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zoom RSS 「雷を盗む」が「お株を奪う」ことだって?ー"Steel one's thunder"は芝居の雷から

<<   作成日時 : 2011/07/11 18:52   >>

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梅雨明けや夏の夕立などが今は多い季節です。今回は雷にちなんだ英語のThunderにからむお話です。

人の得意にしているものを横取りすることを「人のお株を奪う」と言いますね。英語にはこれに相当する意味の表現がいくつかあります。その中で面白いのはSteel one's thunderです。one'sの部分はだれかで、his, your, myでもよい。要するに人がやっている良い方法や考え、得意技を、横取りしてしまうことです。これをやられた方がくやしまぎれに叫ぶのが、あいつは私のお株を奪ったHe stole my thunderです。英語を見て、「彼は私の雷を盗んだ」と日本語に直訳するとなんのことか分からなくなります。ではなんでお株が雷になるのでしょうか。

まず日本語の「お株を奪う」ですが、「株」とは近世にはお上からいただいた世襲、継続を許された特権や地位、家業で、また得意なことを表しました。「お株を奪う」とはこのような特権や得意技を出し抜いて横取りすることです。

18世紀の初め、イギリスの詩人で劇作家のジョン・デニスの作品で悲劇の「アピウス・アンド・バージニア」が1709年に上演されることになった。彼は劇中の雷の擬音を新しく考案して、より劇的に芝居を盛り上げるつもりだった。観客はきっとこれに感動するに違いないと密かに思っていた。ところが芝居が始まっても芝居の評判はよくない。新しい雷の効果音はそれなりによかったが、芝居全体の評判を良くするほどではなかった。興行成績は悪く、結局上演は打ち切りになってしまった。

ガックリきた彼は、そのあと上演されたシェークスピアの「マクベス」の評判が良いので、どんな具合で良いのか確かめに行ったら、なんと彼が考案した雷の効果音が嵐のシーンで使われていた。腹が立ってきたデニスは劇中に立ち上がって、大声で叫んだのでした。「卑劣者!私の芝居は打ち切り、その効果音だけ盗むとは!」。

彼の作品はあまり後世には残らなかったが、この時叫んだ"Steel my thunder"とその物語は後世まで語り継がれ、今でも日本語の「お株を奪う」に相当する意味として英語では使われています。舞台の中の雷の新しい効果音を了解もなく盗むとは、Steel my thunderと私でも言いたくなりますね。

こんな雷を少し前に見ました。でも雷は光と音で出来ているのです。

画像


Thunderは雷鳴のことで、いわゆるごろごろする音のことです。稲妻はLightningでピカーと光ることです。この両方を合わせたのが雷電でThunderboltです。雷があった翌日に、アメリカ人にDid you see thunder yesterday?と言ったら怪訝な顔をされたとの話もあります。日本語の雷は両方の意味を持っているので便利ですね。雷は「神鳴り」からきているようで昔の人は神様のようにとらえていた。ギリシャ神話のゼウスも雷神で、稲妻のするどい矢で相手を威嚇したそうです。

英語では"Steel one's thunder"の他に、「お株を奪う」ことを表現した単語、慣用句がいくつかありますので参考に書いておきます。

Beat somebody at his own game. お株を奪う。

Upstage someone.お株を奪う(誰かに勝る) 

Steel the show.お株を奪う(人気をさらう)

Outdo xxx  xを凌ぐ、勝る、有名である

Go beyond xを超える、勝る

その他Steel を使った慣用句

Steel a glance 盗み見をする。

Steel a moment. 機会を見つける。

Steal a march. 忍び足で近づく。

雷で昔の夏を思い出しました。すごい暑い日には、入道雲がモクモク上がって、夕方には黒い雲になり、急に夕立と雷がやてきて、30分くらいでさっとそれが終わると、気温が急に下がり、さわやかな風が吹いてきます。木々はみずみずしく緑を増して元気になっています。ふと見上げるとかなたに虹がかかって夕焼けに映えています。節電と暑い夏、ふとこんな昔のような夏が今年あったらいいなと思いました。

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コメント(2件)

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お株を奪う、steel one's thunder、この背景のお話面白いですね。この効果音は、盗まれるほど素晴らしかったんですね、同情したくなります。今でしたら、訴訟にまで発展するかも? 私の知っている慣用句が一つありました。steel the showです。よく映画の批評のなかに使われていて、覚えました。有名な俳優が、競演している無名の役者や、子役に人気を奪われ注目されないことがあります。そんな時にぴったりの慣用句です。いろいろと取り上げてくださり有難うございます。覚えておいて使ってみます。
Anne
2011/07/14 21:11
Anneさん
芸能界ではSteel the showのようなことがよくありますね。やられたほうはそうとうカリカリするでしょう。このようなことは東西南北、時代が変わっても人の気持ちは同じで、したがってどの言語にも、似たような言い回しが出来るのでしょうね。今年は梅雨明けにあまり集中豪雨や雷がありませんでした。あまりにもあっけなく梅雨が開けて毎日暑い日が続くと、もう少し豪雨と雷がなってから、梅雨明けして貰いたかったと勝手に想いたくなるこの頃の暑さです。
Jack
2011/07/15 18:55

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