primrose huddled in the shade."

ひまわりも月見草も花だけでなく、それから取れる油や健康に良いものが出来ています。アメリカのメジャーリーグ(野球)の選手を見ているとやたら口にほうばっているのがあり、それが「ひまわりの種」です。ベンチにはそれを捨てるバケツまで置いてあります。またひまわりの種にはコレステロールを減少させる効果もあるらしい。さらに月見草のオイルは昔から特殊な成分があり、皮膚病によくきき、通販などでよくお肌に良いとして月見草オイルを売っています。アメリカ先住民族では月見草から作った秘薬で病気を治していたと聞きます。

月見草:夜には白い花を咲かせます。

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明け方にはピンク色になってしぼんでしまします。

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月見草でも黄色い花で宵待草とも言われます(正しくはマツヨイグサ)

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ひまわりの種の効能について書いてあります。

http://nutssun.com/sunflowerseed.htm

月見草(マツヨイグサ)の効能について書いてあります。

http://www.mit-japan.com/ndl/ndl/rinorein.htm

私はこの「一隅を照らす」という言葉をなんとかしてうまく英語に直したい、もしくはこれに相当することわざのようなものを見つけたいと思ってきました。しかし私が自分で作った英文はどれもこの意味を捉えていず、なにか間の抜けた文になってしまった。最近イギリス文学関係の本を読んでいたら、シェークスピアの「ベニスの商人」の中で言っている名言がこれに近いと思うようになり、ちょっと紹介します。

"How far that little candle throws his beams! So shines a good deed in a naughty world."

あんな小さなロウソクの光がなんとここまで届いている! これと同じように善い行いはこの汚れた世界で輝くんだわ。
(シェークスピア「ヴェニスの商人」第5幕1場)

昼間はロウソクをともしてもその光は見えない。太陽の光にはかなわないのです。強い光によりロウソクのような弱い光は消されてしまいます。しかし夜になればそんな光でも闇を貫き一隅を照らします。今ではこの部分の言葉は名言となっています。

この言葉が出た背景は、シェークスピアの「ヴェニスの商人:Merchant of Venice」でポーシャ(富豪の娘、裁判官に化けてアントニオを救う)がアントニオ(ヴェニスの商人)の命をシャイロック(ユダヤ人の高利貸し)の復讐から救う場面があります。アントニオの人肉1ポンドを切り取るとき、1滴の血も流してはいけないとの有名な裁判の場面です。そのアントニオの命を救ったあとに、ポーシャが家に戻ってきたとき目にしたのが、このロウソクの光です。暗い家の中にロウソクのあかりがともっている。それが助けたアントニオの命のように見え、ポーシャには善行のよきしるしにも見えたのでした。彼女の良き行い(good deed)が汚れた世界(Naughty world)をも照らているように見えたのです。

下記のサイトにこの部分を含む英文が出ています。中段あたりのPortiaの英文です(ヴェニスの商人)。

http://www.enotes.com/merchant-of-venice-text/act-v-scene-i

「ヴェニスの商人」は 2004年に映画化された。


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アントニオの肉を正に切り取ろうとする瞬間。このあと裁判で逆転する。

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これは少し「一隅を照らす」と意味合いが違いますが、細々としたロウソクのあかりでも、ある時になればしっかりと世の「一隅を照らす」ことでは共通しています。今年の東日本大震災で、当家も時々停電になり、何回か暗い家の中でロウソクをともしました。そのときは暗闇でやることがないので、何となくボーとその光を見ていたのですが、電気のデジタル的な無味乾燥な光と違い、ロウソクのアナログ的なちらちらとたえず変化するあかりは生きているようであり、私たちを励ましているようでもあり、ロマンチックでもありました。私たちが慣れっこになっている便利な生活には、空気や水のように、いつでもある思っているものが何かで急に無くなるとなんと、人は意外と無力なんだと感じました。

ゆらゆらと揺れるロウソクのあかり

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今回は少し私の思いを入れて書いたので、ちょっと堅苦しいところがあるかと思います。私はこの「一隅を照らす」の精神でこのブログも書いています。大げさに書いて目立だつようにしなくてもよい、付和雷同するような記事にせず、しっかりと地道なことを書こうと思っています。最近調べてみたら、いつの間にかこのブログへのアクセスが急増しており、コメントは少なくても閲覧している方がとても増えているのがわかりました。Googleの検索でも、トップに抽出されるような項目がいくつかあるようになりました。見えないですが皆さんの励ましが聞こえるようです。こんなことですが、私も小さなことで少しは役立って「一隅を照らしている」のかな?。。。。

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コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
Jackさん、一隅を照らす、良い言葉ですね。シェクスピアのベニスの商人は見たことあります、紹介してらっしゃるシーン、はっきりと覚えています。"A good deed in naughty world" がその中で使われているんですね、今度見る機会がありましたら、その場面注意して見ます。どんな状況においても、この言葉を忘れずに心に留めていると、勇気、又は元気づけられる気がします。まさに名言です、有難うございました。
Anne
2011/08/29 15:40
名言と呼ばれるものにはたしかに味わえば味わうほど、その意味がますます深まり、いろいろな折に思い出しては役に立ちます。一条の僅かな光でもしっかりとしていれば、何かを照らすことができると身をもって感じたことがあります。上記の二つの言葉はあまり一般的には流行らないですが、これからも基本の心構えとしたいと思います。それにしてもシェークスピアのものは名言の宝庫ですね。ちょっとむつかしいですが。
Jack
2011/08/29 19:16
とても心に沁み入りました。伝業大師の言葉も、鼻の意味も、、深いですね。ありがとうございました。
tina
2011/09/03 11:03
Tinaさん
月見草の花がこのへんで見られず、花屋さんでも売っていません。夏になったら無性に見たくなるのは上述した実体験が今もどこかにあるのでしょうね。皆さんの好きな言葉は何か聞いてみたいものです。
Jack
2011/09/03 16:14
『宝とは道心なり』
に感銘しました。きっと誰もが一隅を照らす光る宝を持っていると感じました。
日夜朝暮に怠らず磨くべく頑張っていこうと思います。
光りたい
2016/05/15 19:14

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