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zoom RSS 「いとしのクレメンタイン」と「雪山賛歌」: アメリカの鉱山師の歌が日本の山男の歌に!?

<<   作成日時 : 2011/08/09 22:07   >>

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最近ひさしぶりで西部劇の「荒野の決闘」をDVDで見ました。有名なOK牧場の決闘の物語で、他の映画では、バート・ランカスター主演の「OK牧場の決闘」が男っぽい、いわゆるハードな西部劇なら、こちらは決闘にまつわるソフトな物語が主です。ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダが保安官ワイアット・アープを演じていて、アリゾナ州で起こった、牧場をめぐる複数のガンマンによる決闘を描いています。そしてアープと鉱山師の娘クレメンタインとの淡い恋も並行して描かれています。この映画のテーマ音楽が「いとしのクレメンタイン:Oh my darling Clementine」であり、これが日本に来たらだれもが知っている「雪山賛歌」になっているのです。

いとしのクレメンタイン」は哀愁を帯びたゆったりとした歌、それに対して「雪山賛歌」は雄々しくリズムのある歌です。今回は日米でこうも違った感じの歌になったいきさつを書いてみました。併せて歌と歌詞も入れておきましたので、楽しんでください。

この歌のオリジナルは1863年に発表されたH.S.Thompsonの"Down by the River"です。アヒルを追って川に落ちた女性を泳げなくて救えず、この女性を死なせてしまったことを強く後悔している内容の歌詞となっています。

次の出てきたのが1884年のモントローズ(P.Montrose)による学生歌として発表した「いとしのクレメンタイン」です。この歌で一気にポピュラーになってきました。その物語の内容は下に書いた歌詞通りで、基本的に映画の歌と同じ"Oh my darling Clementine"です。

さてこの「いとしのクレメンタイン」の歌には悲しい物語があります。アメリカ、カリフォルニアのゴールドラッシュは1948年に始まりました。 全米から人が押し寄せ、カリフォルニアの人口は1850年の9万人から、1860年には一躍38万人に膨れ上がった。これらの山師たちはゴールドラッシュのはしりとなった1849年にあやかって「49年組」(Forty-Niners/49ers)とよばれた。歌詞の中にもForty Ninerが出てきます。サンフランシスコのアメリカン フットボール チーム"Forty-niners"もここから命名されました。

ある鉱山師が故郷を離れ一攫千金の夢を見て、娘を連れてカリフォルニアに来ました。しかしある日、娘クレメンタインはアヒルを追っているうちに川に落ちてしまった。泳げない49年組の鉱山師はみすみす娘を死なせてしまった。それが悔しくて悔しくてという感情をこめた歌がこれです。歌詞に書かれている通りの物語です。

荒野の決闘:いとしのクレメンタイン(Oh my darling Clementine)

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ゴールドラッシュを示すカリフォルニアの地図(黄色い部分)

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サンフランシスコのアメリカンフットボール チーム"Forty-Niners"49ers
ゴールドラッシュの年の49年組を現す。


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50度もあるバーボンウィスキー"Clementine"

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いとしのクレメンタイン」の内容をがらりと山男の歌に変えたのは、京都の旧第三高等学校(あとで京都大学に併合になる)の山岳部のメンバーです。1926年(大正15年)1月京都大と東京大の山岳部が、新潟県の山で懇親合宿を行いました。合宿の後、西堀栄三郎(のちの第一次南極越冬隊長)などが鹿沢温泉へ行きました。ところが宿についたあとで猛吹雪になり、紅葉館という旅館に閉じ込められてしましました。

それから退屈まぎれに「山岳部の歌」を作ろうと言うことになり、曲を当時の英語の教師エルダーがいつも英語で歌っていて、すっかりなじみになっていた「いとしのクレメンタイン」とし、これに合わせて皆で歌詞を持ち寄って作り上げました。こうして吹雪の温泉旅館内で生まれたのが「雪山賛歌」です。

その後鹿沢温泉では、これを記念して「雪山讃歌の碑」として、台字を西堀氏の直筆にして、大きな岩に掘り、鹿沢温泉に石碑建立しましたた。

雪山賛歌を作った西堀栄三郎

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雪山賛歌の石碑(鹿沢温泉)

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鹿沢温泉の「紅葉館」;西堀英三郎達が泊まってここで雪山賛歌を作った。

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故郷を離れて一攫千金を狙うゴールドラッシュの山師にまつわる悲しい歌と、世間から離れて純粋に山を目指す山男の歌、また「荒野の決闘」の保安官の淡い恋心を現す歌は、一見どこか違うようですが、メロディは共通であり、男のロマンという共通の心情があるような気がします。こんな訳なのか、替え歌になってもいまだに日米でこよなく愛されています。


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コメント(2件)

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前に、雪山讃歌はいとしのクレメンタインと同じ曲だとは聞いたことがありますが、この様な深い関係があったとは知りませんでした。雪山讃歌は、山の歌なのにどこか哀愁を感じたのは、そのせいなのですね。山好きでなくても、多くの人に愛されるメロディです。歌うたびにこのいきさつを思いだすでしょう。それにしても、英語教師のエルダーさんが日本で口ずさんでいなかったら生まれなかったわけですね。縁とは不思議なものです。面白いお話し有難うございました、Jackさん。
Anne
2011/08/11 20:45
国が違っても替え歌になると流行った歌が他にもあります。映画の曲やアメリカの歌のカバー曲など、メロディは同じなのにちょっと違う日本語の歌詞で日本ではヒットしたのがあります。たとえばSound of Musicのドレミのうたです。ペギー葉山がドーはドーナツのドと原曲の歌詞より離れた内容になっていますがそれが大ヒットしました。

歌とはいろんな意味で人を楽しませてくれますね。
Jack
2011/08/15 16:11

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