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zoom RSS 米英の落書き"Kilroy was here"/"Mr.Chad"をめぐる話

<<   作成日時 : 2010/07/05 19:48   >>

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皆さんはアメリカの落書きの定番"Kilroy was here"とイギリスの落書き"Mr.Chad"を知っている? ちょとした英和辞書にも出ていますよ。

"Kilroy was here"について
第2次大戦時米兵の行くところ、ドイツ、イタリア、日本にいたるところに書いてあった落書きです。また軍艦にもやたらに書いてあった。スターリンがヤルタ会談で各国首脳と話したとき、トイレから出てきて、"Kilroyってだれだ?"といったとか!?

第2次大戦時、Kilroyと呼ばれるアイルランド系アメリカ人が、東海岸のある造船所で検査官として働いていた。当時リベットを船に打った個数で給料が工員に払われていた。検査官Kilroyがリベット数をチェックするごとに簡単な印を書いたが、彼が居ないときその印を消してしまい、給料を余分に貰おうとするずるい工員が増えた。対策としてKilroyがチェックしたところに片っ端から"Kilroy was here"(キルロイがきたぜ)と書いたらもう消せなくなった。大戦の多忙な折からそれをまた消してまでの労力はなく、そのまま出航しアメリカ軍艦が行くところ世界中にこの文言が書かれた船が見られた。

これを見て各地の米兵は落書きとしてトイレなどにやたらに書いた。本人の名前を書くとあとで追求されるなどリスクもあり、どこでも書いてある"Kilroy was here"なら書いてもいいだろうと、ドンドン書いた。ドイツ語で"Kilroy war da"とかもあった。大戦が終わっても、一般人の書いた落書きがアメリカ各地でトイレなどで見られるようだ。また最近ではイラク、アフガニスタンの紛争地域や米軍駐屯地にもあるようだ。その文言と同時に壁の向こうからはげ頭の顔の一部と大きな鼻を壁に乗せた絵が描かれていることが多い。どうもこれは世界に満遍なくある落書きとしてギネス級らしい。

最近読んだ本「謎の1セント硬貨」向井万起男著(講談社版2009年エッセイ賞)にもこの落書きの由来と絵の関連付けが詳しく書いてあった。向井さんはあの日本の女性宇宙飛行士第1号の向井千秋さんのご主人です。慶応大学医学部の準教授で千秋さんもお医者さんでしたね。この二人がアメリカでドライブ中に入ったトイレに"Kilroy was here"が書いてあって、千秋さんが「"Kilroy was here”って何よ」から物語が始まる。万起男さんは高校時代から知っていた。千秋さんみたいに意外とアメリカに何年も住んでいたり、アメリカ通の人でもこの落書きの意味するところは知らなかった人も多いようですね。あまりにもアメリカ人にとって常識すぎて、かつ落書きなので話題にものぼらない、本などにもあまり書かれないことが外国人には知られないのが事実のようだ。

向井さんはいろいろ調査の上、わざわざアメリカのホームページ"Kilroy was here"に文言とその落書きの絵の関係の自説を載せている。第2次大戦時貼られたポスターの文言"We can do it"や "Rosie the Riveter"で有名な女性リベット工のRosieとの恋物語をKilroy伝説に仕立て上げている。

昨年のアニメのアカデミー賞の「つみきのいえ」の加藤監督の言葉、"Doumo arigatou Mr.ROBOT"にもこのKilroyは関係あるROBOTは加藤監督の会社名。Mr.Robotは歌のグループSTYX(スティックス)により25年ほど前に米国ではやった歌で、その中でDoumo arigato, Mr.Roboto(わざわざ"O"が日本人の発音的に入る)の歌詞があり、また最後に"I'm Kilroy"と出てくる。"Kilroy was here"は歌のアルバムでMr.Robotoはその中の曲。アカデミー会場のアメリ人は加藤監督のMr.Robotoにドット笑ったが,日本人にはこのジョークは通じなかった。米国のマスコミなどは今回アカデミーのBest Speechとまで言ったが、日本のマスコミはほとんどこれに関してはノーコメント。その国の常識を知った上での冗談が理解できるかどうかを示すよい一例ですね。

"Mr.Chad"その他について

ところでイギリスにも似たような落書きと絵があります。それはMr.Chad。大き目の辞書で引いてみて下さい。チャド氏などと説明がある。"Wot-No Beers?"(なに?ビールがない!)などNo以下をE-mail, Phone, Toilet Paperなどに置き換えるて面白がる落書きです。WotはWhatの音読みでこちらの方がアメリカより古く、イギリス兵も各地でこれを書いたらしい。どうも一番乗りや苦労して戦って着いたところにはこんな落書きを書きたがる心理があるようだ。米国の西部劇時代でも開拓して初めて切り開いたところには、岩などに自分の名前を彫った。

音読み落書きでは、オーストラリアでは"Foo was here"(FooはWho)と言うのがあるらしい。この音読みで落書きを書くところがみそで、あたりまえでないのが面白い。

さてKilroy落書きのオリジナルは19世紀初頭のオーストリア帝国時代の落書き"J Kyselak kam"(キュゼラーク来る)にあるとする説もある。政府の下級官吏で公文書の筆写係のJ Kyselakは落書魔でいたるところにこれを書いた。kyselakもなんとなくKilroyに似ているし、kamは英語のwas hereに対応して似たような文になる。しかしずいぶん時代が離れており、オリジナルとするには?と思う。今でもオーストリアにはその当時の落書きがあるらしい。

昨年のアカデミー賞の加藤監督の謝辞の言葉から疑問が始まり、"Kilroy was here, Mr.Chad, Kyselak"と関連を追ってみると、物事を漠然と見て判ったような気になっていることが、実はあまり判っていないことが多いのではないかと思う。ものごとをほどよい”こだわり”で掘り下げてみるのも面白い。

"STYX"の"Mr.Roboto"(アルバムKilroy was hereの一部)

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アメリカ"Kilroy was here"の落書き

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イギリス"Mr.Chad""Wot-No xxxxx"の落書き絵がKilroyに似ている。

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オーストラリア"Foo was here"の落書き音読みが面白い。

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オーストリア"Kyselak kam"の落書き

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向井万起男氏によるアメリカのホームページ掲載したKilroy伝説(いくつかあるLegendのうち、Legend#7が向井さんの説です。おかっぱ頭とひげで判る)

http://www.kilroywashere.org/001-Pages/01-0KilroyLegends.html

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